2017-10

新橋文化


フリッツ・ラング・コレクション M [DVD]フリッツ・ラング・コレクション M [DVD]
(2007/02/24)
ペーター・ローレ、オットー・ベルニッケ 他

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今年は全然映画館へ行っていなくて、
二月の「変態アニメーションナイト」
(これはブッ飛んだクレーアニメ短編傑作選ですごく面白かった)
以来、素氏に誘われて、はじめての新橋文化へ。

ガード下の映画館近くには、別の意味のオヤヂの聖地のような、喫煙オンリー大歓迎な喫茶店アリ。
そこで一服ふかして向かう。

二日前に「愛の嵐」を見にいった素氏が、映画館の凄さを吹聴してくるので、ちょっとドキドキしつつ侵入。
いや、ある意味、いいよ。
映画もおもしろかったけど、ハコがおかしくて、気をとられっぱなし。
一段高くなったスクリーンの両脇が、左が女子用、右が男子用のトイレなんて、斬新じゃないか。
そして、上映中に、これだけ目立つのにトイレにはいる人の多いことよ。

二本立て入れ替えなしで900円(60歳以上ペアなら800円)という安さのせいか、
上映中も出入り可のせいか、全体に客層がおっさん率高し。
まず、「M」を見ながら、後ろのおっさんが、フゴーフゴーと大音響でイビキかいてるし、高架下だから、電車の走る音はするし(なくなった、銀座シネパトスと同じ)。

ついで今までの映画館体験で最も失礼なジジイ登場。
中途入場で、壁伝いに歩かず、他にも席は空いているのに、わざわざセンターの通路を通って、別のおっさんの前に立ちはだかって、席にヨレヨレの足取りで侵入。
それが、素氏の一個前の席だった。
さらにコンビニ袋の音を高らかに立てて、なにやら食事を開始し。
休憩中はタバコも吸わないくせに、狭すぎる喫煙室に入ってきて、喫煙者を押しのけてジュースをもたもた買い。
きわめつけは、「フリークス」の回でジジイの携帯電話がなり。
万が一マナーモードにしてなくても、速攻消すのが常識なのに、鳴らしたまま立ち上がって場内で、通話を始めやがった。
挙句に、「M」も前半みてないし、「フリークス」も後半みないまま、
また僕たちの視界を塞いで立ち上がって、出て行った。

凄すぎた、あの超絶ノーマナー。

で。映画はというと。
フリッツ・ラングかっこいいなあ、痺れるコマが満載。
影の使い方が特に印象的で、恐怖がじわじわやってくる。
連続幼女殺害魔のせいで、警察がやたらにガサ入れするものだから、闇の商売してるやつらのイラチが満杯になり、動きの悪い警察より先に自分たちで捕まえてしまえ、っていう設定自体が、最高に洒落ていてね。
ドタバタのおかしさや、自分たちで裁判までやっちまおうという、やりすぎの計らいも凄く面白いのだけど。
一方でペーター・ローレの、子供に手を掛けることを止められない衝動を告解する場面や、追い詰められた倉庫の闇の中で、キロキロ動く白目の大きい飛び出しがちな眼球とか、背中に「M」と印をつけられたことに気づいた時の表情とか。
ぞくっとするね。
「M」の文字はまるで灼印みたいだった。

「フリークス」は実は遠い昔、VHSで観たことがあったと開始早々思い出す。
結婚パーティーのさなか、フリークスたちが杯を廻して一口ずつ飲み干しながら、「お前も仲間だ、さあ飲め」と遺産目当てで結婚したクレオパトラに迫るシーン、凄かったなあ。
最後の嵐の中の復讐劇も、記憶の底からがっと次の場面が盛り上ってきて、くるぞくるぞと心の中で、じわじわ恐ろしさと哀しみが頭の中でこんがらがったのでした。

でも、最後の見世物になっているクレオパトラの姿は記憶から落ちていて、
というのも多分因果応報的な、その姿になる理由や要素が、
前回も今回も、理に叶っていない気がしたからかもしれませぬ。

今週来週は、渋谷で「ソビエト・フィルム・クラシックス」あり。
スタフ王が今年も観られるのですよ。
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絹山絹子

Author:絹山絹子
狸穴幼稚園の図書委員

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