2017-09

ばかり

怖い夢ばかりみる。
そう書いてみて、よくよく人の弱さを知る。

三日連続で怖い夢をみた。
それは事実だがそれ以上でも以下でもない。
「ばかり」と呼ぶのは、少なくとも八割以上該当しなければ使えないのではないかと思うが。
どうだろうか。

被害、マイナスの残像は人の統計観念など、簡単に吹き飛ばす。
夢日記をつけたとしても、毎日の夢は記録できない。
あれは断片のつながりで、目覚めた瞬間に、誰かに話したり文字にかえて再構築してはじめて、意味がうまれる。
怖いか怖くないか、
目覚める瞬間に切り取られたfilmを拾っても、本当は判断できない。

怖いかともう一度問われて、言葉を窮する。
怖いか、いや心臓の鼓動がおかしくなるほど衝撃のある日もたしかにある。
けれどむしろ、それは不快なイメージだ。
脅えるような、広い空間にいても、一人箱に詰められるような閉塞だ。
数えよう、何日続くのか、月に何度なのか。

平凡な、むしろ「ごくまれに」「たまに」としか呼べない、裏返しの鏡像こそ、悪夢の頻度にふさわしいと、自分に思い知らせるべきなのだ。

助手席に座った僕は運転手に話し掛ける。
「今日は死亡フラグが立ってるね」
車は100km/hをゆうに超え、山道をかけ上がる。
トンネルが見える。
トンネルに入る。
一瞬暗くなり、抜けた先からくる路線バスが中央分離帯に掛かって横転する

すぐさま爆発しながらこちらの車線に流れ込んでくる。
オレンジの焔が脚をもったかのように迫る。
車は右にハンドルがきられ、こちらも激しく分離帯にぶつかり、僕は身体中に衝撃を受ける

ボンネットが曲がり、割れたフロントガラスから僕は腕だけだし、後方を振り返る。
発煙筒を焚かないと。
そのことばかり考える。
どうやらシートベルトが外れないらしい。


ただ印象的なだけ。
不快なだけ。
眠りは怯えさせるものではないはずだから。
決して「怖い夢ばかり」ではないから。
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絹山絹子

Author:絹山絹子
狸穴幼稚園の図書委員

kochairo@hotmail.com
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