2017-06

眼球運動

鎌倉で一日遊び呆ける。

5:00 チボーを読んでいたら早く眠れたので珍しく早起き。
8:30 一時間で行けるさと素氏の適当発言を受け入れ、錦糸町へ。
黄色い本を鞄に入れ忘れて来たことに気づきげっそりとなる。
一時間の電車旅で手元に本が無いって。。。精神によくないわ。
10:15 鎌倉着。めちゃくちゃ寒い、霧雨が顔を刺す。

10:30 鶴岡八幡宮の参道の脇から、県立近代美術館鎌倉館に到着。
鉄柵が建物をめぐっている、一見牢獄のような不安を掻き立てる構造体。
寒さのせいか、建物の中庭にも雨が滴るので、とても冷たく淋しい雰囲気。
展示室や廊下を仕切る扉も重い、小学校の廊下の端についていたような扉で、少し落ち着かず。

素氏がとても楽しみにしていた藤牧義夫展。
第一展示室の中央、二本の川のごとく開かれた、長い長い隅田川絵巻。
solid、削ぎ落としつくされて、身がすくむ。
見たまま、いやいや計算されつくされた構図、パースとか集中線とか直線で構成されてはいるかもしれないけど、視点が自在に捻られていて、眼を離さず左へ左へと体を進めてゆくと、急に現れるコロセウムにも見えるグラウンドの観覧席の褶曲、白髯橋の欄干の湾曲にぎょっと身を引く。
左右だけでなく、ある瞬間視点は神社の社殿の複雑な花弁のような重なりまで引き上げられ、ある瞬間間近に蝶がヒラヒラ飛ぶのを見て、ある瞬間川に船を浮かべて対岸を見上げる。
眼球運動を誘導する極北の技だな。
陰影を一切用いずに、この眩暈を呼び起こす感じ。
特にボートが重なって視線が渦巻き状に誘導される箇所は、あまりにも面白くて、僕は何度も覗き込んでしまったよ。

建造物/都会の無機質が重なって有機体になる姿。
それを木版で切り抜き、インクを紙に染み込ませる作業は。
外を軟らかい湿った皮で包んだら、干からびた矛盾がすこし解けて、輪郭が少しおぼろになる。
若さのもつ荒々しい削り痕と、そういうほどける感覚が「街」にはよく似合うと思う。

帰宅後、素氏が藤牧義夫に関するいろんなミステリ話を投げかけてきて、
月曜の晩も盛り上がる。

会場には関西弁丸出しのめっちゃ下品なオバハン二人の声が響き渡る。
あまりに下品だったのでミュージアムショップで跳び蹴りしたくなったけど、我慢する。
過去の図録が、びっくりセールになっていて、
迷った挙句『誌上のユートピア』『岡本信二郎―笑うパノラマ館』二冊買い込む。

12:00 眼をつけていた蕎麦屋でかけ蕎麦とかつ丼のセットを食べる。

12:30 もうひとつの目的、古書店巡り。
木犀堂→藝林荘→游古洞(きっちきちのきっちきちに積まれた本と背後の高価な古陶器に挟まれて、危なすぎて本がさがせませーん)→四季書林(初めてお店だったけど、残念お休み)→公文堂書店。

公文堂は落ち着くなあ、一見雑然としているように見えて、ちゃんとジャンル分けされているから。
ついつい「灯火の歴史/時計の歴史」という文庫を立ち読みしてしまう。
棕櫚糸時計探しちゃうのです。
山中散生のシュルレアリスム本を購入。
チリュウ本って高価だけど、それだけ手に取ると幸せなんだなあ。
最近、少数精鋭部隊を目指して本を買うことにしております。

14:00 小町通りに戻って、狙っていたレトロ喫茶「門」で休憩。
紅茶のシフォンケーキが美味しい。
レトロ喫茶は基本喫煙可だし、何より落ち着くのだ。

14:40 隣の鎌倉ハムで牛タン燻製とかパストラミを買う。
酒の肴に最高です。
ついでにさらに隣の店で、黄楊のお箸と木製匙を買う。
ま、すこーしは、普通の買い物もするんですよ、僕。

15:00 鎌倉駅で帰りの電車を待つ。
大船で人身事故発生の放送。
おうふ。
再開まで一時間待ちのアナウンスに大勢の人が江の電やバスに向かうが、
僕らはそのままのんべんだらりと車内で読書を続ける。
いや、藤沢とか行って帰れなくもないけど、きっとただ闇雲に移動しつづけるだけで、帰宅時間は変わらないはず。
案の定、40分すると動き出す。
が、千葉方面まで行く総武線快速なのに。。。大船で放り出される。
戸塚チベットに長く住んでいた素氏のアドバイスで、東海道線はやめて、京浜東北線でダラダラ秋葉原まで行く。

17:10 錦糸町。ブックオフに寄り、「海月姫」の穴埋め。

17:30 前から行ってみたいと思っていた餃子の眠眠に行くも、、、いきなり解体されていた!
そういえば、錦糸町の北口出た時、ここにも眠眠あるんだと思ったがどうやら、移転した模様。
一瞬サイゼリヤに寄るも、かなりの混雑。
ファミレスの狭い二人席で、酒が飲めるか!と、案内された席を蹴って飛び出す。
少し彷徨い、手羽先が目玉の居酒屋へ。

はあ~~、僕、広い席で酒とタバコとちょいと気の利いたツマミがあれば、天国ですたい。
目玉の手羽先、本当にめっちゃくちゃ美味くて、店員の気配りも素晴らしく。
またいいお店が近所に見つかったぜ!と酒をくぴくぴ。
〆の焼きおにぎりのひつまぶし風お茶漬けが、もう絶品で絶品で。
神だ!神だ!とウルサイ絹山でありました。

楽しい一日をありがとう。
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絹山絹子

Author:絹山絹子
狸穴幼稚園の図書委員

kochairo@hotmail.com
Twitter account:@quinutax

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