2013-06

タペストリ

平日に先に観ていた素氏に誘われて、「貴婦人と一角獣展」をみるため六本木へ。
天井が高い展示室に掲げられた大きなタペストリ。
細部を見るのにいいと持ってきたオペラグラスも活躍。

日曜美術館や図録を先に見ていたせいか
もはや一生見ることの叶わぬ逸品とはいえ、少し感動が薄れがち。
それでも、立体感を自然に産み出すような女性の衣装のドレープの表現に驚く。
溢れる動物や花のイコンの細かさに魅いる。

kihujin.jpg

僕はなぜか一番マブタの重い、ちょっと酷薄な印象を与える「視覚」の貴婦人が好き。
他のものはきりりとして女王然とした余裕があるのに、
この鏡をユニコーンに映り込ませて、彼(一角獣)にうっとりさせる彼女は、どこか意地悪な、その分少し狭量なイメージがある。
全体が天上の庭とか楽園のような六枚の中で、ちょっと異質な雰囲気がある。

これら六枚以外にも素敵なタペストリがクリュニーからやって来ていて、
特に、「放蕩息子」は必見。
下絵の技術力や絵解き具合から見ると「貴婦人」より上だと思うんだけど、寓意という意味では、そうでもないかも。
でも、柱で三分割された画面にみっちり織り込まれた人物の表情や、遠く彼方にある建物や木々など、飽きないよ。

**

国立新美術館は、一年ぶり。
紆余曲折を経て建築士になった妹が、転職前の短い休みに東京に来た時、案内して以来です。
黒川紀章の抑えられた冒険魂が美しく構造に出ている所が結構好き。
内部写真をパチパチ撮影して、いたく喜んでいた妹。
天井近くの梁構造がよく見えるレストランでランチとったんだけど、
かのボギューズ・フレンチ。。。べたべたなクリームに閉口したのもいい思い出です。

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さて、ユニコーンたちに別れを告げ、何故かバーでカレーを食し、ミッドタウンの「富士フィルムスクエア」に素氏を案内。
ここ、周囲のオサレ感や「あすたりふと」なんていうガクブル文字に尻込みしつつも入ると、無料で色々楽しめるのです。
「写真博物館」もいいしね、今回はなんと「土門拳 古寺巡礼展」やってた!
大きなパネル、見ごたえあり。
仏像に興味のない人も、ぐぐぐっと牽引される。
普段は流すキャプションも、土門自身の言葉が添えられていて、ついつい読みこんでしまう。


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その後、日比谷線で人形町にてプチバイト。
見たことのない、怪しい100均ショップでハローキティ三昧。
最後に、御前鮨 関山さんで、「アナゴちらし鮨」購入。

susi.jpg

うまーーい。
酒が進む、進む。

夕方で、もうないんですかと訊いたら、作ってくれました。
アナゴ、蕩けるよ、うまくて。卵焼きと栗もな!
こちらのお店、日本橋高島屋にも入ってるみたいですね。

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いちじくの鐘

頭の或る部分を駆使したゲームが好きで
十代後半から麻雀がとても好きだったのだけど
でも、あれは四人必要で
かといって雀荘に行く勇気もなくて
専らテレビゲームを相手にしていたのだったけど。

いつも、本物の牌を触ると
この瞬間、亜空間から
気のおけない、打ち仲間が現われないかと夢想したものだ。
落語の「笠碁」は些細なことで喧嘩した隠居のおじちゃん二人が
お互いしか同じレベルで打てる相手がいないのに
「ごめんなさい」を先に云いたくなくて
お互いすぐ店の近くまで来てる相手を、
首を長くして、気にしていないふりをして、片意地張って待ち続ける話で
とても可愛いのだけど。

僕には、亜空間からひょいと引き出せる人も
傘がないので変な笠を被ってヤキモキ待つ相手もいないので。
そもそもみんな切り捨ててきたので。

ご都合主義はやめなはれ、と思う。

それでも、ジュリアンについて、いいよねえと云い合える友達のようなものがあるといいなと思う。

別にジュリアンのメジャー化とか望んでいないのだけど。
加えてネットの批評とかも読まないから。

己に都合のいい、話はどこにもない。

**

お正月に、年賀状の返信が遅れてやって来た。
僕のつくる変な年賀状に唯一反応してくれそうだった人でした。

僕のような劇場型訣別ではないけど
「もう昔のU(呼称)ではないので」という言葉を眼にすると
「さようなら」と読まざるを得ないと、半年じわじわ考えて理解する。
なるほど、期待して、ごめんなさいと思う。

これで地上から、お友達がすべて消えたと思う。

なので、来年から年賀状は作らない。

**

鏡をみない。
部品程度は、毎朝ちらっと見るけど
全体は決して見ない。

ほんの或る日。
街中で何かに映り込んだものをみて
怪物かと思う。

だから鏡は決して買わない。

**

街がどんなに美しくなろうと
虫を焼き、身体に過剰な栄養を与えようと
ヘドロ化したものを吐き
ヘドロを塗りたくり
なにも、原形をとどめえぬほど腐乱してゆく
人々。

僕が自分を私と呼ぶ日がくるのか
己もヘドロ吐き続け、
五感すべて封じ込めたまま斃れる日が先を越すのか
真剣勝負のないまま、
時間までが、朽ち果てる。

**

夜は美しいはずなのに
朝の前哨だと感じた瞬間濁り、
人々を眠らせることを拒んで嗤う。

**

憎しみなどというものは
もはや関心の同義語と受け取られるようになったのではないか。


**

割れるだろう。
すべからく。

僕は僕をゆるさない。
するとその牢獄は、またひとつ錠を増やすことになる。

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絹山絹子

Author:絹山絹子
狸穴幼稚園の図書委員

kochairo@hotmail.com
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