2017-06

人間の魂

神戸は雨です。

半年くらい別宅で仮住まいする母親のネット環境を構築するために、ポケットwifiを検討。
二年縛りじゃない長期レンタルって結構月額がすごいのねーん。
よーわからんから、頼むといわれ、僕名義で契約。

よーわからんと言いながら、74歳でパソコン教室行って、エクセル上級とかやってる人。
子供の頃、脇にいて娘の算数とか数学の問題、めっちゃ熱心に、
いやほぼ意地になって解こうとしていた姿が思い出されます。
教えてくれるのではなく、自分が解けるか、それが一番大事という。
だから、僕たちの成績なんて、どうでもいいのわけじゃないけど、良くて当たり前、悪いと理解不能な人だった。
褒められたとか、一度もないし。
うー。

まあ、こっちにいる間になんとか、ネット構築しなくちゃなりませぬ。
離れてるから、壊れてしまったらどうしようとか、かなり不安だけどねえ。
世の中この種々の契約縛りの横行、見かけと実態の差が大きくて困ります。

***

久しぶりにジュリアン・グリーンの未読の小説読もうと思って、
菫色が美しい人文書院全集から、「モイラ」(福永武彦訳)を旅の友としました。

そこに挟まれた月報を澁澤龍彦が担当しています。
おかしいのは、彼が、ついうっかり、全くジュリアンのファンでもないのに、この仕事を引き受けてしまったことを、ヒジョーに後悔しているということ。
締め切りが近づいて、やりきれないよーと嘆いています。

そして困った澁澤さんは、1/3を初めてジュリアンに触れた戦前の第一書房から出ていた「フランス現代小説 全十巻」の思い出と、そこに掲載されていた他に面白かった作品を羅列するという作戦。
そしてもうこれ以上の誤魔化しはきかぬと、ようやくジュリアンの「ヴァルーナ」という作品に触れるのです。
最後は苦肉に策で、ボルヘス「不死の人」と通じるとかなんとか・・・苦しそう。

大丈夫です。
ジュリアンは万人受けしないことは、よく判っています。
澁澤さんもこう嘆いています。

簡単にいえば、ジュリアン・グリーンは私の歯に合わないのである。
人間の魂の領域を扱う作家は、私にはどうも苦手なのである。



ジュリアンの小説は陰鬱です、陰惨です。
救いがほとんどありません。
精神の深奥を裂かれる思いがします。
でも、その裂かれ心から血を流した人たちが見るヴィジョンが素晴らしいのです。
そのヴィジョンの中には幻想建築と呼ぶに相応しい、建造物が登場します。

一番有名な「閉ざされた庭」(アドリエンヌ・ムジュラ)は、初心者にはお勧めできません。
強烈な少女の発狂の書だからです。
「幻を追う人」と「真夜中」に出てくる空間は、勇気ある人は覗くべきものですが、
幻を見る子供たちは、そこに至る前に、悲惨な眼に遭いまくります。
そこを持ちこたえられるかが、好みの分かれ目だと思います。
もう一つ「つみびと」も大好きです。
こちらは同性愛者の無産のおじさんの、男が欲しくて仕方がない葛藤と、おじさんを好きになってしまった女性に悲惨な状況が、またも素晴らしい建物の中で繰り広げられます。

ということで。
僕は「モイラ」を愉しみたいと思います。


スポンサーサイト

追い込み «  | BLOG TOP |  » 岐路

プロフィール

絹山絹子

Author:絹山絹子
狸穴幼稚園の図書委員

kochairo@hotmail.com
Twitter account:@quinutax

最近の記事

FC2カウンター

カテゴリー

リンク

このブログをリンクに追加する

ブログ内検索

月別アーカイブ