2017-08

黄色列車

年賀状くださった方ありがとうございます。
絹山絹子宛で届ける郵便局員さんの渋面が眼に浮かぶようです。
でも、僕は本名がとても苦手というか
まるで自分のものではないようにずっと感じているので、
絹山名義にしてもらえるととてもほっこりします。
とはいえ、実際には本名様方にしないと届かないかも。
なぜか、隣家と同じ地番なので。

今年は蛇なので、大手拓次の詩にしました。
いつか「眼鏡文人」で拓次特集やりたいです。
資料は結構あつまってるのですが、テーマがね。
いやその前に、表紙だけ刷っちまった福永武彦…やらないと。
表紙がカビてしまう。
今年はそれが目標かも。

通販のお申し込みも沢山ありがとうございます。
いつもより多いので凄く嬉しいです。
順次発送してますので、お待ちくださいませ。
ダクダク二号は自負もあり、いつもより多めに刷ったので…
段ボールが玄関塞いでえらいことになってます。
引き続き宜しくお願いします!

本職は今日からスタート。
でも、いつもどおり閑職なので、工事中になってるHPコンテンツ修正やります。
とりあえず、辞典の「あ01」だけ復活してますが
残りはもうしばらくかかります。
ここ二年は同人誌制作にかかりっきりだったので、
素氏に基礎データ作製も頑張ってもらって、
さ行以降の辞典も充実させたいです。

四日、別作業のために郊外へ向かう私鉄に乗りました。
仕事始めのサラリーマンや帰省帰りの人やいろんな人が、昼下がりの列車に乗り合わせていました。
ちょうど全ての座席が埋まり、誰も立っている人もなく
人が横にいる体温と、冬の日差しの柔らかさで、列車の中はほどよい温かさに保たれていました。
眠いです。
猛烈な昼寝モードです。
この空気は僕には黄色にみえます。
なので、停車駅の少ない快速急行の中は静かに黄ガスで充満しています。
誰もが、とろけるように不思議な幸福感めいた空気に包まれています。

僕は、年明け早々入手した単行本を開いています。
以前、文庫で読んだ『壜の中の手記』が強烈におもしろかったので、
他にも読んでみたいと願っていたジェラルド・カーシュです。

廃墟の歌声 (晶文社ミステリ)廃墟の歌声 (晶文社ミステリ)
(2003/11/01)
ジェラルド カーシュ

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酒の肴のような、極上のホラ話(褒めてます)がびっしり。
黄ガスが、鼻の奥をくすぐり、ぼんのくぼを押し、眠りに誘う中読んでいると
ちょうど、静かでほの暗い酒場に自分が座っている気分になります。
わずか後から、ぼそぼそと声がして、聞くともなしにその声を聞いている。
小人がいただの、サイモンがイエスの教えを広める途中でほんもののイエスに出会っていただの、紙屑同然の小切手を切って啖呵をきる自称伯爵夫人だの。
なーに言ってるんだかなあ、でも聞いててちっとも飽きないなあ。
気づくと、いつしか左右の面子は変わっていて、でも空気はそのまま蕩けて
ページは閉じられていて、また開かれて、僕の瞼は閉じられたり、開いたり。

トンネルをくぐったら、自分以外の乗客が全部、タヌキや熊やキツネになっていた。
あの絵本はなんというタイトルだったろうか。
不思議な一時間ちょっとの読書をもう一度味わいたくて
僕は昨日も同じ路線に乗ったけれど、
日曜の都心行きになったそれは、
もう買い物へ行楽へと日常的な好奇心にあふれた喧噪で包まれて
黄ガスは希ガスとなって、同じにはならなかったのです。

なので、布団の中でもう一度、本を開いてホラの続きを聞こうと思う。
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プロフィール

絹山絹子

Author:絹山絹子
狸穴幼稚園の図書委員

kochairo@hotmail.com
Twitter account:@quinutax

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