2017-10

日記の補完ならず

ジュリアン・グリーンは1900年生まれ、1998年歿。
そして彼の日記は、1919年から没年まで、なんと19冊も発行されている。
ジュリアンはアメリカ国籍だったが、ほとんどの作品をフランス語で発表しているので、勿論この日記も完全版はフランス語でのみ刊行されている。

福永武彦が編集した、人文書院の「ジュリアン・グリーン全集」にも日記が二冊入っているのであるが、
当然ながら全部は入っていない。
以前、ジュリアンの見た絵の紹介をこの日記からしたけれど、
ジッド、コクトーをはじめとして同時代の交流や、創作の懊悩、
ジュリアン自身の同性愛的葛藤が赤裸々に描かれていて、ものすごく大事なんです。
ええ、僕個人にとってだけですけど。

日本語で唯一読めるこの日記は、1928-1943年までが収められているのですが、悲しいかな抄訳であることがわかっていました。
なので、英語版の日記を購入して、抜けてる部分を補完しようと思い立ち、
米国アマゾンに発注して、一ヶ月。
船に乗ってやってきたよ。

julien_diary.jpg

いや、日本版で15年分が二冊になってるのに、
こちらは1928-57で30年でペーパーバック1冊って怪しいと思ってたんですが。
ええ、予想通り、こちらも抄訳でした。
抄訳も抄訳で、20代の部分は、一年で5日分くらいしか載ってません。
さらに、日本版は、ある一日を収録すると決めたら、その日は全訳になっていることがほとんどのようですが、英語版は、相当すかすかで、ひどいところは、ワンセンテンスのみって感じで。。

まあ、凹んでも仕方ない。
丹念に日付を追いつつ、二者で照合していくと、日本版になくて英語版にのみある日付もそれなりにある。
なにしろ、戦後部分は全く翻訳されてないんだからね。
英語版は、Kurt Wolffという人が編纂していて、ジュリアンのお墨付きももらっています。
さらに翻訳は、アン・グリーン、ジュリアンととても仲の良かったお姉さんで信用できるなと。

先日、ジュリアンの自伝英語版も4冊そろったことだし。
なんか、面白いことできるといいなあと、思案中。
需要なさそうだけど、これまた。

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