2017-10

旅のおさらい・その2

さてさて、最終日。
チェックアウト正午でOKの伏見(丸の内からも至近)近くのホテルで、
餡トーストを愉しんだ僕は、ネットを開きつつ、その日の予定を検討していた。

候補に挙がったのは、INAXギャラリー名古屋と、トヨタのテクノミュージアム。
で、出力してきていた古書店巡り。
とりあえず市営地下鉄土日周遊券をゲットして、その辺を廻ろうかと思っていたのですが。
あろうことか、素氏が笹も落ちていないのに鼻を利かせて、古本市情報をゲットしてしまいました。
嗚呼。そう。
題して博物館古書市。
勿論、日本史興味の薄い僕たちには、博物館本来の展示などどーでもよく。
名古屋駅コインロッカーに荷物を突っ込んで、まずは桜通線で一気に桜山へ突進だー。

最初は、博物館の余剰図録とか、歴史関係ばかり目に付き、ふーんといなしていたのですが。
なぜか、ゾッキ印の本たちが、僕を手招きしはじめた。
世の中(?ってどんなに狭い世界じゃ)、「モダニズム」ブームでありますが。
僕もなんとなく潮流に乗っているかいなか、その匂いに惹かれがち。

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ということで、注目を充分に受け切れていないご当地にも、いやこの地の古書市だからこそ、
こういうモダニズムに着眼した本が出てきてもおかしくないわけで。
かの「ボン書店の幻」を読んだときに出てきた「火串戯」(我が家にも復刻版あり)の
山中散生ちゃんも、ご登場の「周縁のモダニズム」、滅法面白そうです。
素氏の見立て、チリュウというPNは本当に知立からきているのかもしれませんねえ。

で、昨日も書いた、きしめんでなく鍋焼きうどんを食した僕は、
ここから足もげ寸前の、古本メッカに突入していくのです。
まずは大変親切な名古屋古書組合の、この地図をご覧あれ。

鶴舞線・鶴舞から大須に伸びる一直線の道路沿いに、13軒もの店があることが分るでしょう。
普段我々は新しい地に乗り込むときも、同様の地図を持参します。
けれども、無店舗ネット専門店、あえなく閉店、はたまた見付からない、そしてカッスカスのヘボ店と言った具合に、地図の半分が元気なら御の字といった確率なのです。
しかーーーし。
名古屋は違った。

まず、どの店もめっちゃ見つけやすい。
団地とオフィスビルが混在するこの近辺は、土曜日、ひどく人通りがまばらで、お店はほとんど見当たらず、飲食店などまったくといっていいほどない。
けど、なぜか古書店だけは、生き生きと朝も10時過ぎから営業しているのだ。
加えて、最後には、もうカッスカスでOK!と叫び出したくなるくらい、一瞬店頭の均一棚では怯まされても、中に入れば、異様に趣味のいい本屋ばかり。
中には人一人通るのも精一杯の通路満杯の店も一軒あったけど、他はどこも、きちんとジャンルごとに整理されていて、同時にその並べ方には歴然とした拘りあり。
普段なら一日一軒こういう店に出会えればいいなのレベルが、激流となって押し寄せるでありんす。
幸せー。
でも。。腕も財布もちぎれるー。
喉がからからー。
でも。。喫茶店ないし、あっても閉まってるー。

そうそう名古屋の喫茶店のルールなのか。
昔なつかし喫茶店に限って、看板に、黄色いクルクルがついている。
うーんと、消防車や救急車の上についてるクルクルね。
どうやら水無し砂漠地帯で喫茶店探しをしている最中に気づいたことには、
営業中=クルクル回ってるということらしい。
最後には、クルクル乗ってない喫茶店に入り、となりの常連おじさんが、
ウスターソースだだかけのナポリタンをおかずに白米食べてる横で、
我々はアイスコーヒーにほっと一息ついていました。
あと、名古屋近辺では、必ず、ピーナッツがタダでついてくるのも、笑えました。

さて、スーパー地下で唯一閉店となっていた亜希書房をのぞき、全店しっかり見て回ることができたのですが。
僕的オススメのお店は。
鶴舞駅に近い、山星書店。
ここは、理科系のオモシロ読み物と、ひねくれたミステリ関連が素敵。
もう少し西へ進んだネットワークという、非常におしゃれさんなお店も棚が滅法面白かった。
で、ここで僕は、素氏も羨む一冊を、速攻ゲットしたのです。

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えへへ、アルスの最新(とはいえ、昭和五年の本だけど)科学図鑑、「機械時代」だ!
可愛いー、もう撫で回したくなるー。
造本も素敵だし、なにしろメカメカ大好きっ子には堪らない、精緻な図版が目白押しなのだ。

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でへへ。これで千円なんてタダみたいなものだよ。
素氏は、安いが今回の買い物の目安だったみたいだけど。
僕的には重い荷物抱えて、こんな遠方まで来てるなら値段よりも、普段見つけにくい本をゲットすることが主眼なのだ!の心意気で進んでいました。

なので、素氏がいったんは手に取りながらも置いてしまった↓も、
なぜか僕が惚れ込んで入手し、自宅でカート開いてびっくり。
「買ってくれてありがとーーー」と叫ばせた一冊でありました。

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あと、縁が縁を読んだのが、次の賭博本三冊組。
ええ、日頃、法政大学出版のこのシリーズを、秘かに出版界のランチパックと呼んでいますが、
(あのヤマザキの大ヒットサンドイッチ・ランチパックシリーズは、余りにも新製品が出過ぎて、会社自体が、全体像を把握していないという)
まあ、法政大学出版は、目録把握しているでしょうが、
なにしろ「ものと人間の文化史」シリーズは、年々細分化を遂げているように思われます。
我が家にも、「からくり」「色」「箱」なんていうのがありましたが、
今回は、「賭博」の三冊本です。
「つぶて」「海藻」「箸」など出ているこのシリーズにしては、ある意味、視点が広すぎるかも。

で、僕は今回、博物館の方で、第三巻をゲットしていました。
そして先程の、山星さんで、なぜか、1&2だけ紐でくくられたのを、発見したのです。
おーーーと内心、大声で叫ぶ。

そうそう、このお店で、僕が中野美代子さんの中国風景論的な本をパラパラ捲っておりますと。
裏の棚で、ぞぞぞぞぞーーーーっと雪崩が起きました。
勿論、本の雪崩。
そっちの列には素氏がいたもので。
瞬間的に僕は、うわ、やりやがった!助けに行かないと!と
いつものズンドコ振りですっかり素氏が原因だと思い込んで、泡食って一歩前に出たのですが。
すみませんと、謝る声も聞こえず。
二人の店員さんが、堆い平積みの山を直している気配。
後から聞いたところによると、どうやら、自然誘発で、雪崩発生だったらしく。
ほっと胸を撫で下ろしました。
なので、僕は第二の雪崩を起こしてはと、びっくびっくで「賭博」を引っこ抜いたのでありました。

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うーんと、あとポーラ研究所のISが100円で転がっていた千代田書店とか。
新刊と古書併設売りとか言いながら、めっちゃ趣味趣味の三松堂書店とか。
驚異の映画・演劇関連の、猫飛横町とか。
書ききれないほど、おなか一杯の古本行脚でした。

この日、初めての大須観音周辺。
大道芸を囲んで黒山の人だかりができていて、商店街も「手ぶら」「軽装」でありさえすれば、きっと愉しいわくわく散歩道になるはずだったのですが。
ご想像通り、我々は脇目もふらず、帰りの新幹線目指して、地下鉄へと消えたのでありました。
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絹山絹子

Author:絹山絹子
狸穴幼稚園の図書委員

kochairo@hotmail.com
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