2017-04

ご降臨

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つ、つ、ついに!
来ました!

素氏に唆されたとはいえ、やはり手元に届いてみると、ぶるぶる震えちゃう。
絹山、生涯で一番高い古書です。
愛書家の方からすれば大したことないかも知れないけど。
ぽにょ様が目論んだスカートに匹敵します・笑。

ああ、でもこの装釘を目の当たりにしたら、
逸見君の後書き読んだら、
そして、拓次の絵を見たら(びみょーな部分もありますが)
ははーっとひれ伏さずにはいられようか。

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そう、「蛇の花嫁」がやって来たのです!
きゃー。

僕が拓次と出会ったのは、高校生の時です。
「舞ひあがる犬」を合唱部で歌ったから。
あの沼に裸体を漬け込んでいくような衝撃的な感覚を、今も忘れてはいません。

だからこそ、「ライオン歯磨八十年史」なるどでかい、きっと殆どの人にとっては無意味な社史まで買ってしまうのです。
天野祐吉さんのとんでも広告史を舐めるように眺めて、ライオン歯磨広告の中から、異国の香りを掴み取ろうと躍起になるのです。
拓次と逸見君は二人とも、ライオン歯磨で働いていました。
広告部と意匠部に所属していました。
先に逝ってしまった拓次の詩篇を集めて発行されたのが、『藍色の蟇』。
そして『蛇の花嫁』は、拓次の遺品の中から、全て清書し目次まで作っていたものを、逸見君ともう一人の友人、澤田君が発行に漕ぎ着けたものです。

昭和15年12月30日発行。
定価四円。
奥付によれば、表紙は銀揉鳥ノ子紙、本文は沙漉鳥ノ子紙。
朱と墨の鮮やかな二色刷りで、小口はフランス装をペーパーナイフで切ったような不均一さがあります。

逸見君があとがきで、

「藍色の蟇」は発表される詩集であつたのに比して、この「蛇の花嫁」は飽くまでも秘められた、しかもそれを知られることは「みづからを削られる」思ひの詩人のいのちではなかつたろうか

と重い呟きを発しています。

では、そんな拓次のまへがきを引用して、今宵は僕も溜息の海に落ちていきます。

わがおもひ盡くるなく、ひとつの影にむかひて千年の至情をいたす。
あをじろき火はもえてわが身をはこびさらむとす。
そは死の翅なるや。
この苦悶の淵にありて吾を救ふは何物にもあらず。
みづからを削る詩の技なり。
されば、わが詩はわれを永遠の彼方へ送りゆく柩車のきしりならむ。
よしさらば、われこの思ひのなかに命を絶たむ。


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● COMMENT ●

う、うわあ!
遂にお求めになられたのですね・・・(拍手!)
すてきです!!!!!!

ところで拓次の詩に音楽がついたものがあるんですね。知りませんでした。
今度是非唄って頂きたいでっす!(えへへ)


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