2017-04

もいら

引っ越し作業完了。
意外と荷物収納できました。

怖い方の妹が急遽参加になり、
本当に何もかも考え方や生活スタイルが違うので
怒鳴り合いになりそうになりながらも、なんとか作業に専念。
お掃除ルンバがあったとして、
ルンバもサンバも踊れない、いやピクリとも稼動域のない僕の家を見たら、奴は卒倒するであろう。
健康志向、高級志向、理想主義ばっかり発言で、寒気が・・・。

***

「モイラ」半分読み終わる。
ジュリアン50歳の作品だからか、陰鬱さのキレが悪い。
主人公ジョゼフは陰鬱なんだけど、思考回路がいわゆる悪しき青春の負の回路状態でね。
誰も君のこと嫌ってないのに、
些細なことに妄想たくましく落ち込み、喧嘩をふっかけ、
周りはみんな勉強もせずに異性のことばかりだ、
唯一友だちになってくれた子も、どうも根本的には考え方がちがうらしい、
ああ、世の中ノイズだらけだ、わーーっ、吐いちゃう、本当吐いちゃった。
とかいう展開。

ジョゼフにはただしつこくチョッカイ出してきているだけ、ほっといてくれと感じている、同じ下宿の男の子がいます。
実は彼は最初からあからさまにジョゼフに惚れているんだな。
もうミエミエに、こちらも超青春的に全身告白してるんだけど、
それが神経質の朴念仁の主人公にはちーーっとも通じない。
あわれ、サイモン。
ええ、またも同性愛展開ありです。

ジュリアンは生活のベースは殆どフランスにあったけど、
アメリカ国籍だからということもあって、大学はアメリカに渡っていた。
その頃の体験が、相当この作品には盛り込まれている。
が、ジュリアン=ジョゼフと考えるのは短絡的すぎる。
むしろ今まで種々の罪咎の中に生きる人々の思考や行動の顛末を通して、
投影的に神の言葉なき宗教観を打ち出してきたジュリアンが、
あからさまに基督教を題材にしているのが、かなりの変化を感じさせます。

登場人物名に聖書にまつわる名を当てたり、
プロテスタントを真っ向から読み解こうとする人物を出したり、
「ギリシャ語で聖書が読みたい」「人を救いたい」「けれど基督を霊的にはちっとも感じない」というお子様ランチな思考回路の、ジョゼフという不確定な中心部をおいているところをみると、ジュリアンの変化がはっきりと見て取れるわけです。

まあ、最後まで読まないと判断できないけど、
これは結構キビシイ展開。
なにしろ、タイトルにもなっているモイラちゃんが第一部では登場していない。
そして恋を否定するジョゼフ、空気全く読めないジョゼフが、
モイラに出遭ったとたん・・・手のひら返すんじゃないかとも。

苦悩する人々の心の深奥から導かれた、
これが宗教の一端であろうと、じわっと伝わるこれまでの作品と
「モイラ」の直接話法は、かなり違っていて。
ある意味、婉曲から外れた分、薄味になってるかなーとか危惧します。

いや、このまま進むなよ。
頑張れジョゼフ。

あ、トーマス・マンの四部作「ヨセフとその兄弟」読まないと。
僕の中では、トーマス・マンとジュリアンって感覚的に共通項が多くて。
逆に「モイラ」と比較すると、差異の方を明確化できるかもなあとか、思う。


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(1985/05)
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Author:絹山絹子
狸穴幼稚園の図書委員

kochairo@hotmail.com
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