2017-10

黒揚羽

高校生だった狩野都は
小説が書けなくなって
あんなに嫌いだったスカート履いて
日夏さんの庭で黒揚羽の大群に包まれたまま
立ち尽くしていた。

暑い日だった気がする。

揚羽に襲われた彼女を
本当に蝕んでいたのは、何だったのだろう。
あの淵はどこから生まれたものだろう。

狩野と僕らは同じ年だ。
狩野はまだ生きているだろうか。
向日葵さえ灼けつく夏の日差しを浴びているだろうか。
まだ書いているだろうか。

彼女なら
もうこの星にはいなくとも
きつときつと
書き続けているだろう。
魂は、気を済ましたりしないだろう。
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絹山絹子

Author:絹山絹子
狸穴幼稚園の図書委員

kochairo@hotmail.com
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