2017-10

イヴのサラゴサ


サラゴサの写本 [DVD]サラゴサの写本 [DVD]
(2014/01/25)
ズビグニェフ・ツィブルスキ、イガ・ツェンブジンスカ 他

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24日はイメージ・フォーラムのポーランド映画祭「サラゴサの写本」を鑑賞。
できれば、事前に世界幻想文学大系の「サラゴサ手稿」読みたかったんですが、うちにはなかった。
なので、勝手に「スタフ王」みたいにうっとりするような土着幻想譚なのかと思い込んでいたのです。
が、開始早々、撃たれたはずの兵士がむっくり起き上がる戦闘シーンをみて、あれ、これやばいかもと感じました。
俳優がなんちゃってと遊びまくる書割舞台劇のにほひがするぞなもし。

その予感が的中というのか、恐るべき夢オチの連続が起り、
あまりのその繰り返しに、およよよよとなっている間に、激しい睡魔に襲われる。
ふと横を見ると、素氏もうとうとしていた。
膝を叩いて起こした頃に、漫画から飛び出した、いやいや絵に描いたようなモミアゲの怪しいカバラ神秘学者登場。
ここから三時間とは思えぬ、面白展開に。
いや、笑った、笑った。
千夜一夜も、ドン・キホーテも、真っ青さ。
最初にぐるぐる巻きに同じ場所で廻っていた円は、とぐろをほどいて、これでもか、これでもかと、シークエンス、もうはやマトリョーシカ状態。
唯一我々を正気に保たせてくれたのは、ちょいジョン・レノン風な眼鏡の学者(?)でありましたでしょうか。

帰宅後、眠られぬまま、枕元に積み上げた本をぱらぱらめくる。
それは以前から気になってはいたものの、最近古書店でやっと入手した「ロコス亭」であった。


ロコス亭 (奇人たちの情景) (創元ライブラリ)ロコス亭 (奇人たちの情景) (創元ライブラリ)
(2011/06/29)
フェリぺ・アルファウ

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著者前口上を読みつつ、はたと気づく。
これは、「サラゴサの写本」の特質を奇しくも指摘しているのではないかと。
おお、スペイン。

「本書に見られるような振舞いは、もっぱらスペインで発達したという点を指摘しておきたい。スペインというものは、思想でも言葉でもない、いわくありげな振舞い――いわば狂態《ジェスチャー》――が国民性の域に達しているお国柄なのだ」


「作中人物たちもこの無礼極まる活躍ぶりを他山の石とし、お腹立ちを表にださぬためにも平常心を十分に心がけて、どんなことが起ろうとも眉根ひとつ動かさぬ鍛錬を、読者は心がけられたい。時として読者の皆様は、主役級の人物が不当にも薄ぼんやりとしか描かれていないとか、ともすれば主役がすっかり存在感をなくしているなんて印象を抱くこともあろうかと思われる。あるいは、一見脇役と思われる人物がやたらに重要性を帯び、勇猛果敢な立役者よろしく振舞ったりもする。また、いきなり話の道筋が破綻して、私の指先からこぼれ落ち、収拾不能に陥ることだってあるだろう」
11pp

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狸穴幼稚園の図書委員

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