2017-09

こどものゆめ

何しろ咳がしつこくて、一度始まると止まらぬ。
寝転がると余計にひどいので、毎晩ノンレム/レムの境で発作。
うつらうつらとすると発作。
肋骨が軋んでいる。

むかしチャリで道端のフォークリフト(製本所とかにある)に激突。
肋骨あんまり痛いのでレントゲン取ったら折れてたのだけど。
罅や軽い骨折だと、コルセットしか治療はない。
あれで、この咳が重なっていたらと想像するだに、びびる。
くしゃみひとつで、うおーーっだからなあ。
のたうって、むせて、また咳出て、のたうっての繰り返しになるはず。
想像する絵は面白いけど。洒落になりませんって。

***

実家の解体が近づき、引越しの手伝いに先日帰省した。
いろんな時代の卒業アルバム持ち帰って中を見る。
小学校のアルバムは、文集が合体されていて、これがひどい。
自分の文章、ひどすぎる。
構成とかじゃなく、ずっと僕はとても偉そうな子供(今もそうだけど)だったので、
そのコマシャクレ感が見ていられないので、破りたい。

で、一学年50人もいなかった既に廃校になったその小学校の同級生に
S君というちょっと毛色の変わった男の子がいた。
自営業や船員の子弟が大半を占め、割りに野放図でガサツな子供たちの中で
S君だけは別の意味の放置をされた少年だった。
何しろ友だちの家の多くは飲食店だったり、パチンコ屋だったり、散髪屋だったり、船員住宅だったりする。
たとえば、JR(当時は国鉄)の高架下、一階はお店で、二階(つまり線路の真下)は天井の低い始終電車の走る音の聞こえる場所で、それも複数の家族が雑居化した不思議な空間で遊んだり、ラーメン食べたり、カツラ被って走ったりしていたので、どこにいっても、子供は何したっていいじゃないか、でも人は大勢いるよみたいな友達が多かった。
一方S君は母子家庭で、お母さんは会社勤めで、物は与えてもらえるけど、静かな一軒家に一人ぼっちな感じで放置されていた。
が、S君はさほど寂しいそぶりは見せていなくて、その大きな家にコロコロコミックをはじめとして大量の漫画や、本が並んでいて、物知り君だったように思う。

そんなS君とは中学は別になり、高校で再会し、一年生の時に同じクラスになった。
そのクラス会が十年位前に開かれたのだが、
クラスメイトの近況報告の欄を見て、どうやら文筆業をしていることがわかった。
お互いその同窓会には出なかったから、詳しいことは分らないのだけど。

前置きがながくなったけど、
そのS君が小学校の卒業文章で書いた将来の夢というのが、すごく可愛かったので。
ああ、いいなあと、純粋に楽しくなってしまったので、
引用してみたいと思います。
あ、当然、著作権切れてないです、不許可ですまぬ。


タイトルは「江戸川乱歩賞受賞の日」

今朝はいつもより早く起きた。
今は西暦二千年。
ぼくは、三十一才の小説家。そして今日は、江戸川乱歩賞受賞の日なのだ。
うれしくて、たまらない。
朝の十時になると、むかえの車が来た。
今回の授賞式は、ずいぶん大きなものだ。
僕が一歩会場に足を踏み入れると「ドバーン、パーン」という音がして、花火があがった。
「受賞おめでとう」という声が聞こえて、あざやかな色のテープが、ぼくに向かって投げられた。
ぼくの正面には、江戸川乱歩の息子さんがいる。
息子さんといっても、もう七十才くらい。
ぼくはその息子さんと握手をして、舞台の上にある講演台へのぼった。

(中略)

続いて、賞品の授与なのだ。
賞品は、賞金とシャーロック・ホームズ像。
これは例年の通りだが、今年は西暦二千年なので、特別に明智小五郎と小林少年と少年探偵団の像がついていた。

続いて祝いの言葉が述べられる。
ぼくの目標だった作家の星新一さんも来ている。
星新一さんは、ぼくが前に「目標は星新一さんです」と言ったのを知って、わざわざ来てくださったのだ。

今は「きものプラザT崎」の若社長であるT崎君もきているし、四宮時計店の若主人であるK崎くんことカワモもきている。
I藤文房具店の若主人I藤くんこと、ノンも来ていたし(※)、その他いろいろな人が来ていた。
これからはパーティーだ。
パーティーでは飲んで食べて、さわいで、大いに楽しんだ。

(後略)



※当時の同級生たち、こちらも名前は伏字にしました。
実は着物プラザこと呉服屋さんはまだ残ってるけど、時計屋さんと文房具屋さんは後を継がれなかったので、今ではお店もないのが、ちょっと切ないです。

しかし、乱歩賞の例年のトロフィーが、ホームズ像って・・・かわいいなあ。

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絹山絹子

Author:絹山絹子
狸穴幼稚園の図書委員

kochairo@hotmail.com
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