2017-10

tellurium

知らぬ間に発刊予告が出ていた、シンセイネンバンコクシカン。
怖すぎるぜっ。
三校になってはじめてゲラ見せてもらったら、色々ありまして。
ちゃんと目を開かないと駄目なんだー。
そして僕のやる気も継続しないと、これ素氏のライフワークなんで、何よりもお手伝いしないと、意味がない。

**

「幼年期の終わり」で涙を流しまくったあの日。
もしかしたら、SFに何か厖大なる可能性(自分が探しているもの)があるのではないかと思ったあの日。
それから一年、二冊目のクラークは『太陽系最後の日』。
これベストといいながら、初期作品集なんですね、
だから種とか萌芽の集まりといえばいいのか、時々嗚呼と叫ぶのだけど、思考が展開においつかず、おいてけぼりにされたり、オチが納得いかなかったりして、うーんと唸っていましたが。
「海にいたる道」にきて、電車の中でわーーと泣きそうになる描写が。
個人レベルでない、何千年の時間と何万光年という距離を丸ごとひっくるめて吹く寂寥の風。
旅路の果ての発見としては、これ以上の空間があるだろうか。
これは究極の都市文学じゃないのか!!
なんて美しい廃墟像なんだ!
と叫んでいましたが、やはり最後にちょっと展開がどたばたっとしてしまいましたね。
いやいいんだ。
これ『都市と星』の原型らしいので、次はそれを読んでもっと胸をかきむしればいいではないか。
愉しみがひとつ増えました。



 長い間ブラントは、その丘の頂に身じろぎもせず立ちつくしていた。彼の意識にあるのは、ただ眼下にひろがった都市の驚異のみだった。この雄大な光景のなかで、彼はひとりぼっちだった。より偉大な人類の業績の前に、圧倒され、茫然自失している、ちっぽけな人形にすぎなかった。歴史の重みが――百万年以上の長きにわたって、人類がその上で苦闘してきた広大な斜面のながめが――彼を打ちひしいだ。その瞬間、ブラントには、自分がこの丘の頂から見晴らしているものが、〈空間〉というよりはむしろ〈時間〉であるような気がしてならなかった。そして彼の耳のなかでは、過去へむかって吹きこむ永遠の時の風が、蕭々と音を立てて吹き渡っていた。

416-417pp 「海にいたる道」 深町真理子訳

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