2017-05

いちじくの鐘

頭の或る部分を駆使したゲームが好きで
十代後半から麻雀がとても好きだったのだけど
でも、あれは四人必要で
かといって雀荘に行く勇気もなくて
専らテレビゲームを相手にしていたのだったけど。

いつも、本物の牌を触ると
この瞬間、亜空間から
気のおけない、打ち仲間が現われないかと夢想したものだ。
落語の「笠碁」は些細なことで喧嘩した隠居のおじちゃん二人が
お互いしか同じレベルで打てる相手がいないのに
「ごめんなさい」を先に云いたくなくて
お互いすぐ店の近くまで来てる相手を、
首を長くして、気にしていないふりをして、片意地張って待ち続ける話で
とても可愛いのだけど。

僕には、亜空間からひょいと引き出せる人も
傘がないので変な笠を被ってヤキモキ待つ相手もいないので。
そもそもみんな切り捨ててきたので。

ご都合主義はやめなはれ、と思う。

それでも、ジュリアンについて、いいよねえと云い合える友達のようなものがあるといいなと思う。

別にジュリアンのメジャー化とか望んでいないのだけど。
加えてネットの批評とかも読まないから。

己に都合のいい、話はどこにもない。

**

お正月に、年賀状の返信が遅れてやって来た。
僕のつくる変な年賀状に唯一反応してくれそうだった人でした。

僕のような劇場型訣別ではないけど
「もう昔のU(呼称)ではないので」という言葉を眼にすると
「さようなら」と読まざるを得ないと、半年じわじわ考えて理解する。
なるほど、期待して、ごめんなさいと思う。

これで地上から、お友達がすべて消えたと思う。

なので、来年から年賀状は作らない。

**

鏡をみない。
部品程度は、毎朝ちらっと見るけど
全体は決して見ない。

ほんの或る日。
街中で何かに映り込んだものをみて
怪物かと思う。

だから鏡は決して買わない。

**

街がどんなに美しくなろうと
虫を焼き、身体に過剰な栄養を与えようと
ヘドロ化したものを吐き
ヘドロを塗りたくり
なにも、原形をとどめえぬほど腐乱してゆく
人々。

僕が自分を私と呼ぶ日がくるのか
己もヘドロ吐き続け、
五感すべて封じ込めたまま斃れる日が先を越すのか
真剣勝負のないまま、
時間までが、朽ち果てる。

**

夜は美しいはずなのに
朝の前哨だと感じた瞬間濁り、
人々を眠らせることを拒んで嗤う。

**

憎しみなどというものは
もはや関心の同義語と受け取られるようになったのではないか。


**

割れるだろう。
すべからく。

僕は僕をゆるさない。
するとその牢獄は、またひとつ錠を増やすことになる。

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Author:絹山絹子
狸穴幼稚園の図書委員

kochairo@hotmail.com
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