2018-06

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律する

震える左手を制したくて
僕は何度も何度も深呼吸を繰返す。
そして何万回と唱える。

カミサマ、ぼくに力を与えてくださいと。

そんな己にとっては最も重い緊張感の中でも
ピンセットの先にあるのは、人ではない。
スプリングハンドルの躓きの先にあるのは人ではない。
人の一部になるものであっても、
本当の本当の意味では過誤の許される世界だ。
でももうオペは始まろうとしている。

オペ室でホンモノの
過誤が決して許されない空気の中に侵入する。
ピンセットの先にあるのはホンモノの人。
僕は自分の中に意識という
考えてしまうという
有体の誰もが持つ、
そして他人の中に本当にあるのだろうかと分からなくなってしまう
ものに揺るがされ続けているので。
ホンモノの人が怖くて仕方がない。

今月は休みは一日しかない。
そんなことは、多分どうでもいいことなんだ。
あの最後の緊迫から解放してもらえるなら。
僕の視線が、
かつては確かにあった
空を見るだけで、落ちた花弁を見るだけで話しかけてくれた
幻たちに向かうことができたなら。

カミサマ、甘えてばかりでごめんなさい。
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狸穴幼稚園の図書委員

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