2018-07

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夏コミ

素氏が某所で楽しげにお手伝いをはじめて、
日付が変わっていろんな報告を聞きつつ、僕は下がりかかった瞼がもう一度パチっとする。
そうして朝寝坊しそうになってしつこい目覚ましと格闘していると、夏コミの朝になっていました。

シェーアバルト本に乗っかってくださったPさんが
可愛いコピー誌を委託されたので、嬉々として並べました。
いろんな人がおみえになって。
人の顔が覚えられない僕は、もう何度も素氏から名前を聞いてる人のことも思い出せず。
挙句自分の新刊が手にとられると、ぐーっと恥ずかしくなって、下を向き本を読んでいました。
わんわんと天井に反響する人の声と、熱風をかき混ぜる重さで、
だんだん僕は睡魔に襲われて、店番の最中にこっくりしていました。
途中でコスプレ広場でポージングするプレーヤーの後姿を眺めつつ、
曇り空の下、秋の匂いが入った風に吹かれてコーラを飲んで涼んでいました。
喫煙所は、まったく換気も空調もなく、愛煙家ですら倒れそうなほどのケムの嵐でした。

時間はほわほわと過ぎていきましたが、イベントの空気を吸っているのが好きです。
たくさん手にとっていただき、お買い上げいただき、ありがとうございました。

撤収直前に来てくれた、Sちゃんさま。
いただいたカステラ、帰宅直後、うまーーと平らげました。
もっとゆっくりお話したかったですが、
年に一、二回でも直接お顔を拝見できると、とても安心してしまうのが不思議です。
と、久々の超私信。

水商売って、素氏にはとても合ってる気がします。
誰とでも話ができて、いい意味でも悪い意味でも、相手の言葉をふわっと受けてさっと飛ばす。
自分の身の中に入れないから、ちっとも痛くないし、相手も気安くなれる。
なんだか、水母の避雷針みたいなんだわ。
だから今夜も楽しくコップを磨かせてもらっていることでしょう。

いつまで経ってもお話がまともにできない僕は
なぜか「奇人たちの晩餐会」という映画を観て、大笑いしていました。

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お馬鹿ちゃんを晩餐会に招待して、
嬉々として喋り捲るお馬鹿ちゃんを馬鹿にして笑い、こっそりチャンピオンを決めるという晩餐会。
でも、お話は、実際の晩餐会直前にぎっくり腰になった、招待者の元に
面接にくるマッチ棒で建物作るのが趣味な男と招待主のドタバタギャグでした。
ここでいうお馬鹿ちゃんは、強烈なオタクとまっしぐらなお間抜けさんをミックスした感じ。
だから、日本語のタイトルの「奇人」というのは変だし、
馬鹿(関西でいうところの、アホ)にさらに「ちゃん」をつけてあげないとふさわしくないのです。
本人は泣きたいほどずっと必死で、真摯で、そして繊細。
だから、最後の最後に、自分が、そんな下劣な晩餐会の客になっていたと知って
怒っても当然だけど、でも根っこが綺麗だから、また手助けせずにはいられなくなっちゃう。
「疲れる」ほどにまともに、最善策を探して、自分を貶めた相手に手を差し出さないといられなくなっちゃう。

こういう、アップテンポで、マシンガンで、繋がって倒れてゆくフレンチコメディー最高。
そして、大笑いしながら底辺に寂しい一人ぼっちの気配が流れているのも、すごくよかった。
オープニングアニメも、お馬鹿お馬鹿と唄う主題歌も、みんな出色でした。

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Author:絹山絹子
狸穴幼稚園の図書委員

kochairo@hotmail.com
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