2017-08

vanadium

帰り道、青い手袋が落ちていた。
手袋と言っても毛糸のそれではなく、くしゅっと丸まった実験系手袋だ。

一般の人も手荒れ防止でディスポのラテックスグローブを使うことがある。
これはネットなどでも購入しやすい、が、概ねクリーム色だ。

そのくしゅっとした塊を跨ぐとき、僕はそれがラテックス製ではないと見抜いた。
ラテックスの伸縮性のある感じではなく、伸びの悪い、ノペッとした気配がある。
ラテックスは中に粉がついていて、これにアレルギー反応を起こす人が多く、
約20年前からパウダーフリーが主流になった。
素材のラテックスは伸びとフィットが良い反面、粉だけでなく素材自体がアレルギーの元になることもある。
さらに紫外線による硬化・劣化が強いのが難点でもある。
そこで出てきたのがアセトニトリル製で伸びは劣るものの、肌へのやさしさは格別。
どういう製造工程のちがいか、ニトリル系は着色が豊富で、緑や菫や水色などさまざまだ。
そして、色を見ると、メーカーがある程度絞り込めるという事実もある。

今夜、道に転がっていたのは、濃い目の青。
これを出しているのは、自分の中では一社しかない。
海外輸入品ではなく、某実験系代理店メーカーブランド。
なかなか一般人が購入するのは難しい気がする。

そしてそのブランドは、前職場で自分専用に購入してもらったもので、我が家に三箱残っている。
手湿疹対策に、食器洗いに活用している代物。

この道を前回通ったのは、昨日の午前中。
ということは、僕の体に付着して、落下、そのままこの場に丸一日以上転がっているとでもいうのだろうか。
どうにも解せないミステリー。
解せないけど、一瞬にしてこのささやかな推理が進み、ニッと笑ったのであった。


**

人は、対人関係という点においては、固定された得手不得手など存在しないのかもしれない。
他者に投影された自己の無数のパラメーターが複雑に感応し、
聞き上手、話し上手、聞き下手、話し下手に変わるのではないのか。

人は生きてきた分だけ、いかなる経歴であれ、たとえ日頃引きこもりであろうとも
何らかの「専門性」を持ち合わせていて、
聞き手に興味と、甘受する知識がある時、加えて引き出す力が加われば、
どんなに朴訥なミザントロープも、舌を躍らすのではないのか。
そうすれば聞き手は、自然と合いの手をうち、逆に語り手に変わる。

僕も
むしろ感情から遠く離れた、大きく捉えると「技術」に関する話題であれば
とめどなく話していることに気づく。

そういう条件がそろう瞬間が面白いと思う。

**

「同心円状」と「偏位性」という概念についてずっと考えている。
被修飾語は、鏡の反射、脳の放射(思考であろう)。
これが実質、どういう状況/概念を比喩しているのか、ちっとも掴めない。

図形的にみると
円は既に互いに相似の状態にあって、さらに同心円となれば空間における位置関係でも
「強者」の位置にあると思う。
何が強いのかって?
うーん、説明しにくい、その状態になるレア度があがることは、
既に麻雀において飜数が高いのと同じ、
ゲームにおける高得点は希少性確率の低さと同等であるという意味で
「強い」といいたいのだけれど。

対して「偏位」した状態というのは、傾きを固定しないならば、単にブレと読むならば
遥かに起こりやすい事象であって、「同心円状」の対義語ととらえてもいいのかもしれない。
が、これを鏡だの思考だのにかけて一つの概念として捉えると、急に思考停止してしまう。

ということで、後半、男爵の喋りに、いい加減にしろと突っ込みを入れる。
作者と懇意だった、急進派のカント哲学者、Ernst Marcus(1856-1928)の思考回路がちっとも分からないので、四苦八苦している。
それだけの話を、自分の脳内闘争的に取り出してみました。

終わんねー、やばいわ、非常に。


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絹山絹子

Author:絹山絹子
狸穴幼稚園の図書委員

kochairo@hotmail.com
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