2017-06

逢魔

逢魔は甘い。
甘いはモンブラン。
モンブランは栗。
栗は王様。
王様は裸。
裸はこころ。
こころは待ちわびる。
待ちわびるは逢魔の黒い影。

**

むかしむかし。
港町に、変な女の子が一人おりました。

知らない人に声を掛けられてもついていってはいけないよ。
とは誰も云わなかったので。
ずっとずっと、いつか人さらいに逢えるだろうと信じておりました。
だから、街角から街角へ。
夕暮れから、真っ暗闇へ向かいました。
何度も何度も、閉まった商店街の間を、さがします。

時折、枯葉色のマントが翻った気がして駆け出しましたが。
結局は掴まえることが出来ませんでした。

むかしむかし。
港町に、変な団長が棲んでいました。

団長は曲馬団を結成していおりまして
空中ブランコで軽やかに揺れるあの少年も
獅子に無邪気に鞭打ち火の輪をくぐらせるあの少女も
ありとあらゆる獣も仲間に入っていると信じておりました。

けれどもそれは、すべて団長の頭の中で繰り広げられている仲間の姿だったのです。
溜息ばかりついていても仕方がないので
団長は、一人だけでも一人だけでもと
枯葉色のマントを翻して、街角から街角へ
夕暮れから、真っ暗闇へ向かいました。

でも結局誰も、さらうことが出来ませんでした。

それぞれの港町は
同じ時刻に唸りに似た霧笛を抱え込みながら眠りに就き。
また、眩しくて残酷な朝日を重ねていったのです。

Image065.jpg

重なりすぎた夜明けがほどけて。

僕はすんと真っ直ぐに突き抜けた道路の突端に立っています。
高い建物がないから、いっぱしの野原にでもいる気がします。
言葉をなくして、電話します。
夕焼けが、夕焼けがと電話します。

電話を切って、写真を撮って、メールに添えます。
すると、すぐにお返事が来ます。

「これは、すごい。ありがとう」

僕は、これだけでもう充分です。

**

だから、何度も云うようだけど。
僕に何かを期待しても、意味がありません。

もし電脳の海で呟くことや何かを創作することに、
99.99999%の人が反応を求めているとしても
僕は、違います。

そして、「共感」とは、99%が幻想、
それも独善的な幻想から成り立っています。
また「期待」することの無神経さと、
「期待」していることすら気づかない発信者に比して、
受信者が、どれほど戦くか、僕はよくよく知っています。

何度も何度も拒んできたけど
「共感」なんて不要だから、
そこんとこ、よろしく・笑。
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