2017-07

こわい?

いつもなら、月曜日に寄せられた祝日が、たまには平日のなかほどに来てくれないだろうかと願うのだけど…。
今月はダメだあ。
なんで、水曜日に春分の日が来る?
仕事が山盛りすぎて、これじゃあ二日連続の実験が二回しかできない!
と吼えざるをえないが、まあ僕は、自称孫請け商店なので、企業からもらう研究費が自分のものになる訳もなく。
そもそも、その親会社にあたる先生がお祭り野郎にしかみえない苦手な人なので、報告が間に合わなくても知らんわ!と所詮実験も僕には遊びのうちよと笑っておる次第です。

そう、遊びなの。
全て、一生懸命にみえてもね。
遊びだから、一生懸命に遊んでるわけです。
細胞のご機嫌を覗うのも、組織を美しく染め上げるのも、プラモ作ったりするのと同じなんだな。
もちろん、時に患者さんがすでに手術室に待機していて、僕の作ったものを待ってる、なんていう吐き気の多い緊張の瞬間も訪れてはおりますが。

**

最近、民放というか地方局の映画が結構名画座風になっていて。
先日初めて、「カサブランカ」を観ました。
タイトルは知っていても、未見の映画は多く、これもその一つでした。

ああ、これアメリカだなあと思った。
反ナチのプロパガンダを夢物語に、ひねりの利いたハッピイエンドに仕上げてしまう手腕はアメリカそのものだなあと思った。
ハンフリー・ボガードをニヒルに見せかけた極めてカッコイイ善人に市民派に仕上げること。
悲壮の皮を被った非現実。
愛してる愛してるを繰り返し、ちっとも観客に伝わらない、恋愛観。
綺麗な女性を挟んだ、運命の三角関係。
お決まりの黒人のピアノの陽気さと悲しげな雰囲気と、ラ・マルセエーズの大合唱と。

何も否定できないけど。
これは、僕が現代作家をほとんど読まない理由に似ていたり。
「とてもよくできている」
構成力もツボも知識もキャラの立ち方もみんな揃い踏み。
ついでに、史実もぎゅぎゅっと盛り込んじゃう。
つまり、現代の物語というのは読者を過剰に意識した、ややもすれば迎合的なエンターテインメントなの。

では、何が欠如しているかと云えば、深みとしかいいようがない。
反娯楽性とは、ある種泥臭い、どんくさい。
けれども、そこに生のえぐみと、心を鷲掴みにする何者かが存在する。

僕はもう娯楽は不要なので。
せいぜい自分の一人遊びの範囲に留まった小宇宙の娯楽でお腹いっぱいなので。
ホンモノだけを探していきます。

「カサブランカ」の感想を何度も観てきた素氏に告げると「怖いなあ」と返された。
僕は見えている訳ではないよ。
ただ、自分にとってのホンモノとニセモノを区別しているだけだ。
その物差しが個々人異なっていて当然だから、答えはどこにもない。
ついでに、好き嫌いの判断と、この真贋の区分は似ていながらも、食い違いは見せるもの。

そういう意味で。
先日シネマヴェーラで観た大島渚特集の「飼育」と「絞首刑」はいずれも完璧なホンモノだったけど。
好き嫌いでいえば、各段「飼育」に軍配を挙げてしまう。
かほどに凄まじいスケープゴートという存在のありよう、人間の生の醜さが出ている映画はそうそうない。
日本人だからこそ描きうる醜さを、一切の抜かりなく描き切った傑作だと思う。

まだまだ映画初心者のままだけど。
ようやく去年くらいから自分が本当に探している映画に出会えかけているきがして、嬉しい。

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Author:絹山絹子
狸穴幼稚園の図書委員

kochairo@hotmail.com
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