2017-08

最近おもしろかったこと

今朝、呆然と歩いていたら、目つきの怪しい女性に声を掛けられる。
どうも僕は、方向音痴なのに道を尋ねられやすい。
歩き煙草を注意されるかと、一瞬引いていたら。。

「すみません、今日は何曜日ですか」

え、えええ?

「火曜日です」
「そうですか、分かりました」

なんなの?
この中学英語のとってつけたような会話めいた質問は?

最近、世の中ちょっと不思議ちゃんな、
いや多分本人はすごく辛いんじゃないかと思うんだけど、異空間な人が多い。
常連さんとしては、僕の最寄り駅で逢う、窮極の恥ずかしがりのお兄さん。
なぜか行きも帰りも逢うんだけど。
猛烈ダッシュなの。
そして、体を屈めて、新聞か雑誌で顔を隠して駆け抜ける。
どうか僕を見ないでください。
その叫びが聞こえる。
でも、あんまり必死な様で余計に目立ってしまっている。

もう一人は、迷うひと。
長い連絡道の途中で、何度も立ち止まる。
後に戻って、止まって考えて、ちょっと進んで、また戻る。
どうしようどっちに行ったらいいか分からない。
その叫びが聞こえるけど、みんなラッシュの波飛沫になって、彼女を残して去っていく。

ああ、面白い話をしようとしているのだった。

素氏が日記に書いてるけど、昨日録画しておいた南湖さんの「探偵講談」を観た。
いやあ、もうすごいです。
もし未見の方で、ミステリチャンネル入る方でしたら、30日にも再放送あるので、是非。
タヌキの尻尾はでていません。
タヌキ色の頭はちらっと何回か映ってます。
が、もうトンスラが、大暴れだ!

特に、「赤毛連盟」の根津およよバージョン「禿頭倶楽部」の部分。
南湖さん以外に映っているのは、正しく禿頭倶楽部、、いやいやズンドコの使徒の証、輝くトンスラ。
こんなに「合い」すぎちゃって、映像編集はさぞかし困ったことでありましょう。
もう、おかしすぎる!
一生で一番長い時間テレビに映った記念が、後頭だけという。
素晴らしき記念になったのです。

海野十三の「蠅男」ももう一度聞けて嬉しかったのですけど。
とんでも探偵、、いやいやとんでも奇譚であるところの
夢野久作『超人髭野博士』を最近、読了。
これ『犬神博士』の続編とかいうのですが、奇想天外しっちゃかめっちゃか過ぎで、
そのくせ最後にはだいだんえーーん!なのでビックリでした。

そもそも髭野博士の生い立ちが。
感化院から逃げ出して、無銭で女郎買いに向かったところで、
海坊主もびっくりの巨漢に気に入られてしまう。
この海坊主と組んで見世物小屋で軽業披露をしていたところ、
ある日かの山のてっぺんに、避雷針みたくぴーんと立った髪一本を発見してしまう。
海坊主の肩で逆立ちしていたら、気になってしょうがない。
もう我慢できないと、歯でぐいっと引き抜いたら、海坊主は血を噴いて絶命してしまった。

小屋の仲間からはお前が殺したと、袋だたきにあっている最中に
近頃亡くなった探偵小説家の未亡人が、髭野青年を引き取った。
青年はその家に山と積まれた科学書に読み耽り、ダイナマイトの数十倍の威力の爆薬を発明。
たのしくお勉強していたと思ったら、ある日、その屋敷がどーーーんと吹き飛んだ。
どうやら亡夫が、俺が死んだら浮気するだろうと怨念籠めて
死後三年したら爆発するように仕掛けていたらしい。
でも、その爆薬で、屋敷も何もかもぜーーぶ吹き飛んだと・笑。

仕方がないから、髭野博士(どうやら博士号とったらしい)は
「医者を生みだす」ことを商売にするようになった。
と、偉そうな語りだけど、実は実験用の犬猫を道で拾ったり盗んだりしながら
医学部に売りつけるというチンケな商売なの。
で、博士がかっさらった犬が、さらなる珍事件をうむという。

まさにジェットコースター支離滅裂な展開。
で、その途中にこんな文章を見つけました。

それから断髪令嬢は卓上のサモワールから馴れた手つきでコーヒーを入れて、わが輩に勧めてくれたが、その容器を見るとここが断然カフェーでないことを覚らされた。そこにざらざらのあるコーヒー茶碗じゃない。舶来最極上の骨灰焼だ。底を覗いてみると孔雀型の刻印があるからには、もったいなくもイギリスの古渡りじゃないか。一つ取り落としても安月給の身代ぐらいはわけもなく潰れる代物だ。わが輩は浮浪者であるが、有閑未亡人の侍従〈ハンドバック〉をやっていたお陰でそれくらいのことは分かる。アメリカの名探偵フィロ・ヴァンスみたいな半可通とは根底が違うんだ。
春陽文庫 53p



わはは。
虫ちゃんだけじゃなかったぜ。
ファイロ・ヴァンスをコケにしてるのは!
夢野久作にまで莫迦にされるって。。。

僕はまだ「グリーン家」しか読んでいないけど、いたいたしくも。
何もしないで、黒雲がたちこめているなんていってる間に、
どーんどーん、殺人が増えていってるー。
でした。

しかし、同時収録の「巡査辞職」は、夢野お得意の白痴美をちらつかせつつ
正統なミステリになっていて、別の意味で驚きでした。
あと、珈琲メーカー風のサモワールってなんなのかな。
また調べないと。
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