2017-07

リリイ

とにかく動きがのろい。
ふっと気づくと時間がたっているというか、
自分の想像しうるキャパの半分も作業ができない。
この遅さがおそらく鬱のなせる業なのだろうと思う。

一日に何度も黒い穴に落ちる。
他に表現しようがないのだが、心が急にずるんと寒天のように吸い込まれる。
何をしている時とも限定できないけれど、ずるんときてしまう。
その瞬間の不気味さというか、瞬時に音や光が世界から失われる感覚というか。
肉体はあるけれど魂が消える感覚。

**

重い腰を上げて日曜に国立近代美術館の常設展へ。
大好きな松本竣介の絵が十点以上あり、ぎゅうぎゅうに心が上下する。

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平凡社コロナブックの「松本竣介 線と言葉」
この人の一生を眺めるには美しい線や色彩が再現された図版とともに見るのは欠かせないものだ。
暗色に乗せられた建物の構造線が先に丹念に設計された描線であったと知る。
自画像を描き続ける、逃げぬ心にかけがえのないひたむきさを感じる。

若くして死ぬ、足掻き転がり生き抜いた戦時を跨ぐ人たちの息遣いはいつも僕をゆすぶる。
いつも僕のまなざしは、この周辺にあり、全く辛い時代であったにもかかわらず、現在よりも遥かに豊かさを感じる。
大正から昭和初期のことをずっと考える。
どんどん今が恐ろしくなる、今を象徴するものを全て捨ててしまいたくなる。

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絹山絹子

Author:絹山絹子
狸穴幼稚園の図書委員

kochairo@hotmail.com
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