2017-06

古風

濃塩酸の蓋を不用意にあけると
淡い煙があがる。
そして酸の文字通り強烈に酸っぱい匂いが鼻を犯す。
君はその酢酸がひれ伏すような匂いを嗅いだだろうか。

高濃度の過酸化水素水を不用意にあけると
いつの間にか指先に痛みを負う。
君はその白い斑と指紋が絡みあう痛みを感じていたろうか。

君はいつしか紫外線の殺菌灯にのみ照らされて
ステンレスにだけ映る、影。
焼滅の磨滅の受身に耐えて、
あえて貴い夜さえも手離した。

✳︎✳︎

胃がこわい。

言葉は通じない。

胃がこわく震え続ける。

イベントで、
笑えなかったら、

ごめんなさい、
とか先取りの謝罪とか浅ましい。

✳︎✳︎

バイトついでにビレッジバンガードに寄る。
新しい漫画に会いたくて。

古風な漫画に会えました。
POPには24年組が蘇ったようと、ありました。
竹宮、萩尾とか。
でも買った短編集読んで感じたのは、
あ、これ、大島弓子の感覚だと。
絵は入江亜季さんの初期にも通じてるけど。
あとは、ぶ〜けで描いてた佐藤真由さんの匂いもある。
大島弓子のブラックアウト寸前の
闇に落ちる極みを真綿で掬うような
柔らかい残酷さ。
モノローグが詩的で、模糊模糊と揺れる。

でもきっと再来とか、似てると
言われるのは困惑されるに違いない。
だってそれは一部にすぎないから。

この古風さはどこから来てるのかと考える。
それは簡単にいえば、
チャラチャラしてないということ。
思考回路が深い芯で回っている。
今はたとえほのぼのとか言われるものでも、
尖端を狙いすぎている。
凡ゆる場所でエッジを立たせて過ぎている。
『売れる手法』に知るも知らずもはまり過ぎている。

その漫画家さんの名は売野機子さんという。
新しい楽しみが増えました。


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Author:絹山絹子
狸穴幼稚園の図書委員

kochairo@hotmail.com
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