2011-08

おキツネさん

真夜中。2:30。
僕の住む、長屋風ちっこいちっこい家が密集するブロックで。
二階の窓を開け放って、大の字で眠っていたら、
どこぞの家の中から、高周波数のアラーム音が鳴り響く。
僕が普段使っている目ざましとそっくりの鳴り方をするものだから、
びっくりして、何度も確認するけど、関係ないことが分かる。
そして、そこから、延々と、持主は一度もsnooze機能も使わず、
三十分以上、その電子音を鳴らし続けたのであった。

耳鳴り常時君の僕には、非常に苦しい周波数帯があって、
そこと電子音が合致しているものだから、全く寝られず。
聞こえる方の耳を枕に押し付けてもダメ、ついに窓を閉め切ってもダメ。

聞こえない耳をカバーするために、右の聴力は相当いいので、
これくらいのカバーじゃ太刀打ちがならないのです。
そういえばこの間、職場の一階のホールで、
二階のラボの中においてきた携帯のメール受信音をはっきりと聞き取ってしまい。
(途中扉もあり、僕の席は扉から10mは離れている)
まさかなーと思って席に戻ったら、ホントにその瞬間にメールが来ていた。
周波数限定地獄耳のおそろしさよ。

***

本日も渋谷でプチバイトあり。
バイトまで、初めて渋谷ブックオフに寄ってみる。
クラブクアトロの下、BFから三階までびっしりです。
地下には古着古雑貨まであるらしいけど、今日は二階の文庫単行本のみ。
ここは、白金のブックオフに似ています。
洋書がかなり置いてあって、単行本が100ではなく200円均一がある。
その分、置いてある本のレベルが、普通のBOよりも高めになってる。

カラマーゾフ第一巻読了。
光文社古典新訳シリーズでドストエフスキーに入った人も多いと思うけど、
「失われた時を求めて」の第一巻ばかりが転がっているに似て、
こいつも結構手ごわいわと思う。
いや、「罪と罰」から入って良かったと思っているわけです。

エピソードの個々は時折面白かったりするのだけど
「罪と罰」で感じた嘔吐感なんてぽーんと蹴飛ばすほどの俗・俗・俗の嘔吐の連続。
仕方がない、この一家は、女たらしとおキツネさんでできているのだから。
読んでいて、家長フョードルに殺意を覚えるのは、わざとなんだ、策略なんだ。
登場人物に殺意を覚えさせる程の嫌悪って、相当のものです。
大丈夫、ちゃんと読了してみせるさ。

亀山ノートによれば。
一つの重要なタームとして、おキツネさん(ヒステリー下の憑依風の女性)を含む神がかりが
ドストエフスキー作品には沢山登場してくる。
彼らは、日本のように土蔵に押し込められるのではなく、
一般人よりも遥か神に近しい者として、集団のなかで大切にされているのであります。

で。
神がかりじゃないんだろうけど、僕はよく変な人に会う。
さすがに毎日とはいわないけど、一週間毎日ちがうタイプに会うと、なんでやねん!という気分になる。
そして、当然ながら、みんな無視していて、だれも神に近い人などと思ってない。

今日も、先のBOで海外文学の200円棚を観ていたら。
横からおじさんが、ブツブツ言ってる声が聞こえた。
ひとりごとかなーと思ってたけど、やたらと声が大きい。
話しかけてる?
話しかけてます。
なにやら、俺はこの日本経済の破綻を予言していた!みたいな内容。
二、三歩逃げてみた。
追いかけてきた。
平台バンバン叩きながら、日本はもうダメなんだと。
ええ、ええ、だめでしょうとも。
でも僕は、目の前にある新潮社クレストの粗筋が読みたいの!
ちょいと振り返ると、ぐっと顔を近づけてくる。
おっさんの主張は続いたまま。
くそー、本選ばせろ!と裏側の本棚まで逃げる。
追いかけてくる。
さすがに、身の危険を感じたわ。
ペーパーバックのコーナーで振り切ったわ。



先々週。
踏切に沿って歩いていたら、おじさんが荷物を狭い道に広げて
コサックダンスの途中みたいな姿勢で呆然としていた。
その日は炎暑で、夕方になっても溶けちまうほどの暑さであったのに。
おっさんの周囲には食べかけの弁当、お風呂セット、調理道具が
一応遠慮がちに広がっていた。
その置かれていたものが、どうも合点のいかない組み合わせであった。

さらに翌日、同じ線路沿い。
向こうから大きなカートを引いたおっさん。
おっさんの腕からなんかぶらぶらしてるなーと思ったら、血圧計。
いや実際には機器はついてなく、圧迫帯と送気チューブだけだったけど。
まったく気づいてないってなんだろう。

***

明日は、東京の交通100年博@江戸東京博物館をちょいとみてきます。
今週、上司みたいな人たちが夏休みで、すっかりパラダイスでしたが
沖縄台風直撃、欠航で帰ってこれず、明日も来られませんとの嬉しい情報が。
いい、いい。
今週は出勤しながら夏休みということで。
同時に天の恵みか!?夏休みの素氏ともども、ダラダラ週間万歳であります。
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Author:絹山絹子
狸穴幼稚園の図書委員

kochairo@hotmail.com
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