2017-08

幸福な子供時代

クリスティ読んだのって、もしかしたら中学が最後かも。
って云ったら叱られそうだな。
でも、中学の図書室に毎日通い続けて一日一冊読む!を使命としていた僕の海外ものの主軸は、クリスティとESガードナーでした。
あった本は全部読んだはず。
でも、一番好きだったのは、「ジェーン・エア」だけどね。
なぜかチェスタトンとかなかったのが残念だけど、あれは大人になって読むほうがしみじみ出来る気がするよ。

このずっしりと重い文庫上下巻は、神戸のロードス書房で購入しました。
これは図書室になかったもん。

「幸福な子供時代」
そう衒いなく話せるのって、本当に素晴らしい。
人の思い出の形成は、影と光のいずれかに偏在していて、僕にもそういう時間があったはずなのだけど、いまとなっては影の部分ばかりになっていて、だから、異国であれ、遠い時間の先であれ、眩しいキラキラしたものを読ませてもらえると、心底素敵だなあと思う。

往々、自伝というのは子供時代の記述が最も優れていて、例えばジッドの「一粒の麦」も谷崎のそれも、その部分には脱帽以外の何物でもなくなってしまう。

なので。
通勤電車に揺られて、いまだ使用人が誇りをもって職を全うしていた時代、彼等を雇う人たちも彼らの矜持と侵さざるべきところを十分に弁えていた時代の空気を僕は存分に吸って幸福になる。
両親の比類ない愛情と教育に溢れている時間に憧れつづける。
そして、クリスティ自身の「自分の王国」をもって日々想像の国を広げ続ける愛らしい力に驚かされる。

DSC_0243.jpg

やはり、新装版より、この懐かしい真鍋博の装丁の方が断然好き。
あ、1995年初版だから、中学時代になかったのは当たり前だ!


アガサ・クリスティー自伝〈上〉 (ハヤカワ文庫―クリスティー文庫)アガサ・クリスティー自伝〈上〉 (ハヤカワ文庫―クリスティー文庫)
(2004/10)
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Author:絹山絹子
狸穴幼稚園の図書委員

kochairo@hotmail.com
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