2017-11

鏡像

内弁慶な母親が家の中で異常な暴れ方をするようになったのは、僕が中学生の頃からだった。
そうほぼ今の僕と同じ年。
恐らく更年期障害に伴う精神不安定が起因である。
彼女の場合、過剰な責任を自身に科し、甘えたい気持ちを全て暴言と暴力で父に転嫁することでしか、社会生活の安定がはかれなかった。そこに少量の酒という引き金が加えられると、症状は加速する。警察や消防も幾度か来た。けれど、外部の人間は誰も本質は見抜けず、僕たちも口を噤んで耐えていた。
僕は二十二歳で家を捨てた。
それからも誰も彼女を病院へは連れて行かなかった。

おかしなこと、というか。
引き金は引き金のまま、70を越えた今も、攻撃する相手が密室にいれば、攻撃してこられるのだ。
更年期は終わっているだろうに。

僕は刃を自分に向ける。
他者は引き金ではあるけれど、多くの他者には何の責任もなく、一部の他者の『下品』さが、嘔吐を誘うだけだ。
鏡のよう。
刃の向きが真逆。

それはね、僕に甘えたくない心棒があるためです。
依存を呪わしく思うせいです。
攻撃するより、内省という苦しみを選ぶほうが、甘えられて育った僕には楽だからです。
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絹山絹子

Author:絹山絹子
狸穴幼稚園の図書委員

kochairo@hotmail.com
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