2017-08

痛いかも

図書館で借りてきてもらった「文藝」8月号を苦笑いしつつ。
勿論目的は「新カラマーゾフの兄弟 第一部」だ。

僕の中のささやかなミーハー精神は昨今、亀山センセーに向かっているといって過言ではないが。
ミーハーの対象に対する愛着は、笑柄ならんこと承知で、この人のダメなところも含めて好きというのが、いつものパターン。
ダメなところは、ロマンチスト過ぎるというのか、いや自己投影が過剰なために「冷徹」な解釈ができない、思い込んだらまっしぐら、そして卑屈感を漂わせつつ、自分語りラブなところだよね。

本作は三つの枠構造の仕立てになっているようだ。
1、小説全体を見つめる眼。
2、明らかに亀山センセーを主人公にしたKという大学講師の私小説。
3、そして現代日本に移された、カラマーゾフ一族。

3はまあ、テレビ版の「カラマーゾフ」が同じ現代日本に舞台を移して、大成功を収めていたのを、非常に意識しているはずなので。
カラマーゾフ家=黒木家のミーチャ、イワン、アリョーシャの経歴や出自のこと、スメルジャコフやゾジマ神父の配置なんかも結構頑張って練られているように思うのだが。
不思議なことに、兄弟の父、フョードルが13年前に怪死を遂げていて、現在も遺産をめぐって兄弟の仲たがいが繰り広げられているというデフォルトになってるのが、面白いかもしれない。
また新興宗教テロリズム=オウムを組み込んでいるのも、元の「カラマーゾフ」の第二部を想像しまくったセンセーならば、当然の置換のようにも思える。

が、既に亀山センセーのドストエフスキ関連の書籍を読んでいる者にとっては、そこここに出てくるキーワードが、いわば、「使い古し」感たっぷりになってしまっていて、うぬぬぬぬと言わざるを得ない。
そして何より問題なのは、2の部分である。
もうトホホとなってきました、僕。
猫拾ってマンションじゃ飼えないとか、一戸建てがほしいとか。。。どうでもいいわい!

いや、ファンなのです、本当に。
誰よりもロシアへの興味を大きく開かせてくれた人だし。
そして、「多弁なる吃音者」と僕は彼のことを名付けているのですが。
お喋りのリズムも大好きだし、文字にしろ喋りにしろ論の展開も凄い視点を持ってるとは思うのです。

でもねえ。
小説は書かないでくれたほうがよかったかもなあ。
まあ、残りが出たら、ちゃんと読もうとは思っておりますが。


文藝 2014年 08月号 [雑誌]文藝 2014年 08月号 [雑誌]
(2014/07/07)
不明

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