2017-03

唐笠

岩井俊二のムービーラボ、
一月に録画していたのをようやく見始める。
座談会+生徒スマホ映像講評的な、
ダランとしつつ、鋭い指摘満載の。

科学画報の小説を読みながら、
実は今まで殆どSF読んでなかったので、
今回、ふと、当たり前の事を考えた。
トンデモSFとか呼んでいたけど、
あのまだ科学の実益が市民に浸透しはじめた最初期、
あの時代には夢の風呂敷を存分にひろげられる空間があった。
トンデモでもいい、ドラエモンも真っ青になる、いや既に真っ青か、
夢見る容易さがあった。

凡ゆる事が実現して、
便利で潔癖と健康が飽和して、
その癖、世界の閉塞はあたら甚だしくて、
みんな窒息寸前で忘我の日々を送る現在。
夢見る永久機関は、完全に機能を失った。
科学画報が愛しくてしかたないのは、
無い物ねだりの、喪失感の裏返しなんだろうな。

3号には、『百年後の科学画報』という作品が載っています。
宮里記者が大正16年、昭和元年に夢見た百年後の奇跡です。
ありふれた技術の予測よりも、
彼は別の予測、人の心の有り様を予測しようして、封印しました。
見えたとしても、怖かったのかもしれません。
彼にとってそこから二十年が
あからさまな閉塞と緘黙につつまれたように
今僕たちは、飽和のナベでじわじわと茹でられながら、
想像力も断ち切られて、膝を折るしかない。

宮里良保さんに会いたかったな。
本当に会って、話を聞きたかったな。
彼は僕が生まれる二年前に他界していたのです。
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狸穴幼稚園の図書委員

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