2017-03

君は誰なのか

もうひとつ「ダクダク2号」の内容に触れておこう。

復刻に用いた『科学画報』には一時期多くの「科学小説」という読み物が載っていた。
やはりSFに通じるものが多く、
ネット上で日本のSF黎明期を調べられている方も、こんな詳細な記事をかかれている。
おそらくSFファンには貴重な翻訳初出ものも多くあるのだろうけど
門外漢の絹山には、ウェルズくらいしかピンとこない。

そんな中で、ちょっと毛色が違うのが、独逸怪奇小説と銘打たれた
ベルンドルフ「毒を追うドクトル」(昭和6年1月から連載開始)というのがある。
こちらも同じ方が調査された記事があって
え!独逸怪奇!
なーんて言うととっても喜んでくださりそうな方が目に浮かぶが
実際読むと、ヘタレ薬中ドクトル、ヤクガキレテコマッテルンデツーな変な話。

まあ、こちらはいつかオマケで復刻でもしたいけど、
コピー誌にするには相当分量あるので、希望があれば…ってことで。

で、今回我々が復刻した唯一の小説が
河邊天馬の「踊る指紋」っていう科学小説です。
ちなみに、よくあることかもしれませんが、目次には「指紋は踊る」になってます。

ある朝サラリーマンが、泥棒が入った!と妻にたたき起こされる。
確かにガラス戸は壊されているが、何も取られていない。
取り敢えず交番に届けようと煙草に火をつけたら驚いた。
指に墨が塗られていたのだ。
刑事の語るところによれば、最近何もとらず寝ている隙に家人の指紋を取って行く、謎の人物が横行しているとのこと。
さて、犯人は誰か?何の目的で次々に指紋を盗むのか?

こういう書き出しなのですが
物語非常に面白くなっております。
ちゃんとミステリに仕上がってると思います。
でも結末は……ふっふっふ。

作者の河邊天馬なる人物については、何もわかりません。
いえることは、文中に出てくる委細な疾病薬物に関する記述や
ゴールトンの指紋論に言及している所から
名のある医学関係、法医関係者の変名ではないかと。
あと銀座界隈に土地勘があるようだってくらいですかね。

もしご存じの方いらっしゃましたら、ご教示くださいませ。

スポンサーサイト

記号化 «  | BLOG TOP |  » うずまく

プロフィール

絹山絹子

Author:絹山絹子
狸穴幼稚園の図書委員

kochairo@hotmail.com
Twitter account:@quinutax

最近の記事

FC2カウンター

カテゴリー

リンク

このブログをリンクに追加する

ブログ内検索

月別アーカイブ