2017-08

夢日記

久々にipodの中身を変えたくて、CDを買い込む。
ラインナップは、ペドロ&カプリシャス、浅川マキ、山口百恵。
ついでに、GAROや先日490円と初回だけ安い(いわゆるディアゴスチーニ方式)
小学館の落語CDシリーズを入手したので、「夢金」と「品川心中」も入れてしまおう。
「ちりとてん」のせいで上方落語に目をチカチカさせていますが
「品川心中」は「辻占茶屋」と似た内容らしいわ。
しかし、落語聞きながら、細胞いじったり、凍結切片作ってる人もいないだろうなあ。

ちなみに、昨日から唐沢俊一&なをきの「ぞろぞろ」という
コアな落語漫画読んで、通勤中にぐふふふふふって笑ってます。
痛いギャグが満載だけど、一番ひどかったのは、
「どくどく」のオチで、中森○菜になったつもりの片割れが
手首きったつもり、血がどくどくと流れているつもりってやってたところ。

CDつきマガジン 隔週刊 落語 昭和の名人 決定版 全26巻(1) 古今亭志ん朝(壱)CDつきマガジン 隔週刊 落語 昭和の名人 決定版 全26巻(1) 古今亭志ん朝(壱)
(2009/01/06)
不明

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なにもかも後ろ向き、懐古趣味だけど。
いつだか、TV東京でやっている「ミューズの晩餐」に半田健人が出ていて
「ジョニーへの伝言」を歌っていた。
川井郁子さんのバイオリンとのコラボも素敵だったけど、
何より懐古趣味な半田健人の阿久悠に対する熱い語りがよかったなあ。
この番組、毎週は見られないんだけど、ほんと幸せな気分になる。

***

とここまで書いたのは、多分二週間くらい前。
その後、上記「昭和の名人」シリーズ初回があんまり面白かったので、
定期購読に踏み切る。
ようやく巷で人気の「鉄道地図」の定期購読が終盤に差し掛かったというのに。
ついつい乗せられる悲しさよ。

定期購読記念として、小さんの「他抜」=タヌキな手ぬぐいが来ました。
僕は競争心なしだけど、タヌキな人なので、嬉しいです。
ちなみに「品川心中」は「辻占」とは結構違っていましたね。

***

最近読んでいた本。

夢の女・恐怖のベッド―他六篇 (岩波文庫)夢の女・恐怖のベッド―他六篇 (岩波文庫)
(2003/03/14)
ウィルキー・コリンズ中島 賢二

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詩情なきストーリーテラー。
粗筋にすると二行で書けそうな話を、スリリングな手法でわくわくさせながら読ませてくれる。
リリカルではないけど、心温まるオチが多かったな。
でも「夢の女」はこわいよーー。
海外のホラーって怖いと思うことが少ないけど、これは別。
先に未来に発生する悪の種子が蒔かれて、主人公がずるずると運命にひきづられていく感じ。
予知夢というよりは、先に未来の怨念が現実にまで及ぶという。
そういえば、「棚の中の骸骨」ってことば、誰もが持ってるお家の秘密という意味だそうだけど、
その導入部を読んだとき、澁澤龍彦の書斎を思い出したのでした。


わが夢の女―ボンテンペルリ短篇集 (ちくま文庫)わが夢の女―ボンテンペルリ短篇集 (ちくま文庫)
(1988/12)
マッシモ ボンテンペルリ

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最近思うのは、物語や小説が自分に必要なのかということ。
楽しいのが何が悪いといわれれば、反論の余地はないけど、
本当にもっともっと高い視点で事象を見抜いた文章なんかを差し出されると
もう何をすれば、何を読めばいいのか、分からなくなる。
本来なら熱は高みにあっても纏めることはできるはずなのに、
無機質な方へ、無温な方へ行こうともがいている。
僕は凍えきった、孤独をつきつめたような物語が好きだけど、
そこにも氷点下という温度が存在しているから、今は読んじゃいけないんだろう。

こういう迷いのせいではないけど、今回の短編集は、無音/無温系。
幻想小説のネタ帳ラッシュ的存在。
割りに結末が見える話が多いけど、先駆的ユーモア小説という意味合いでは、必読でしょう。
加えて佐々木マキファンにはイラスト沢山載ってるので嬉しい一冊かも。
個人的には、なぜか。
「太陽を凝視する」 「信じやすい少女の心」 の二作品が強烈に面白かった。

「太陽~」はね、雛鷲とトカゲと人間の物語。
ベランダで三種が、無言で(当たり前だけど)三様に寛いでる。
人間だけが、言葉をもって互いのテリトリーや分別といったものを説いているけど。
当然ながら、鷲もトカゲも、視線でしか語ることはない。
ある日、鷲とトカゲは、太陽をじっとじっと半日も刮目したまま、睨んでいる。
人間だけは、太陽を睨もうとしても、すぐに眩しさに負けてしまう。
ただそれだけ。
説明不能な、哲学を具象化したみたいな感覚が、漂っている。
なんだか、目玉を瞼の上から押さえて、その奥に分散した光を追いかける、
埴谷の小説めいた雰囲気があった。

***

さて、夢金&夢の女&わが夢の女と夢つながりできたので。
昨日、欠勤して、昏々と眠り続けているうちに、
生涯随一と思えるほどの悪夢を見ることが叶ったので、残しておこう。
目が覚めたとき、数分、夢とは思えないリアルさであった。

私は夜の街を徘徊している。
街といっても、昭和後期、街灯が数メートル刻みで立っている、商店街と住宅街のはざま。
右手には、何か金属製のものを持っていて、とても重いけれど、
それが何か、判別しようとはしない。

時折、自転車に乗った人、歩く人にすれ違う。
そのうちに、これまた昭和50年代の個人経営の電気店の前に辿り着く。
中には数人の人がいて、歩道に向けられたブラウン管テレビではニュースをやっている。
乾電池の小さな自販機も置いてある。

ニュースに耳を傾ける。
某年に発生した、連続通り魔事件の犯人、某の死刑執行が行われたと。
事件のあらましが、流れてゆく。
鉈で多くの人間が、次々に殺されていったという。

そのとき、私の頭の中に、フラッシュバックが起こる。
裸電球をぶら下げた、小さな駄菓子屋を商う老夫婦にむかって、右左と一撃鉈が振り下ろされた。
いや、振り下ろした。
狭いカウンター一つきりのバーのママと客に向かって、振り下ろした。
何種類ものフラッシュバックが続いて、またテレビを見ている自分に気づく。

ああ、あの事件を起こしたのは自分だ。
今手に握っているのは、あの時に使った鉈じゃないか。
でも、どうして今の今まで、自分がやったことを忘れていたのか。
犯人と呼ばれた男の顔をもう一度見る。
全く知らないけど、なぜ彼は、自分からやったと出頭したのだろう。
私が全てやったことなのに。

怖くはない、ただ歩く。
ひたすら歩く。
そのうちに、浴衣をまとったり、半そでスカートの子供たちが私の前に列をなす。
みんな、右手に、折り紙とアルミホイルで作った鉈を持っている。
右へ、左へ。
振り下ろしては、口ずさむ。
ああ、その童歌は、私があの日、歌いながら殺戮した歌。
みんな愉しそうに、一抹の屈託もなく、右へ左へ、私を連れて進んでいく。

けれども、どこかの曲がり角で、私はまだ鉈をもったまま独りぼっちにされた。
ある家に戻る。
私の旧家、そうだ、今日は親戚が大勢来ると聞いて、嫌になって逃げ出したんだ。
玄関を開けると、昔の義母や義妹がものすごい形相で立っていた。
「もうデザートしか残ってませんよ」
長い長いダイニングテーブルの上には、まるで最上級のフレンチを彩るように
ドーム型のケーキの上で極彩色の花火が光っている。

もっと遅く帰ればよかった。
私は、確かに見覚えのある、大きな水色の紙袋に、鉈を滑り込ませた。

***

きっとこの悪夢の一端は、これ。
古本屋さんになりたいなんて、絶対思わなくなる。
最高に面白いミステリ。
真っ黒真っ黒真っ黒で、こんなに面白いのは久々だったけど、全身真っ黒になりました。

古本屋探偵の事件簿 (創元推理文庫 (406‐1))古本屋探偵の事件簿 (創元推理文庫 (406‐1))
(1991/07)
紀田 順一郎

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狸穴幼稚園の図書委員

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