2017-09

あたたかいもの

今回は相当な前倒しで作業進行中。
やることは、溢れるほどある。
その合間に、持っていなかった雑誌が手元に吸い寄せられるように、届く。
少しずつ、足りなかった号が埋まっていく。
そしてやはり中身をみないと分らないことが沢山あると驚く。
今日は、小説ではない懸賞応募作品の中から、意外な小説の発見がありました。
落選者の中に、また後に名を残した方の名前も発見しました。
重箱の隅をつつきながら、最近では兄弟誌の広告にも意外な発見があって、
何度でも取り出しては新しい気持ちになります。

戦前の雑誌は、見ていると涙が出そうになることがある。
いま、金子光晴の「どくろ杯」を再読していて
二十年ぶりくらいでね、
いまこうして大正や昭和初期の匂いを胸と頭に飽和させていると
関東大震災を境に日本が如何に変化してしまったかが
胸を突くのです。
金子光晴はその変化を、空気の重さに耐えかねて
長い長い放浪の旅へと向かう。
科学画報は啓蒙雑誌だから
もっと前を向こう、もっとよくなると鼓舞するけど
本当はどれだけ悲惨な世界が広がっていたのか、
そこからまた暫くすれば、もっと恐ろしい世界がもう一度やってくる。

そんな中で編集部は、どれだけの科学の見る夢を共有しようと
映画大会や星の観測会や懸賞や
苦労に苦労を重ねてみんなに分け与えようとしていたのだろう。
押し寄せる圧制に抵抗したことが後に認められても
一方でその限られた枠の中で最大限の喜びのかけらを渡そうとした力は
得てして取り上げられることはないのです。
でも、そういう風に作り上げられた雑誌の方が
僕は愛おしく感じるのです。

昨日、ある著作権継承者の方から
温かいお返事をいただきました。
僕たちのような一介の同人製作者にも、
ちゃんと応えてくださる人がいて
尚一層、いいものを作りたいなと思いました。

ありがとうございます。
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絹山絹子

Author:絹山絹子
狸穴幼稚園の図書委員

kochairo@hotmail.com
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