2017-07

ダイアナ

獅子文六の「娘と私」をあらかた読む。

平易で読みやすく感情の襞を追いかけなくとも、大変詳らかにされている。
名前は変えてあるが、自伝小説で、フランス人の奥様と日本に帰国し、娘が生まれ、妻が死に、次の妻も死にゆく。
娘を育てる、仕事を真面目にするという、文人としてはひどく真っ当な心持ちで、時折あれこれ嫌なことにムスリとしたり、利己的な感情を露わにするけれど、道を逸脱することはない。
そもそも不良は社会の枠を意識しすぎるから起きるので、個人主義者は自身の内面に拘泥しても、あえて暴れてやろうとかいう気概は生まれないのだろう。
だから、この小説にかつて聞かれた文人の破天荒なおかしさを求めても仕方ない。
また、あるいはNHKの朝の連ドラ第1作となったのがムベなるかなで、これが延々続く朝の風景、日本人の好む、女の子の張り切る姿、家族の奮闘の基盤を描いている。
これは奮闘であって、闘争とまではいかず、ましてや相克にまでゆかない。
そのくせドラマとは違って、現実にあったことなのでカラッと晴れ上がることもなく、ジメジメとしている。

説明しにくいな。
なんだか、相容れない、としか言いようがないか。
家族を相当あけすけに描いていても、悲壮も笑いも共感も、一つもないといえばいいのかな。



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