2015-05

涙の理由

土曜は蒲田ではしご酒。
最後は乗ったことのない電車に乗って、ラーメン屋で締めでした。
話題は右往左往し、いっぱい笑いまくる。
一緒に遊んでくれた皆様ありがとうございました。
一人でチャーシューメン食べてすみません。
いや、チャーシューの旨さがラーメン屋の基準なもので。

日曜は江戸博の大ホールで春のぐらもくらぶ祭。
戦前の映画にまつわる音楽を聴く。
エノケンに二村定一ってどちらも、物凄い存在感だよねえ。
後半はサイレントドタバタ喜劇映像に、ピアノとサックスとターンテーブルきゅっきゅっ(あれ、何という名称なのかな、DJの人が擦るやつ)で、即興の音をつけてみようコーナー。
そして『己が罪作兵衛』1930に活弁+ピアノで、盛り上がる。
ピアノはしくじり先生として今夜もテレビに出ていいた、あの新垣さんでした。

己が罪は、婚前に出来た子供を漁師に預けて貴族に嫁いだお嬢様の罪の因果が巡って、不義の子も、二人目の子供も同時に海で喪うという、ある意味大人のエゴに振り回された無垢な子供の身も蓋もない悲劇なのだけど。
素氏は昔、この映画の活弁つき上映会があるというので、お父さんを連れて行ったことがあったらしい。
お父さんは若い頃、これを見ていてとても喜んでいたとのこと。
映画の内容はあまりに理不尽な因果が効きすぎていて、当時はお涙頂戴であったにしても、現在の僕達は泣くことはむしろ難しいのだけど。
それよりも、素氏の思い出話の方が、ずっと泣けました。

自分は家族に対してちっとも泣けるエピソードが思い浮かばないのだけど。
素氏からお父さんや、おじいちゃんの話を聞くのが大好きだ。
可愛い話が多くて、いつもホッコリする。
そういう今まで聞き重ねてきた小さな話がじわっと頭の中で映像と、そして当時のマイクを通した弁士さんの多彩な声音がミックスされて、さらに横で鼻を啜っている音が加わると。
僕もじんわり来てしまうのでありました。

戦前や戦後すぐの頃は、なんて遠くて近い、愛しい世界なんだろう。
そこに立てる度量も度胸もない厳しい時代だけど、
僕の頭はいつもそこへ飛んでゆく。

sakube.gif

すごい存在感だった漁師の作兵衛じいさまこと井上正夫。
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みじんこ

お弁当作りかけて、ばたりと倒れる。
そこから昼まで動けない。
引継しないといけないこもあるけど
早すぎても無様だと
神経立てすぎているのかもな。
水も漏らさぬようにして、
はて、何の意味があるのだろう。
どうなろうと関係ないじゃないか?

夕方より虫語彙を六つ発見する。
少し目が開く。

また夜になる。
愛しい夜になる。
雨粒が様々にぶつかる音がする。
紙に触れる。
喧噪を忘れる。

瞼の奥に星や馬を見た作家のことを思い出す。

ねむる

金土日、三日もフリーだったのに
ほとんど家から出られず。
試しに夕方少し離れたスーパーに買物に行った。
店に到着した途端から
骨が溶けるみたいな感覚。
浮き上がると崩れるの中間。

わけわからん。
帰宅後、またばたりと倒れる。
眠くて眠くて。

もしかして
人が集まる所に出ると
おかしくなってる?
そうとも言い切れないや。

息苦しさはなく、ただ急激な倦怠感。
あと十日だけなんだけど通えるかな。

売野機子さんの『MAMA』五巻まで読む。
短編集で感じられた
正統なる継承者としての類似は一気に払拭された。

誰にも似ていない。

選ばれし少年合唱団の物語。
神に選ばれ、天使の歌声を得たものは、御父に召される。
はじめは寓意かと思ったが、
本当に選ばれたものは、死ぬ。
選ばれないものは、変声期を迎え退団する。

この死だけが、
作品の中に立つ「歴然たる掟」であり、
虚構を律する要になっている。
では、少年の中で神に選ばれる条件とは?
運命づけられたものか、神への信仰の強さか、幼くして背負った苛酷な傷の深さか、孤独の割合か。
神の沈黙ゆえに少年たちは、道を探しあぐねる。

こんなに宗教や信仰の根幹を捉える漫画があるなんて。
抹香臭さは微塵もなく、
各々の少年の葛藤に身を委ね、
神の沈黙の残酷さをひしひしと思い描く。

表層世界は
もう本当にいらないや。

何処かの誰かが持つ音叉に
僕の叩く音色が届くといい。
遠く遠く一度も遭うことのない誰かに。

XYZ

一日『科学画報』の頁を繰りまくる。
状態悪いので、雑誌から粉が飛び散りまくる。

とあることを探して総ざらえしていたのだが、
3号でやっちまったことに気づいてしまう。
読者は誰も気づかないだろうが。。。
実は小説もう一編ありました!ぎゃー。
昭和7年6月号に、三宅二郎「銃弾の指紋」という作品が載っていた。
小説全リストに追加だよ。涙。

以下、言い訳にならない言い訳。
この号は目次が切り取られていた。
変な三段組の組版っていうのがあって、
三段の上、中+下が全く違う文章が載っていて、それも数ページその状態で組が続くので、とても読みにくい。
昭和7、8年は小説不毛時代で、これ以外に載っていない。

いえ、すべて僕の集中力が欠如していたのです。
内容は・・・ミステリというか、銃痕鑑別を使ったぬるいミステリというかね。
恐らく気づいていても、掲載は見送ったであろう。
特に3号は、ミステリ満載号になってしまったので。
しかし、重ね重ね申し訳ございません。
本当なら、訂正表入れるべきところですよね、、、。
が、既に売れてる冊数がかなりあり、再版予定なしなので、ご容赦ください。

それから、XYZ問題。
これまた危うく見落としかけていた、もう一編について。
科学未来記という大々的始めたが、
掲載は↓と、公募作:木村虎夫(那珂良二)の「或る愛国心」だけに留まった企画の
XYZ 「死後一千三百年」という死者復活系SFもどき。
この筆名、実は大正や昭和初期の科学評論にしばしば登場していたのですが、
編集部内の人が、書いてるのかなとか、深追いしたことがなかったのですよ。

今日、大下宇陀児のwikiみていていたら、
そこに「別名XYZ」と書かれていて、またもや、ぎゃー!
いや、全リストには挙げたけど、どうなのよ、これ?
本名の木下龍夫名義でも二本科学論文、書いてるし。
本当に同一人物なんですか?
甲賀三郎も初期からエッセイ載せていたし、同僚の宇陀児にもっと早くから紹介していた可能性もあるの?
いやそれとも、XYZが先に『科学画報』とつながりがあって、その後「浮かぶ魔島」をはじめ、甲賀の作品が載るつながりがつけられの?
あー、元々、自分の気になる評論やビッグネームな作品しかリストアップしていなかったツケが、ここに来て爆発。
やはり全リスト作らないと、いざという時、役に立たないです。

いやもう。
十分深みに取られていますが、
またも見えないレンコンやナマコが絡みついた気分。
僕、ミステリもSFもてんで判ってないんです、本当に。

遊泳

このブログの密林リンク機能が完全にダウンしていて、
書影の写真とるの面倒で、なかなか本のことが書きづらい状態に陥っている。
いつ直るんだろう。

今日は健保変更前につっこめということで、健康診断へ行く。
バリウムも発泡剤も好きだー。
ついでに正露丸も大好きだー。
でも宇宙遊泳的タヌキコロガシは、ひどく困憊する。
げっぷ出さないでといわれるが、炭酸好きの僕は、げっぷ終わっても早々出ません。
あと婦人科の諸々はいつもやる側の人の気持ちの方へ傾き、
仕事とはいえこれは他のドクターより高給もらわないときついと、
変に凹む。

そうして合流して神保町→西荻の予定だったのが、
例のガレージセール覗いてるころから具合が悪くなり、離脱。
三時間ぐったり眠りました。
この倦怠感、フルタイムの仕事なんて秋に復帰できるのだろうか。

ご近所の心療内科の広告がホームの壁電光に貼られているのだが。
院長の下の名前が、「今日生」とあって、なんと読むのかずーっと考えていた。
ある時、そのクリニックの名称に「ひびき」とついていていることに気づき、おおおとなった。
院長の年齢不明だが、大したキラキラネームじゃないか。
いや、それだけです。

明日は一日がかりで、『科学画報』の整理に勤しまねばならぬ。
展示してもらえる可愛い号が出てくるかなあ。

ひろがる

「戦前『科学画報』傑作選」を出したことで
不思議に縁がひろがってゆく。
先日、ある著作権者さまから頂いたお手紙に、顔がほころぶ。
ついでに松山さん関連の思い出話も教えていただき、
わーーと盛り上がる。

肉親のおこなった文筆業を家族や遺族の総てが肯定的ではなく、
ささやかな遺産の一部としか考えない人もいるけれど、
一方でとても誇りに思っている人も確かに存在する。
手紙や短い電話のやりとりにも、そういう温かさが伝わる時、
ちゃんと手順を踏むことは、面倒を回避するためというより、
遺族も知らない置き土産を渡せたような嬉しい出会いを齎すこともあるのだと知る。

それから更に、色々と広がりは大きくなって。
今日は某図書館の方からお問い合わせをいただいた。
不思議だ。
一重に、『科学画報』の持っていた、
かつて原田君や宮里君が抱いたあの大きな夢が
百年後に小さな花を咲かせているみたい。
自分の大好きな雑誌に、光が当たって、本当に良かったな。

詩性

人には見えないものを見ることよりも
見る必要のないものを見ないことのほうが
難しいかもしれない。

けれど
見る必要のないことを見ないと
意識を持つこと自体
もはや見えないものに出会う権利を
捨てたことになるかしれない。

純粋とかではなく、
彼らはもう凡人とは異なる配線の
目を持つている。

見えない泥地、
それはアスファルトのひび割れに潜む隙間。
そこに浮かぶ、沈む潜水艦に彼らは乗っていて
潜望鏡の厚いガラスには
人間のいない、
ただ「叙景」が映り込む。

飽くなき観察。

そういうことを言葉や絵に
変換できるひとが
本当にこの世にしずしずと
生きている不思議に、
驚くしかない。


panpanyaさんの『足摺り水族館』
神様のくれた潜望鏡。
空も飛ぶ、坂道も行く、勿論海深く潜る。
景色を追いかけて
景色に追い抜かれて
また景色をおそれず
ぎゅうっっと抱き締める。




検索虫

昨日は下北沢で行われた松山俊太郎センセエの一周忌、蓮猋忌に出席。
美学校で講義を受けていた末端の僕もセッティングのお手伝い。
途中タバコ休憩30分とってました、すみません。

食事もおいしく、何より、いろんなすごーーい方々の思い出話がおもしろくて。
いや一般人としては、こんな話きけただけでもアリガタヤでした。
一年前の葬儀、いやその前の闘病時代もずっと支えていらした
丹羽さん、今回も本当にお疲れ様でした。
とてもいい会でした。

**

で、われらが素天堂こと山口くんも、
松山センセエの遺志をつぐかたちで、黒死館新青年版のお手伝いをしています。
そして、僕もさらにヘボ助手として、語彙検索部隊に、勝手に参入。
だって、以前、詩文の検索やったとき、ドンドコ判明して楽しかったんだもん。
まさにネット時代、グーグル様のおかげですが。

なので、不明語彙あったら、やらせて~~とねだる、ぶんどる。

虫太郎が、書籍のルビを振っているのが、一番判りやすい。
カタカナでも、かなりのヒントになるからね。

さっきから二時間、独語、仏語辞典などつかいまして、四件登場する書籍がヒットしました!
やるじゃん!
とはいえ、これは非常にヒントが多いのを選んで、遊んでみたので、今後の難航は十分ありえるのです。
ちなみに、書籍名は、グーグルで検索するより、グーグル・ブックの方がタイトルに近づきやすいと感じてます。
あと人名はカタカナから予測が結構効きます。
バルトはロラン・バルトがフランス人なので、Barthsからドイツ名前を想像したりね。

本日だけその成果を披露。
自慢か!

バルト 『ヒステリー性睡眠状態に就いてユーベルヒステリッシェ・シュラフツステンデ』
"Über hysterische Schlafzustände" Engelbert Barth 1898

リーブマン 『精神病者の言語デイ・スペラヘ・デス・ガイステスクランケン』
"Die Sprache der Geisteskranken: nach stenographischen Aufzeichnungen" 1903
Albert Liebmann (1865-1924)
ドイツの精神科医(言語障害の専門家)

デ・ルウジェ 『葬祭呪文リチュエル・フュネレイル』
"Études sur le Rituel funéraire des anciens Egyptiens" Emmanuel de Rougé 1861-1863
Emmanuel de Rougé (1811-1872) フランスのエジプト学者

シュレーダー 『生体磁気説レーベンス・マグネチスムス』
"Die Heilmethode des Lebensmagnetismus: nebst einer Untersuchung über den Unterschied zwischen Hypnotismus und Heilmagnetismus"  H. R. Paul Schröeder 1895

明日からもコツコツがんばるよ~。


文フリ

本日は文フリで拙サークルお立ち寄りの皆様ありがとうございました。

フラバ起きそうにない感じでほっとして撤収。
普通に人と話せませた。よかった。ぺこり。
ここ数日倦怠感と足の痛みがひどかったのですが、
バファリンと某サプリで乗り切る。
カカイル時代に一度新刊搬入分完売ってあったのですが、
(オンリーで80冊くらいだったかな)
今日も驚きの50冊完売!
いやはや、本当に宇陀児様人気?なのかありがたいことです。
自宅近所の居酒屋で旨い酒も飲めました。
ありがとうございます。
通販もまもなく始めますので、よろしくです。

世の中にはウツ体質の人がそれなりにいて、
同じく、ウモウモウモウモと黒煙を吐いたりしていらっしゃるのですが
ウモウモ、僕は嫌いじゃなかったりする。
些細なつまづきで凹む、その些細さがあまりにも説明しがたいので、いや本人すら転びの石が見えなかったり。
今日は躓かなかったからとて、明日の保証はどこにもない。
そういう困ったウモウモ達に、遠くからエールを送りたい。
適度な放置プレー希望族ともいう。

次の本の構想を考えつつ、これからも余裕入稿に励みます。
今度こそ黒死館本にしないと、サークル名との乖離がひどくなるって。

03hyoshixcx.jpg

新刊「戦前『科学画報』小説傑作選3」
表紙は今回も、Frans Masereel(1889-1972)の版画を使いました。
実は、ちょっと入稿データミスがあって印刷に影響があり、表1側の仕上がりがショックだったのですが、ご容赦くださいませ。


天才

某邦画の宣伝。
藤田嗣治と野田秀樹合わせたような主人公、
『天才小説家』とかなんとか。

作家に天才と冠つけるの、どうなのか?
勿論天性は存在するだろうけど。
まだ詩人の方が許せるような。
この違和感。

✳︎✳︎

全身の痛みがひどく動けず。
鬱血感と倦怠が背中と足に伝播。
元気メーター、赤信号のまま。
イベントの準備とかまだ出来てないよ。

人と会うのが、
怖くて、どうしたものだろ。

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絹山絹子

Author:絹山絹子
狸穴幼稚園の図書委員

kochairo@hotmail.com
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