2010-05

お馬鹿だWAN

土曜日はほとんど家から出ず、夕方あんまり寒いので布団に潜ったら、寝てました。
そのまま素氏が帰ってきたのには気づいたのですが、眠り続け。
気づいたら、夜の10時!
わーっとなって、お茶漬け食べて、寝転び付箋作業続行。

あー、虫太郎作品、いままで全体の五分の一も読んでいなかったのですが
(おいおい)
この機に全部読むのです。
で、初期の作品は今更ながらにその面白さに驚いています。
かーー!
すごいよ虫ちゃん。
(今まで何してたんですか、絹山さん)
同時にレズ風味の話がこれでもかと続き、エロチックさに立て続けに腰を抜かす。
倶利伽羅信号とか、石神不意人とか大好きだ。
ヴァンダインやクリスティー、ポオに言及がおよび、というかギャグが現われ
本来の作業目的の事項はなかなか抽出できないくせに悶絶する。

しかし、、、源内は、ひどい話だ。
折鶴物語もたいがいだが、ひどさのスケールが違う。
他に何倍も面白短編があるのに、これが各種文庫に収録されているのは
トンデモ見本なんだろう。
入れ子に入れ子が重なった話はいいとして。
イエス様がユダとマリアの間にできた子供で、ユダは印度から来たとかなんとか。
ここまで来ると、外れた顎が戻らないけど、笑えるからいいわあ。

付箋貼り。
いまだ条件が十分に絞り込めていないため、同じ話を何度も読む。
そのたびに見落としが見つかり、顔がひきつる。
そのたびに、話の筋がおかしくて笑う。

***

日曜日。
目黒の魚の美味しいお店で昼食をとった後、行きたかった庭園美術館に向かう。
楽しみにしていた、「ロシア構成主義のまなざし」展だ!
ロトチェンコとステパーノワの二人展なのに、
ポスターのコピーライターとして詩人マヤコフスキーが出しゃばる、出しゃばる。

期待通り、ポスターデザインが素晴らしかった。
日本語のひらがなやカタカナも海外から見れば面白いかもしれないけれど、
僕にとってロシアのキリル文字ほど美しくデザインされたタイポグラフィーはないと思う。
そこに赤と黒。
あるいは赤と紺。
あの独特の赤は、自身二色刷りされるのを待ち焦がれている色なんだ。
抽象化されて、ぞんざいに宙で固定化されるのを待ち焦がれている色なんだ。
だから、ポスター群をみていると、表紙が作りたくてうずうずする。
到底この美しさには辿り着けないと知りながらも、真似したくなる。

そして、ロトチェンコの写真も釘付けでした。
亀山郁夫さんの本を読んだとき、彼が写真家としては駆け出しの時代にマヤコフスキーを撮ったこの写真に、どんなにどきどきしたことか。
今回の展覧会にはなかったのは残念だけど。

20215104_mayakovskii_8.jpg

ロトチェンコのカメラは、剃り上げられた頭、鉄の意志を秘めた顔、そして全体から発せられるマッシヴな存在感を、演劇的ともいえる空間のなかに余すことなく写しとっている。そしてマヤコフスキー自身も、この天才カメラマンの脅迫的なレンズのゆさぶりをものともせず、世界への憎しみに満ちたまなざしにみずからのナルシシズムを溶けこませているように見える。
180p


マヤコフスキーの仮面がどことなく漂わせる虚構性の気分は、テーピングの継ぎ目を荒々しく露出させた、にわか作りのスタジオともみえるボール紙の背景からも伝わってくる。はたしてロトチェンコ自身の狙いがあったかどうかは明らかではないが、計六枚の写真のなかに、十字形をなすテーピングが詩人の背中を串刺しにし、あたかも十字架を背負ったような構図をなしている写真がある。一般にポートレート写真では、この種の串刺しをタブーとするのが常だが、ロトチェンコがそうした常識に逆らい、磔刑に処された受難者のイメージをそこに重ねあわせようとしたと考えても、けっして穿ちすぎではないかもしれない。
329-330p


終末と革命のロシア・ルネサンス (岩波現代文庫)終末と革命のロシア・ルネサンス (岩波現代文庫)
(2009/05/15)
亀山 郁夫

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図録、ほんとにロシアアヴァンギャルド周辺を逍遥しようとする人は絶対入手すべきです!
ついでに可愛いポスターのクリアファイルも買ってほくほくしましょう。

美術館を出た後、いまだ素敵な廃墟を内包した懐かしい医科研を横目に見て、
白金台のBOOKOFFに到着。
いつの間にか、配置換えになっていた。
一階にはさして買うものがなかったが、地下にスペースが広大になった洋書コーナーで爆発。
ええ、籠いっぱい、腰が抜けるほど図録買いました。
20%オフばんざーい!
素氏は念願のパルミジャニーノの図録をゲットして、家に帰って泣きべそ状態で宝物だ!!
の連発でありました。
よかったよかった、楽しい一日で。

***

帰宅後、無線LANの構築を行う。
なにしろ我が家は5台のパソコンが稼動し。
二階の窓から引き込んだ光回線を一階に一度下ろして、ネットTVとネット電話に分配し、
もう一度二階に引き上げてルーターで分配するという、ものすごいケーブルの波になっている。
そこで、せめてノーパソだけでも、無線化しようとしたのだ。
僕のノーパソは内臓式だが、素氏にはUSBの子機をつけることにした。
まずは僕のは難なくつながる。
しかし、素氏のはばんばん電波はキャッチできているのに、つながらず。
気づけば、繋がったはずの僕の無線までダメになっていた。

何度もプロトコルを書き換え、ファイアーウォールを緩めたがダメで、泣く。
そのうちに、二階に諦めて上った素氏から、
「有線のLANもおかしくなってるよー」の叫び声。
えええ?光おかしくなったか!
と一個一個チェックしていき、気づきました。
そう、おバカな僕は、ルーターの抜くべきケーブルを間違えて、光の大元からくるWANを抜いていた!
バカだ、、、バカスギル。
そりゃ電波は飛んでも、中味がないんだもの、ネットつながる訳ないよねー。

本日、素氏が二階でも接続確認してくれて、ばっちり無線が家中に飛んでいることが分かりました。
有線からの速度落ちもなく、快適ネットライフが回復いたしました。
よかったよかった。
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ハイオクマンタン

やっと一週間終了。
今週末は珍しく休日出勤しなくていい。
(わけじゃないけど、今週行くと8週連続になるので、敢えてやめる)

素氏が最近入社した所は、ふつーに手当てが充実していて羨ましい。
僕なんか、賞与なしも当然ながら(生まれて一度ももらったことなし)
有給休暇も休日出勤の手当ても交通費もないんだぜ?
ありえないー。

Image3172.jpg

僕が利用する最寄り駅、モトヤワタの一帯。
くねくね迷路の中に怪しい商店が軒を連ねていたのですが。
かなりの広範囲が再開発対象になりまして。
現在、毎日働く自動車がガフンガフンと解体作業。
囲みがないので、鉄骨剥き出しのビルの生々しい姿が如実に。
グレスケ補正すると、怪しさが増しました。

この一帯に僕の大好きな、唯一ののんびり喫茶店がありまして。
名前は「CUP」と言います。
表の沢山の電球が温かみがあって、中のメニューも大好き。
おすすめは、ボリューム満点のサンドイッチです。
今度はクレープに挑戦だ。

320x320_rect_1898669.jpg

この喫茶店、ぎーりぎーり、この再開発から逃れて、よかったなーと思ってます。
ついでに、微妙な古本屋(いや結構魔窟感あります、初めていくと)山本書店も生き残った模様。
よかった、帰り道にちょいと寄りたい場所が残ってくれて。

さ、週末は大量の付箋張り、入力作業に取り掛かります。
肩凝り最近収束してるので、このまま息を潜めていただきたい。

あ、ここ二回こっそり更新になってしまった、古代時計室ですが。
来週中に、か04をUPしたいと思ってます。

えー小ネタとしましては。
登別カルルスの「カルルス」って、黒死館に出てくる「カルルスバード温泉」から来てるんですよー。
とか
カリエの『憑着及殺人自殺の衝動の研究』コントリビュション・アレチュード・デ・オブセッション・ゼ・デ・ザムプルション・ア・ロミンイド・エ・オウ・スイシイドは
Carrier Georges "Contribution a l'etude des obsessions et des impulsions a l'homicide et au suicide chez les degeneres au point de vue medico-legal", Paris, Bureaux du Progres medical, F. Alcan, 1899, 193 p.
という論文で、原文もこちらに見つかりましたよー。
でも虫太郎は、実見せずに、別の本の参考文献から論文のタイトルだけ引いたんじゃないか。
というのが、素氏の見解です。

では、更新完了後、またお知らせします。

蟹ばかり食べる人

日記、書けば書くほど苦しいな。
書かなくても苦しいな。

客体がずっと僕を監視する。
客体は僕の妄想の産物。
コメント/拍手/TBにつづき、アクセス解析も外した。

自らを追い立てること。
多忙によって、迷妄状態を脱したいと願うからこそ。
滑走をとどめるために。
口にできない滑走を、ほんの瞬間だけでも忘れていたい。

子供時代に対する呪詛から逃れたい。
どうして今もってこんな風なのか、責任転嫁を子供時代に求めてもしょうがないのだけど。
どうして、ほんの少しの真っ直ぐな、素直で、分かりやすい心を、与えてくれなかったのかと。
どうして、人に心があるのだと、教えてくれなかったのかと。
今もその在り処が、分からない。
他者を傷つけているのではないかと必要以上に怯え、
過剰反応の反動で、もう近付くなと突き放す。
人が望む動きが見えてしまうからこそ、怖くて動けない。
あなたも、あなたも、あなたも。
僕を励ますつもりが、重圧になる。
Leave me alone.

感情にまつわる何か一言を書くと、自分で自分を切り刻む。
浅薄か嘘っぱちか盲目か。
結局、何一つマトモなことがないんだ。
書かずにいられないくせに、変換能が完全にショートしている。

かつて僕は、「絶望」と「孤独」を描くために小さなお話を作っていた。
そして今も昔も「絶望」と「孤独」を探して、小説を読む。

この二つは、一般的な概念のそれらとは異なり、
ただ他に合致する語彙がないために使うものであって、
もっと曖昧模糊とした気配のようなものである。

死をもってお涙を頂戴するとか、
カタストロフィをもって無を演じきるとか、
つまり仰々しい舞台装置を必要としない、ただ日の陰りに似た、
しかしより一層不安定で、ひたひたと忍び寄り長きに渡って拭えない
そういった「絶望」や「孤独」を共有したいと願ってきたのだ。

読書は、映像の世界の出来事。
脳の裏側に、何かが映る。
たとえひどく抽象化された文様であっても、何かが残る。
そのイメージの片々を言葉に換えられないのは、僕のせい。
でも、そもそも絵が残らなければ、もはや読書ではない。
残せないのは、僕自身のせいか、作家のせいか。

天使 (文春文庫)天使 (文春文庫)
(2005/01)
佐藤 亜紀

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拝啓 
散々みちるくん。

紫陽花が雨の日だけ、嘘みたいに生気を輝かせる毎日です。
僕は今回、衝撃の読書体験をしたよ。
生まれて初めて、最終頁まで一切絵がみえない話に出会ったんだ。
悲しくて悲しくて、自分の無力さが歯がゆくて仕方がなかった。

時代背景がまったく理解できないのは、阿呆な僕のせい。
ウィーンとプロシアとボスニアとロシアが出てきて、戦争が起こったり、間諜が暗躍したり。
仮のお父さんがバイオリンの名手だったり、本当のお父さんが男爵様で、最後にカニをむしゃむしゃしていた。
たくさんの人が僕の不得手なカタカナ名前で登場し、
時には、もうその人物の紹介が当然済んでいるみたいに、すーっと横滑りで物語に入ってくる。
でも、何ページ前を捲ってさがしても、初めて出てきた人なんだ。
読者である僕が、今にも切れそうな糸電話を必死で手繰り寄せ、ジョルジュの声を聴いているというのに。
分からない人が滑り込む。
そしてぶちんと、切れてしまう。

ねえ、お話って。
どんなに難解でも、いつしかベクトルが見えるじゃない?
作者の意図なんて呼ばなくてもいいけど。

たった一つの場面が見せたい。
たった一つの感情が見せたい。
たった一つのセリフを吐かせたい。
生きる意図がなくても、人はだらだら生きるんだという姿を見せたい。
不衛生極まりなく崩壊したい。
(そういう反駁/諧謔だって十分なベクトルになりうる)

何もないんだ、この話には。
それはね、きっと、この人が一切の共有願望を絶っているせいじゃないかと推察してみる。
簡単にいえば、サービス精神だ。
最初にイメージされたと思しき、ジョルジュ。
特殊な力の持ち主。
この力の話もずっと中盤まで伏せられたままで。
僕たちはその裏返しのカードをほとんど透かし見られるくせに、謎解きの楽しみも与えらぬまま、ただ焦燥だけを感じた。
感情を殺し、ご主人だけに従順な、機械的と目されたエスパー。
せめて、こうした像だけでも、維持してほしかった。
自分の力のせいで、罠にかかった仲間が死ぬと、申し訳なさそうに、苛まれたりする。
そんな悲哀がジョルジュに必要か。
元帥の妻と関係をもち、できた子供は元帥が認知する。
こんな野暮は必要か。
像をもたない、いずれの予想可能な型にもはまらない、まったく新しい難攻不落溶解不定形と。
僕はさすがに、そこまで引いて褒めることはできないさ。

お好みの歴史の数頁に、お好みの人物を、お好みの行動で当てはめる。
いわゆる二次創作に類似した手法が展開しているようだ。
けれど、二次創作において放出される、甘い共有可能な蜜はどこにもなくて。
ただお決まりのヤオイ臭が芬芬と漂う。

そもそもタイトルの「天使」ってなんなのだろう。
背中に羽毛が生えた子供?
やっぱりジョルジュ。
同じエスパーと対戦して、勝ったらしいジョルジュ。
お父さんが誰でも、普通にカニを貪る人。

絶望も孤独もなく。
空疎で、掌から抜け落ちてゆく。
この暗黒星みたいな衝撃は、まさか意図されてはいないよね。

絹子

***

拝復

まあ、結局はどうしようもなく生理的に合わなかったんだろう。
素氏が言ったらしいじゃないか。
「翻訳が悪い、海外文学を読んでる気分じゃないの?」と。

ただ君が悲嘆にくれるのは、君にはありがちな、
「頼まれもしないのに期待もされないのに、勝手に頑張って、誉められたい」
とか考えた結果じゃなかったのかね。
自分の好きな人が推薦するものに、共鳴できなかった。
つづめれば、そういうことだろう?
それを悔やむのは、お門違いさ。
別の個人なのだから、すべて同じに面白いわけじゃあない。

ほら一体君が薦めたものを、誰も理解してくれなくても平気だろう。
むしろかの恐ろしき「流行」になど乗ったら、呪うじゃないか。
さあ切り替えて、データの海にでも頭をつっこんでみな。

みちる

何度でも、あなたなら本当のことを

またも知恵くだる。
今日は久々のオペで、緊張したからなー。
どうして疲れや緊張がこうもおなかに来るのかしら。

もうすぐ読了するぞ、『平凡パンチの三島由紀夫』。
ええ、昼休みと17分間x2の通勤電車の中しか読んでいないので、滅法遅いんです。

しかし、この本は不思議な感覚に襲われる。
三章に入った位からデジャブが炸裂する。
時間軸を追うのではなく、ミシマに似ていると著者が考える人物との少々突飛な比較論が、様々な角度から差し込まれ。
(コクトー、ベルグソン、北野武、チェ・ゲバラ…)
何度も死の予感に震え暗い炎を立てるほどに死に焦がれる姿が描かれ、
そして幾度も最期の日に戻る。
生々しく、まるで介錯の刃が振り下ろされる瞬間を目の当たりにしている気分になり、眩暈を起こす。

ここまで読んでも、たとえ難解な哲学や社会学をミックスされたとしても。
やはり僕には「分かりやすい人」という印象はいっかな拭えない。
でも。
きっとこの人は、困っている。
探して探して、窮している。
薬でもやらせてみたら、ゲバラの軍に志願していれば、、、、と極論めいたことを書き。
その実、最期を回避できなかった理由を探しつづけている。
角度を変えても、リフレインは極大化してゆき、切なくなる。
恐らく「分かる」などといったら、バカヤロウと浅薄だと怒るだろうねえ。

時代を嗅ぎ取る所作として、こんなエピソードが面白かった。
面白がってはいけないのかもしれないけれど。

最期の年。
一度だけ著者はミシマに会ったという。
「英霊の声」の朗読レコードを抱えた彼を、既に平凡パンチからananに異動していた著者は、レコードを聴こうと編集部に誘う。
ボリュームを大きくして、何度も繰り返し聴いていたところに。

 二人でものもいわず、聴きいっていた。突然、入口のほうで足音と人の声がして、四、五人が編集部に入ってきた。足音以上に彼らの服装が、喧騒を視覚化した。イラストレーターの宇野亜喜良は、茄子紺のベルベットのパンタロン、トム・ジョーンズ風ブラウスシャツ、デザイナーの松田光弘と編集者の今野雄二は、ロンドンポップファッションそのままの、紫色と藤色のスカーフを首にまき、タイダイTシャツにジーンズという格好だった。セツ・モード・セミナー校長の長沢節は、いつものロングブーツに、クレージュ風のジャケットを羽織っていた。
 前から知りあいだった長沢と三島が、ぎこちない会話をしている。まだレコードは途中だった。今野が、ぼくにむかって「ヤマト、なにこのオンガク、キモチワリィー」とホモ口調で明快にいった。ぼくはあわてて、同僚の今野に小声で説明した。
 三島は急にソワソワしはじめた。低い声で帰る、といいながら、レコードをつつみ直しはじめた。「まだ、いいじゃありませんか。彼らは、これからすぐ映画の試写会へ行ってしまうんですから」といったが、三島は、帰る帰る、という。四人は出ていった。もう一度、プレーヤーの針をスタートに戻して、朗読を聴いた。三島は「やっぱり帰る。これは、こんなところには似合わないね」ぼくは、おざなりに聞えるかもしれないと考えながら、「そんなことはないでしょう」となぐさめた。三島は憑依から覚めたような、ひよわな表情で、ドーナツ盤一枚を残して帰っていった。ぼくは、レコードにサインして下さい、ともいわなかった。
 五ヵ月後、三島が切腹したのち、宇野亜喜良は、あの日の自分たちの登場が、三島を死に追いやったのだ、と信じこんでいた。 
p115-6

雨の文学フリマ

三度目の文学フリマに参加してきました。
前回の売れ行きの悪さに自信をなくしていたか、素氏の用意してくれた冊数はかなり少なめ。
コミケに比べるとかなり色々緩いのをいいことに、一般開場15分前というギリギリ入場。
湿気で汗がダラダラ。
開場した途端、どこに隠れていたの?と思うほど異常な列が壁を埋め尽くす。
そしてその熱気と大量の人の波は、閉場ぎりぎりまで続いた。
普通のオンリーだと、大手さんの新刊がなくなる!という焦りから人波は午前中に、せいぜい午後一時にピークを迎えるというのに。
一端波が減っても、また戻ってくる、不思議なイベント。
絶対いつもより多いわー。

閉会後に別の催しがあるから、待っている人がいるのか。
はたまた、例のツイッタなるものの効果で、誰かが文フリで○○を買ったと呟けば、何人もの人がその呟きを見て、波及効果が生まれるのか。
恐ろしい。。。
あー、SNS大嫌いな僕は、当然呟きません。
というか、呟くのが嫌なのではなく、フォローという不特定多数の人が覗き呟き返す波が怖すぎる。
こんな怖い道具を考えた人は、ここまでのウネリを予測していたんだろうか。
誰も彼もがブログに呟きの残滓を載せて、弱体化して。
恐らくネットにコミュニケーションなど不要で、資料性に一義をおく僕などは、異端の異端なのだ。
箪笥の枯れ果てた樟脳のノリなのだ。

資料性といえば。
全く暇ではないくせに、何かやっていないと、自分を追い込んでいないと落ち着かない病の僕は。
この夏も、血反吐をはく計画を細々と立てている。
夏だけではなく、恐らくdecade単位のプロジェクトの一端を形にするのだ。
そのための礎、データ作成の根本ルールを作るために、全作品初出誌リストを作りました。
約百四十の作品リスト、さらに初出誌の9割強がネット検索で判明し、作業用の底本まで、たった数時間(ええ、仕事中に・笑)決まったのは驚異でした。
逆をいえば、データの信憑性を高めることが、たとえ趣味の範囲であっても、ネットに流す上の責任だと、改めて思ったのです。

プロジェクトについては、追々公開して行きますが、
まだ作業ルールが確立していないので、もう少しお待ちください。
ま、虫ちゃんワークです、僕がやると言ったら。

話を文フリに戻し。
絶対的な人波に揉まれたのは、僕たち辺境のサークルとしても幸甚でした。
幸甚すぎて持ち込んだ本が粗方なくなりました。
昨日頑張って、黒死館骨牌の増刷/断裁をやってくれた、素氏ありがとう。
これから黒死館を読もうと意気込んで、眼鏡文人を手にしてくださった皆様。
カルタを楽しそうに手にとってくださった皆様。
逍遥の裏表紙の目次を何度も読み返してくださった皆様。
ありがとうございました。

文フリは異空間な気持ちはいまだ否めませんが、これからも異邦人気分で頑張ります。
なんといっても、ほとんど買えないんですよー。
結局、おなじみのジュール・ヴェルヌ協会さんと西岡兄妹さんとプヒプヒさんの所だけ。
つまり、文字で自己表現(特に評論ではなく、創作で)をしようとする人が、二次創作に逃げずに他者に向かって発信することの難しさを、本日も痛感した日であったのです。

Mさん現われず、今日は飲み会はなかったので。
二人はおとなしく地元に戻り、安い中華屋で激ウマの餃子やオコゲをタラフク食して、ご機嫌で帰宅いたしました。
さあ、五月ももう終わりだ。
引き篭もりモードにチャンネル切り替えだ!

あなたなら本当のことを

最近、最後まで本を読むと逆に萎えてしまうので。
中途で感想書くようにしようかなと、さくさく頑張ってみる。
(前からその傾向強いけど)

平凡パンチの三島由紀夫 (新潮文庫)平凡パンチの三島由紀夫 (新潮文庫)
(2009/09/29)
椎根 和

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ミシマは僕にとって、非常に分かりやすい人だという印象が強い。
文章は平明で一点の濁りもなく、欲望も悪も清々しいまでに澄んで剥き出しだ。
何十年と磨かなくとも曇ることのないそのガラスは、景色の前に置かれても気づくことがなく、素通りしようとしてぶつかって初めて、瞠目する。
こういう人はそうはいない。
だから、ミシマはずっとひどくアンチロマンであり、アンチ幻想である。
たとえ彼がスタイルを生み出そうと肉体を文字以外に用いたとしても、僕の中では偶像にも宗主にもなりえず、まして誰かに似ることもない。

割腹自殺まで三年間、交遊を深めた平凡パンチの編集者であった著者の描き方からは、そうしたミシマの存在自体の、エネルギーの強い光度が感じられる。
生々しくも、あくまで「分かりやすい」人の姿が見られる。
こんなエピソードも大好きだ。

一九六六年の初夏、三島が徹夜の仕事を終え、ベッドに入ろうとした早朝六時頃に、一人の見知らぬ男が邸に乱入した。蒼白な顔の青年は、白亜の建物の頑丈な仏蘭西窓をガタガタいわせ、ガラスを破り、三島の書斎に入りこみ、百科事典の一冊を、ながめていた。そして、三島にむかって、「本当のことを話して下さい」と三度くり返して、かけつけた警官に、取りおさえられた。
 自分の作品の愛読者らしい文学青年がひきおこした椿事の感想をこう書いた。「その梅雨時の朝の薄い闇に、慄へながら立つてゐた青年の、極度に蒼ざめた顔を見たときに、私は自分の影がそこに立つてゐるやうな気がしたのである。(略)私はふだん、孤独すぎる人間に或る忌はしさを感じて、避けて通る傾きがあるけれども、私の作品を通じて、私の精霊は、日夜、孤独のありあまつた人々の住家を歴訪することをやめない。私はなるべくなら、明るい、快活な、冗談をよく言ふ人々の間で暮らして行きたいが、私の知らぬ私は、陰気な、古ぼけた背広を着た方面委員のやうに、暗い軒端々々を訪ねあるいてゐるらしいのだ。そこでは孤独が猖獗してゐる。(略)あいつは私の心から来たのである。私の観念の世界から来たのである」
椎根和『平凡パンチの三島由紀夫』(新潮文庫2009)40p


そういえば、この本を読んでいて感じたことがひとつ。
僕は自分が生まれた年をまたぐ学生運動の嵐にいつも強い憧れを抱いてきた。
存在はしてもいっかな触れることがなかった熱気に思いを馳せてきた。
けれど、先日放映された三谷幸喜の「わが家の歴史」でお勉強しました風に描かれたあの時代
シベリア抑留から戻ってきた元婚約者が戦後長く抱き続けた闘争
(いやドラマ自体は、大変愛らしい《家族幻想》であったのだけれど)
を俯瞰的に見ながら
あるいは、本書で三十歳前後の筆者がお祭り騒ぎを物見遊山で眺めに行った状況などを読んでみて、
ふと気付いた。

左思想には揺るぎなく惹かれ続ける。
けれど1960年代終わりから70年代初頭、国中の若者が「流行」として流れに身を委ねていたのだとしたら。
たとえ僕がタイムスリップできたとしても、熱に浮かされるどころか、冷え冷えと引いて行っただろうと。

串揚げチェコ鬼子母神

土曜日は、清澄白河の串揚げ店、くし家にチャリで行きました。
開店からさほど経っていないのに、お店はかなり満杯。
クーポンでくし家セット(串揚げ3本+ドリンクで500円)を頼み、わいわい始める。
口コミに書かれていたように、ホールの店員数が少なすぎ、でもあまりに一生懸命なので、
客としても負担をかけないように、タイミングを計るのが難しい。
あとお会計がどうも怪しい気がした。

串揚げ当然ながら、さくさくして旨い!
僕は先の三品に加えてホタテや長いも鶏肉、レンコンなどで、舌鼓。
やはり二度づけ禁止のソースはウスターだった。
ただ以前行った塩でガシガシ頂くキャベツ食べ放題があり池袋の串揚げの店の方が、お勧めかな。
デラ焼きという、ネギ満載のイカ焼きも大阪風か?
ついでに、大好きなおでんの玉子が宙を舞う。
黄身が吹き飛ぶ。
(まだ酒は三杯目だ、酔ったわけではない)
そこで間髪入れず、素氏が「キミ散るや、南の国!」と叫ぶ。
かーーっ。
懐かしいじゃないかよ!小学生の時、本を持っていたよ!

串揚げといえば、K大勤務の頃。
小田急相模原にあった、信玄という店が、非常に好きだった。
結構高めなんですけど、他にない串揚げがお任せでどんどん出てくる。
たしか全種食べきったら、ただ?いやそんなはずはないか、何かもらえるというので食べきった。
ええ、今もメニューにあります、全28本!
すげー、20代の僕。
今でも食べられるかもしれないけど、その後の展開が怖い。

***

本当は衣替えをしたり、のんびりしようと思っていた日曜日。
しかし僕たちが敬愛(?)するNさんのブログで、素氏をおどらせる情報が流れていたため、急遽おでかけモードに。
Nさん、なぜいつも会期末に感想を書くのですか、えれえれ。
とはいえ、まあ出かけるなら、日曜休みが多いけど、あの辺の古本屋でも巡ろうかね。
と思ったら、またも僕たち呪われていたみたいです。
古本の神様、さんきゅー(と顔に縦じま入れて手を振ってみる)。

九段下経由で、早稲田に降り立つ。
ええ、早稲田といえば、早大に決まっています。
早大演劇博物館に、「チェコ、舞台衣装デッサン画展」をのぞきにいったわけです。

CIMG00711.jpg

まずはこのエリザベス朝「フォーチューン座」をモデルにした建物が猛烈にかわいい。
床がぎしぎし鳴りまくるのもお愛嬌。
階段ふぇちの素氏は写真を撮りまくっていました。

CIMG00811.jpg

で、ここは大変嬉しいことに、観覧無料なんですよー。
チェコ展は二階の一室のみでしたが、逆に日曜日なせいか人が極端に少なく。
ゆったりゆったり、素晴らしい舞台衣装の数々に見入っていました。
カレル・チャペックの実兄、あの「ロボット」という語を作ったヨゼフ・チャペックのデッサンも確かによかったけど(というか、このデッサンから、衣装作成って結構想像力が必要?とか)、
個人的にはビリービンの「皇帝サルタンの物語」の衣装が麗しく(↓山羊)。
もっとクラシックや舞台に造詣が深かったらと、もっと楽しめたはずと、二人で語っていました。

czech_41.jpg

坪内逍遥や日本の演劇関連資料の常設展を見て、
我が家でだけ盛り上がる秦豊吉=丸木砂土ショーポスターに大騒ぎし、
最後に古川ロッパ、帝国劇場、日独アジプロ演劇の図録をゲット。
この図録がまた素晴らしいのなんの。
ということで、きっと素氏が感想書いてくれるのではと、思います。

***

初めての都電荒川線にたった三駅だけ乗って、鬼子母神前へ。
おばあちゃん家(嵯峨/車折)に行く時に必ず乗った嵐電を思い出す。
駅前からすでに僕たちを手招きするような箱が並んでいるのが、目につく。
そう、前夜みつけたのは、わめぞさん主催の「みちくさ市」だったのです。
瞬間50円本を一冊つかみ、次の箱へ。
とはいえ、このイベントは、古本中心とはいえ一箱と決まっていないようで、茣蓙に直接商品を広げる人あり、ミニ本棚を積み上げる人あり、可愛い紙風船を売る人あり、と商店街の軒先や駐車場で、個性的な空間が各々広がっています。

目白通りに向かって進む前に、せっかくなので鬼子母神に参詣しようとすると。
こちらも境内の中はたいへんな賑わい。
創作市と称して、色んな手作りのお菓子や雑貨が並べられています。
可愛い。。。けど手が出せず。
駄菓子屋でラムネ飲みたいけど。。。まだ始まったばかり。
お賽銭を投げて、心を静めて、いざ古本の世界へ。

しかし、わずか20数スペースとはいえ、ハイグレードでした。
みなさん渋い!渋すぎるんだ本が!
それでなくとも趣味のいい筑摩文庫の、さらに精鋭部隊が転がっていたり。
サンコミックスの岡田史子が何気に二冊も転がっていたり。
あわわ、あわわ。。。
セミプロさんですよねー、
こんなに毎回いい本を出せるって、なかなかできませんよねー。
と、鷲掴み本ばかりで財布をしまう手がおろそかになる。
既に今年の購入本150冊超えた僕は、苦笑いしつつ、指が踊り。
いやー、うれしいけどー、だめだー。

GWの一箱もかなりの日差しでしたが、今回炎天下ずっと販売されていたみなさんは、さぞかし暑かったはず。
おつかれさまです~。
終点白山通りに見つけられたなった喫茶店を、後戻りして発見し、アイスコーヒーで一服。
はあ、五月晴れのいいイベントでありました!

3・4月購入本

昨日は健康診断。
昨年行った聖路加タワーのセンターがあまりにひどかったので、場所を近所に変えてみました。
当たり前にスムーズだ。
ドクターがあまりにもおじいちゃん先生で、話がのんびりしすぎて掴めない。
「ストレスたまる仕事してますねー、間食しちゃうよねー、痩せられないよねー、仕方ないよねー」
はー、ありがとうございます、先読みしてくれて。
ほのぼのしたまま、一時間ほどでメニュウ終了。

隣が罪つくりにもブックオフだったため、勿論チェックせずにはいられず。
ジャックリッチー「クライムマシン」とか、105円でいい文庫が落ちていたのでさくさく掴む。
帰りにモスで昼食。
隣席のおじいちゃん二人が、いかに金に困っていないかと自慢話。
酒も入っていないのにぶち上げるので、ある意味、景気がよくて笑える。

買ったばかりの羽海野チカさん「三月のライオン 2」を読む。
僕の一番好きな棋士・先崎さん監修、コラムも充実で、話の面白さ以上に楽しむ。
遠い昔、先崎さんの似顔絵イラストが、「将棋新聞」に載ったのが僕の自慢さ・笑。
なぜか、お姉ちゃんの胸のふっくら感(特に銀座でお仕事してる時や、夏にワンピ&エプロンの時)に、可愛い絵柄なのにどきどきする。
ああもう、続きは新刊で買っちゃおうかな。

半休とはいえ、のんびり感たっぷりで、仕事に向かえました。

***

遅ればせながら、3/4月の購入本リスト。
お気づきの方もいらっしゃるかもしれませんが、僕、虫本ということで。
「科学画報」「科学知識」の創刊号から昭和9年まで集め始めています。
計300冊にもなる、完揃いはかなり難しい(それも廉価に蒐集)プロジェクト。
2月に西部古書会館の雑本市で一冊250円という安さで掴んだのが、運のつき。
その中の一冊に黒死館語録につながる記事があったり、甲賀三郎が絡んでいたり。
何より記事自体がどの号をとっても、めちゃくちゃオモロイので。
ついついこの難関に挑戦することにしました。
昭和9年というのは、勿論「黒死館」初出までという区切りで。

ついでに、宗教心理とか古い医学書とかもこつこつ蒐集することにしました。
素氏がいままでにノーチェックだった本を中心に。
また虫関係や当時の科学事情で、面白い日記が書けるといいなと思ってます。

★3月★
ねじ釘の如く画家柳瀬正夢の軌跡 井出孫六 岩波書店
○アグネブーシカ 3号 カスチョールの会
○アグネブーシカ 4号 カスチョールの会
水玉生活 サラ・イイネス 講談社
明治商売往来 仲田定之助 筑摩学芸文庫
算法少女 遠藤寛子 筑摩学芸文庫
夢の魔女黒い小屋 Wコリンズ 英宝堂
荷風と東京 川本三郎 都市出版
世紀末のモスクワ ギリャーロフスキイ 群像社
〈転向〉の明暗昭和10年前後の文学 長谷川啓 インパクト出版
本の手帖1966.10特集ダダ50年 昭森社
モルトウイスキー大全 土屋守 小学館
びんの話 山本孝造 日本能率協会
藝術運動 蔵原惟人 潮流社
人間大学山東京伝と江戸のメディア 田中優子 NHK出版
アー・キン Sモーム 筑摩文庫
彷書月刊2009.2 特集天勝
サーカスの小びと Eケストナー 岩波書店
季刊iichiko1990秋 特集アルチュールランボーの文化学 三和酒類
黒馬を見たり ロープシン 現代思潮社


★4月★
科学画報 S9.11,S26.10,S2.11,S7.4
科学知識 S4.4,S4.6
心理学 松本亦太郎 帝国書院
自然科学と精神科学 本田親二・畠山恒 敬文堂書店
新纂外科各論 腹部外科3 下平用彩 吐鳳堂書店
新纂外科各論5 下平用彩 吐鳳堂書店
組織学講本 大沢岳太郎
近世病理学総論(全) 今裕 南山堂
系統解剖学・中下巻 森田斎次 明文館
薬学雑誌明治30-T3 18冊 日本薬学会
○ペンギンブックスのデザイン1935-2005 フィル・ベインズ P-Vine
○あなたのためならどこまでも 中村明日美子 芳文社
アフリカ騎兵 ピエールロチ 岩波文庫
女興行師吉本せい 矢野誠一 筑摩文庫
べけんやわが師桂文楽 柳家小満ん 河出文庫
警視庁草紙上下 山田風太郎 河出文庫
笑いと逸脱 山口昌男 筑摩文庫
暮らしの眼鏡 花森安治 中公文庫
古書街を歩く 紀田順一郎 新潮選書
東京百話天の巻 種村季弘 筑摩文庫
カラマーゾフの兄弟3 ドストエフスキー 光文古典文庫
カリスマ探訪記 雁須磨子 白泉社
ブラウン神父ブック 井上ひさし 春秋社
星新一1001話をつくった人 最相葉月 新潮社
HEAVEN1-3 佐々木倫子 小学館
なつかしの大阪朝日会館 加納正良 レベル
三月のライオン1 羽海野チカ 白泉社
紅楼夢の殺人 芦辺拓 文藝春秋
松田優作遺稿 立風書房
犯罪心理学 寺田精一 岩波書店
神経衰弱と眼 前田珍男子 一進堂 

○印は新刊購入、無印は古書

明度落下焦燥地点

白鳥はかなしからずや空の青 海のあをにも染まずただよふ

孤独の裏側の孤高の精神。
矜持だけは忘れずに。
小学校で習った牧水の歌が、不意に頭をよぎった。
境界線をほんの数ミリはみ出ると、仕掛けられた探知機でびりっと電波が走る。
深呼吸だ、深呼吸。
怖くない、怖くない。
こういう自己暗示がないと仕事に行けなくなっている。

***

GWの疲れを受けて膀胱炎になっていましたが、ようやく収束したらしい。
病院に行ったとき、昨春の血液検査の結果を見せられてえらく驚く。
微熱が下がらず咳が治まらず、抗生剤を変えてようやく治った風邪。
と思ってたけど、念のためやった検査結果をいままで聴きにいってなかったら。
百日咳!
だったらしい。
マイコプラズマ肺炎陰性でよかった(マイコは培養に影響大なので)とか思ったけど、
ワクチン打ってたはずなのに、なんで百日咳?
かなり笑えました。

***

5/4、会期終了間近の川上澄生展@世田谷美術館に行きました。
今回はひとりでお出かけです。
今年のGWは都営線春のワンデーパスが大活躍。
普段は700円の一日乗車券が500円。
ちょうど定期がきれていたので、休日出勤用に一往復するだけでも、元がとれちゃったと。

朝早めに出たはずなのに、職場から用賀は結構遠く。
またも日差しギラギラ時間帯にいらか道を抜けて砧公園を目指す。
公園はレジャーシート広げた家族連れでてんこ盛り。
何回来ても、このブッシュに道を迷い、くらくらしつつ美術館に到着。

入場するも、展示を見る前に、まずはミュージアムショップに直行。
というのも、図録が既に通販不可の残部少になっていたので、心配だったのだ。
しかし、問題なくゲット。
ついでに、絵葉書やあの棟方志功をぞわぞわさせた「はつなつのかぜとなりたや」の写真複製などを購入。
絵葉書で吸い付いたのは、吹田文明さんの木版画で無機質抽象花火にいたく心震わせる。
(その後、2006年に同館で行われた展覧会図録を偶然入手し、狂喜しました!)

さあ、荷物もがっさりロッカーに突っ込んで、ゆったりと展示をみてゆく。
川上澄生の図録関係はかなり所有していて、トランプまで持っていますが、
実物は断片的にしか見たことがなかったので、今回が初めてのまとまった体験になりました。
テーマ別の流れを眺めていって感じたのは、ああ、自分が好きだったのはやはり若い頃の作品だったのだということでした。
勿論、南蛮、玩物(時計/パイプ/洋燈/地球儀)、ナンセンス詩、諧謔昔物語いずれも心惹かれてやまないのですが。
同じテーマであっても、彫り方や刷色が時代によって全然違うのですよね。

晩年の輪郭を太い描線で明らかな黒で擦って、原色にちかい色で明度高く彩色したものがある一方。
若いときほど、細かく刻みこまれている割に、刷り色は淡くて危ういパステルカラーや灰色の濃淡。
絵具も紙も戦前戦後で不足していたのだろうと勝手な思いつきを覆す、抒情。
実際にそういう状況もあったのかもしれないけれど、きっと明度から逃げざるをえない心映えがあったのだろうと思う。
特に終生面影を求めた女性と恋が実らなかった自分を、戯画化した一連の作品(風船乗り/的/仮面舞踏会)の淡い色味には、泣きたくなった。
色味だけ取ると、濁りのない爽やかなペパーミントグリーンやベージュやラベンダー、そうした優しい感触なのですが。
刷り重ねられると、切なさで締めつけられてしまう。

なんというか、若さが暴力や爆発的なエネルギー、破天荒なイメージの氾濫に結びつく表現者も多いけれど。
川上澄生の一人の英語教師として生きたつつましい節度と、常にある優しさが、若さと合わさると、もっと小さな哀しみの核を中心にした銀河みたいになったのではないかと思うのです。
浪漫にすら自制をおこなってしまう、頑なな収束。

そんなものが一番詰まっていて大好きな作品が、「飛んでいる昆虫」(1932)という不思議な風景画。
洋館の屋根と、さらに大きく描かれた羽虫。
羽根は色が抜かれて、後光の効果線のよう。
全体は夕闇か、さらに進んだ日没か、ラベンダーで包まれている。

tondeiru_kontyu.jpg

展覧会は9日で終了しましたが、10-12月に栃木県立美術館にも巡回するようです。
図録は1400円とは思えない、豪華上製本で、すばらしい出来になっています。
ゲットすることをお勧めします!

CIMG00701.jpg

あと全く期待せず入った収蔵品展「建畠覚造―アトリエの時間」がすごくよくて。
普段、空間造形って、ほとんど理解できず流してしまうのですが。
抽象彫刻のどれもが、僕の大好きな無機質なモノトーン版画に通じるところがあって。
メッセージ性がない(ほんとはあるのかもしれないけど、押し付けがましさが全くない)のに
フォルムが精確に設計されたもので、どきどきしました。
彫刻のみならず、壁に架けられた図版は、もはや工学/建築設計図のよう。
こちらは9/5まで展示が続くようです。
絵葉書で出会った吹田文明さん共々、とてもいい発見があった一日でした。

しかし行きたい展覧会やら何やらが多すぎて、困る。
素氏のシフトもだんだん週末からずれていくようなので、これからは一人のお出かけも増えるかも。
現在、行きたいところは。

星新一展@世田谷文学館
薔薇の花咲く古河庭園(ライトアップ有!)
ロシア構成主義のまなざし@東京都庭園美術館
挿絵本の世界@町田版画美術館
ユビュ展@汐留ミュージアム

***

展覧会の図録を見返していたら、
川上澄生の若い頃のことを考えていたら、
つい最近入手した「大手拓次遺稿 詩日記と手紙」が頭の中で重なりました。
これも大親友、逸見亨君の編纂です。
ライオン歯磨広告部に勤務中、同社歯科医院に勤めていた山本ちよさんに恋をする拓次。
その思いを詩日記にしたためています。

大正11年11月12日
Yさんと昼飯の時、一緒になつたが、うつむいて顔をあげずに食べてゐた。何といふいぢらしい姿だらう。好い席がないので私が立つたあとへYさんが来てすわり、私は別な席についた。雛鳩のやうないぢらしい姿だ。昨夜Yさんの夢を見た、いくどもいくども。

 わが夢をつくるもの
汝こそはわが夢をつくるもの
ひかりの蟲のごとく
羽音やさしく
さゆらぎつつも
わが胸にしみら声す


大正12年2月9日
Yさんに「青猫」と「詩と音楽」新年号をわたした。「あげます」といふをりがなかつた。

 薔薇のほとりに
かぎりあるもののはてにぞ
よろこばしさは宿るなり
かの薔薇はあをく
にほひそぞろに
うつろひの時のあればぞ
そのいとしさの優れしを
ああ おもふまじ
おもひ絶たむか
されど夜ながれくるとき
わがこころ 風にゆれつつ
汝がかたへ ふかれゆくなり
おろかしき落葉のごときわれなるを
せめて せめて
ちりゆく葉のごとく
風のまにまにあらむもの


大正12年2月20日
Yさんに本を返された。
かなしかつた。一日中さびしくつて、しようがなかつた。あとで、洗面所であつたから「お返しにならなくつてもよかつたのに」といつたら、ほほゑんでゐた。
さびしい。さびしい。

 さびしさに消ゆる日は
ああ このさびしさの
とほのくの日はいつならむ
このさびしさの
消ゆる日はいつならむ
きみが心をもとめゆく
このさびしさの果つる日は


大正12年3月15日
朝、待合室で本をよんでゐるとき、通りすがりにYさんがあいさつされた。
ひるのとき、私が待合室で本をよんでゐるときと、Yさんが、私のうしろあたりに来たので、(私はちやうど香をくすべてゐた)「にほひますか」とたづねたら「にほひます」とYさんはいつた。「何といふのですか」とYさんがきいたら「これです」とYさんに渡して、「雪の形と花の形と月の形があるのです」といつた。Yさんにすこしあげた。手がふるへた。月の形ばかりしかなかつた。



大正12年、拓次は37歳。
この後、ちよさんは、左団次門下の元女優で、婚約者が精神界の人なので女優をやめたと噂に聞き、深く傷つく。
さらに拓次は広告部の移転にともないちよさんと会う機会を絶たれてしまう。
送別会でも禄に挨拶も出来ず、後悔と悲しみに打ちひしがれる。
そして4月、久しぶりに歯科医院を訪れた。

大正12年4月13日
歯科院。
Yさんの姿が見えないので、ふしぎに思つてゆり椅子にのつてゐると、池田さんが来て「大手さん、Yさんは都合があつてやめましたの、からだがよわいし、ほかにもすこしわけがあつて。大手さんに本を拝借して……それから、清い意味で愛していただいた、呉々もよろしく」などと言つた。

 かなしみ
悲しみは絲のごとかり
ほそぼそとたよりなく
もつれし絲のごとかり

一箱古本市2010春

暑くなってきたと思ったら、やってきましたこの季節。
目覚めたら、半そでTシャツから出ていた二の腕や首筋か、かゆいー。
結構頑張って布団干ししてたのにな。
今夜は布団乾燥機でごまかして、明朝からバルサンをかけないと。

遡行劇場そのいち。
そういえば、昔、同タイトルシリーズの丸尾末広風創作漫画同人誌を描かれてた、ケムマキ(烟巻)和美さんは、いまはどうされているかしら。

さて、5/2は四回目の参加になる一箱古本市でした。
いやー天気よかった!よすぎた!やはり焦がしタヌキです。

今回の大家さんは日暮里が最寄り駅ということで。
バス好きの素氏と最初に考えたのが、一日乗車券を使い、錦糸町までと錦糸町→日暮里と進むコースでした。
カートにダンボールを乗せ、もう一個カートを引き、紙袋にレジャーシートやポップをつめて、背中にはリュックの重装備で出発。
バス停で待つこと、10分。
日曜の朝なのに、遅れてる?
その間、新大橋通りには、びゅんびゅんタクシーが流れていくのを見送る。

ようやく来たバスを見て腰を抜かす。
満載で、この大荷物を抱えては乗り込めませんって。
既にスタート地点から砕けた、ということでタクシーに乗り込み錦糸町。
北口バス停附近に留めてもらうが、既に45分もかかるバスでは間に合いそうもなく、あっけなく断念してJRに乗る。
JRの掲示で、京王線~都営新宿線が止まっていることを知り、バスの状態に首肯した。
山手線へ乗り換える秋葉原では、下りエスカレータもエレベータも見つからず、よろよろで階段をおりる。
日暮里についてよろよろ進み、大家さん、貸しはらっぱ音地に到着すれば、もう説明が始まってました。
遅刻してすみません。。。

貸しはらっぱということで、ブルーシートまで持ってきたけど、大家さんのご好意で、ちゃぶ台を貸していただけることになり、気持ちよく設営。
最初は日陰に位置していたものの、11時の開店時には、まったく影が消えていました。
日傘だ、日傘。
無防備な素氏にも日焼け止めを塗ってもらう。

開店前から、気になる本を物色するお客さんが、ちらほら。
パチパチと拍手のもと、開店早々、次々に本が売れてゆく。
きゃー、ありがとうございます!
実は昨年、一昨年と、大変交通量の多い場所に設営させてもらっていたので、今年はここまで来てもらえるかなと、危惧していたのですけど。
日暮里からは本当に近いんですよね。

「ケルト幻想物語」に強く反応して悩んでくださった可愛いカップルさん。
開始早々に、幻想系のムックや小説を沢山掴んでくださった方。
「黒死館逍遥」を大人買いしてくださった方。
いつも必ず顔をだして下さって、渋いラインを鷲づかみしてくださる○さん。
教養版「黒死館」の1刷と2刷以降の違いを熱心に聴いてくださった多くの方。
「ぽるとがるふみ」の華麗な装丁に飛びついてくださった方。
一歩引いて、カズオイシグロの執事萌えについて語っていたお嬢さんたち。
今日はスペイン中心の買出しといって、ピカソを掴んでくださった方。
とんでもゴシックなアレーの黒頭巾につっこみを入れてくださった方。

その他本当に大勢の手に取っていただいた皆様。
挙句にうちの奇妙な子供たちの嫁入り婿入りを許してくださったみなさま。
加えて、イベント後にネットでLIBRE TONSUREのことを書いてくださった方々。
いつも沢山の気遣いをしてくださるスタッフのみなさん。
本当にありがとうございました。

僕たちは持ってきた在庫が半分以下になり、売上もあってとても楽しかったですが。
何より、他では興味を示してもらえないかもしれない子達について、お話できてすごく楽しかったです。
価格が安いのは、まあ、半分くらいはダブりのせいなんですけどね。
(お土産にとか思って買って帰ると、すでに相方の本棚に並んでいたりは、いつものことさ)
あと、普通の古本市に行ったとき、自分が思い描いた値段より、捲った値札が安いと、興奮しますよね。
そういう興奮帯を狙っているともいえるかもしれません。

今回は暑さと体力不足に打ちのめされて、他の箱はほとんどのぞきに行くことができませんでした。
でもお隣、デラシネ通信さんの中に。
「海を渡ったサーカス芸人」の筆者・大島幹雄さんがいらっしゃり、あー知っていたらサインを頂戴したのに!
とプチ地団駄を踏み。
ユーラシアブックレットの「ボリショイサーカス」など売っていただき。
ついで6月に「アートタイムズ 特集サーカス」が出ると聞き、狂喜いたしました。

終了後は、日暮里駅近くのレトロ喫茶店で休憩して、念願のバスはしごをし、帰宅。
お風呂に入って、日焼け肌を休めた後、近くの回転寿司で祝杯をあげて、まんぷくぷくになりました。
バスの路線は、20年近く前、家庭教師をしていた家の近く千束/鳳神社前を抜けて行き、懐かしかったです。
それにしても、日暮里駅は大きく様変わりしていて、全く分からなくなっていました。

***

およよさんがBLOGで、こんな感想を書かれていました。
「労力、人数、面白さなど、すべてにおいて、
スタッフ>店主>お客さん
なイベントってのは相変わらずで、特殊で、無理があって、偶然頼みだったりして、でもそれが不思議な魅力なのかもしれないなあと思いました。」

僕はこれを見て、なるほどと思い至りました。
毎回毎回、衒いなく楽しいと思える理由を深く考えてこなかったのですが。
自分が頑張りすぎず、距離を保っていること。
距離を置くことを許してくれるイベントだということ。
が理由のひとつだったのかもしれませんね。

助っ人や他のしのばずイベント、加えてそこに関わるメインの方々のされている仕事に
僕は深い興味を抱きつつも、ほとんど掠めるほどにしか触れてきませんでした。
面白そうの短絡で近づきすぎると、必ずや泣くことになるのを知っているので。
百変化の趣があったとしても、必ず落下地点は、「人とのふれあい」になるので。

一日限り、古本大好きっ子の夢の一日店長、箱も飾らなくても、本を無理にセレクトしなくても。
小さな空間で楽しむことを許してもらえるのは、すごいと感じました。
これからも、きっとLIBRE TONSUREは奇妙な本はあっても、外側は地味なままじゃないかと思います。
でも、それで、きっといいんだろうなあ。
これからも、よろしくお願いします。

では、恒例、お嫁お婿にいった本たちリスト。
★文庫★
青い羽のおもいで 立原えりか 角川 50
イースター菌 式貴士 角川 50
戦争の法 佐藤亜紀 新潮 50
いきなりハッピー 石川三千花 文春 50
二百回忌 笙野頼子 新潮 50
夢の10分間 豊田有恒 講談社 50
黒頭巾の孤島 アルレー 創元 50
夢の10セント銀貨 ジャック・フィニイ 早川 100
十月の旅人 ブッラドベリ 新潮 100
下町 ルポ朝日新聞社 朝日 100
伊藤静雄詩集 杉本秀太郎編 岩波 100
旅芝居殺人事件 皆川博子 文春 100
何かが道をやってくる ブラッドベリ 創元 100
舞え舞え断崖 赤江瀑 講談社 100
葦と百合 奥泉光 集英社 100
芋虫 江戸川乱歩 角川 100
双生児 江戸川乱歩 角川ホラー 100
ヘンリー&ジューン アナイス・ニン 角川 150
ゼーロン・淡雪 牧野信一 岩波 150
海を見たことがなかった少年 ル・クレジオ 集英社 150
江戸晴雨攷 根本 順吉 中公 150
ベティ・ブープ伝 筒井康隆 中公 200
大暗室 江戸川乱歩 光文社 200
倫敦暗殺塔 高橋克彦 講談社 200
マルタン君物語 マルセル・エイメ 筑摩 200
人生処方詩集 Eケストナー 筑摩 200
白鹿亭綺譚 ACクラーク 早川 200
日本の不思議な宿 巌谷國士 中公 200
黒死館殺人事件(23刷) 小栗虫太郎 教養 200
自殺クラブ スティーブンソン 福武 200
恐竜物語(挿画多数) ブラッドベリ 新潮 200
SFファンタジー傑作選 福島正美編 旺文社 300
ケルト幻想物語 WEイエーツ 筑摩 200
緑衣の鬼 江戸川乱歩 光文社 300
いんへるの 川上澄生 中公 300
女を逃がすな 都筑道夫 光文社 300
馬賊天鬼将軍伝 朽木寒三 徳間 上下300
黒死館殺人事件(初版初刷) 小栗虫太郎 教養 600

★新書★
言葉・狂気・エロス 丸山圭三郎 講談社現代 50
宇宙論の招待 佐藤文隆 岩波 50
ミステリーの毒を科学する 山崎昶 講談社ブルーバック 100
サンカの真実三上寛の虚構 筒井功 文春 100
無言館ノオト 窪島誠一郎 集英社 100
ブエノスアイレス事件 マヌエル・プイグ 白水U 200
短詩型文学論 岡井隆・金子兜太 紀伊国屋 200
鉄幹と晶子 須永朝彦 紀伊国屋 200
殺人混成曲 マリオン・マナリング 早川ポケミス 300

★単行本★
現代アメリカ短編選集1 テネシーウイリアムズ他 白水社 100
アインシュタインをトランクに乗せて マイケル・パタニティ ソニーマガジン 200
メアリ・ウルストンクラーフトの思い出 Wゴドウィン 未来社 200
神秘学オデッセイ 高橋巌・荒俣宏 平河出版社 200
悪漢小説集 ケベード他 集英社 300
永遠回帰の神話 エリアーデ 未来社 300(カバー欠)
幻想の風景 トニー・デュヴェール 白水社 300
カスティリオーネの庭 中野美代子 文藝春秋 300
子供にしてあげたお話してあげなかったお話 岸田今日子 大和書房 300
レオナルド・ダヴィンチ伝説の虚実 竹下節子 中央公論 300
味と映画の歳時記 池波正太郎 新潮社 300
とびきり可笑しなアイルランド百科 イーグルトン 筑摩書房 300
エムズワース卿の受難録 PGウッドハウス 文春 400
愚者の飛行術 堀切直人 沖積社 400
夜の旅その他の旅 Cボーモント 早川異色作家短編 400
永遠の薔薇鉄の貨幣 ボルヘス 国書刊行会 400
帝都東京・隠された地下網の秘密二冊組 秋庭俊 洋泉社 400
ぽるとがるぶみ 佐藤春夫訳 人文書院 500
エトルリアの遺跡 DHロレンス 美術出版社 500
石の幻影 ブッツァーティ 河出書房新社 500
東京和館 写真集 淡交社 500
第四次元の小説 クリフトン・ファディマン 荒地出版 500
『ブラウン神父』ブック 井上ひさし編 春秋社 600
迷宮と神話 カール・ケレーニイ 弘文堂 700
ピカソ偽りの伝説 ASハフィントン 草思社 上下500
生と死の美術館 立川昭二 岩波書店 1000

★雑誌★
ゴシックテイスト暗黒世界への扉 中野善夫他 アトリエサード 200
エピステーメー1977.7特集空間 磯崎新他 朝日出版社 300
別冊文藝澁澤龍彦ユートピアふたたび 松山俊太郎・四谷シモン他 河出書房新社 400
幻想文学9怪奇幻想ミステリー 日影丈吉・中井英夫他 アトリエOCTA 400
幻想と怪奇11幽霊屋敷 草森紳一他 歳月社 400
思潮1972.7ネルヴァルと神秘主義 入沢康夫・稲生永他 思潮社 700
別冊幻想文学ラブクラフトシンドローム 菊池秀行他 アトリエOCTA 700

焦がしバタータヌキ、アイガモと戯れる

チビキヌサンボが、木の回りをめぐったら、焦がしバター茶色タヌキができている。
そんな五月は行事がめじろおし。

0830 錦糸町駅から総武線快速に乗り込む。
0910 千葉で外房線に乗り換え。
1002 八積駅到着

パスモ/スイカのタッチするパネルが、改札の前にとってつけたかのようにいっこだけ地面からにょっきり突き出した棒に設置されていて驚く。
後ろから来た人の行動によれば、精算機はないため、不足分は一度改札の外に出て券売機でチャージし、改札内に戻ってタッチの必要あり。
「結婚相談所」も兼ねた村の出先機関&待合室のおじさんに、長生村役場までの道を訊くも。
どうも要領をえない。
僕たちの他にはあと二組、若いカップルさんが行進、互いの行動を追跡しつつ、田植えが終ったばかりとおぼしき瑞々しい風景を眺めつつ、進む。
やはり、電車組は極端に少ないとみた。
地元民まったく見当たらない中、不釣合いな日傘をさしてさらに進む。
モルモン教会の向かいに、人だかり。
どうやら到着したらしい。

なんとか到着したことに胸をなでおろしつつ、オーナー受付を済ます。
最中、ものすごい爆発音が、ばん!と鳴り響く。
えー?と思って眺めやると、どうやらポン菓子が弾けて大量に出来上がった模様。
わーっと喜びつつ、早速紙コップに分けてもらった、ポンを貰いにいく。
香ばしい甘い匂いと、ふわふわの米菓に既にテンションが上がった。
素氏から、子供のころに米一合と10円を握り締めて、ポン菓子を作ってもらいにいった話を聞きつつ、頬張る。

CIMG00341.jpg

すぐに次の仕込みが始まり、米が投入され点火の後、バッテリ直結ベアリングで炎が赤い舌吐く機械が回転する。
横ではインスタント珈琲添加されたドロドロの飴がかき混ぜられていた。
まだかなー、爆発まだかなー。
受け皿の網も掃除が終えられた。
。。。が、残り五分のところで、開会式でセンター内に召集される僕たち。
ああ、結局、窓が閉められていたために、遠雷規模の爆発音しか聞けませんでした。
飛び出すポンちゃんたち見られず無念。

CIMG00331.jpg

ささ、二杯目のポン菓子を貰って近くの田んぼまで、総勢300人近くが移動。
そう、小さなお子様達が、わいわい一緒に行進です。
栗の花が満開になっていたり、野草に心奪われる素氏は写真のための横道に余念なく。

いよいよ、アイガモ農法の放鳥式だ。
あぜ道に置かれた容器の中には、雛がいました!
とりあえず、だっこして写真撮影。
あったかいなー。おとなしいなー。
ここで、素氏「羽をおさえて抱くといい」とかなんとか。。
いや、僕、かつてもっと大きなニワトリを片手で抱いて、腹腔麻酔打ってたんですが。なにか?
(帰路きいたところによると、素氏は鳥を抱いたことがなかったそうな、えーー?)
というわけではなく、素氏にだっこと放鳥をお願いしてみました。
にひひ、嬉しそうだ!

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さ、放鳥です。
でもみんな可愛いからなかなか離さないんだよねー。
最初にこの田んぼで投げ込んだのは(ええ、まさしく放っていたのは)素氏でした・笑。
一瞬で羽根がどろんこ色になったけど、次々田んぼに降りてきた仲間達が集まって、集団で水かき水かき。
そして中央部の水が引け気味になったところでは、一斉に立ってきょろきょろしています。

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いやーかつて、跳び蹴りの連続でニワトリの雛には散々な眼にあった僕でしたが。
クチバシ丸っこい、生後13日のアイガモ君たちは、愛らしかったわー。
しかし、この可愛い子ちゃんが、冬には燻製になって我が家に届いてしまうとは。
むー。
いや、大変楽しみです。

で、役場に戻ってスタッフさんお手製のお昼ご飯を頂く。
大きなおにぎりに、蕗の味噌漬けに、豚汁に、トマトと玉葱のサラダ。
みんな美味しく頂戴いたしました。
素氏が買ってくれた、ヨモギ餅のアンコロもおやつで食べました。
ほわほわで激ウマ!
あー、なんだかほのぼの休まる。
そういえば村長さんがおっしゃっていましたが、長生村は千葉では唯一のこった村だそうです。
僭越ながら、頑張って欲しいです。

CIMG00631.jpg

食後はお土産をもらって、さらに完熟トマトを自宅用に購入。
食後の一服をふかして休みつつ、電車って一時間にせいぜい二本かもね~とか言ってみる。
その一服が命取りとかいわれつつ、まさか~と思いながら八積駅に到着。
近くの公民館へ高校生の集団が来るのとすれ違う。
まさか、今上り電車いったわけじゃないよね~と時刻表をみたら、ほんとに30分待ち、行ったばかりでした・涙。

待合室に置かれた91年発行の一太郎ver4の説明書に、なぜか見入る素氏。
Bドライブってなんだっけ?とかなんとか。
ああ、そういえば20代初頭プログラミングのバイトしてた時が、あのぺらぺら5インチフロッピーで、ガコガコ言わせて使ってたのが、この辺の一太郎で、フロッピーは二段、ABと使い分けていた気がする。

さ、帰りは。
乗り物大好き、乗ったことのない路線に乗りたい病のパンダの希望で。
別ルート、京葉線にのるために、蘇我で乗り換える。
最初は新木場から、土日しか走らない都バス急行に乗るとか提案されるも、却下。
東京駅に出て、日比谷経由で帰ることで了承。

CIMG00691.jpg

しかし、京葉線の中は、昼寝ガスが充満していました。
車両全員昼寝中か!ってくらいに、ほかほかふにゃふにゃしてた。
そういえば、電車で眠るなんて他の国では(治安が悪くて)考えられないことらしい。
はっと眼をさますと。
浜辺が見えたり、ヨットが優雅に浮かぶ海が見えたり、ミッキーマークのモノレールが見えたり、電車で同じ速度でずっと平行移動するジェット機が見えたり。
初夏の昼下がりの京葉線の海側は、蜃気楼みたいな風景でした。

で、ここで素直に帰宅したかというと。
三菱一号館をちら見して、無料休憩所で喫煙不可だったため、急にがっくりし。
都営線で日比谷から神保町に乗り換える際に、僕は大好きなミロンガに行くことにし。
外に出てしまう。
が、ミロンガ日曜休みで、さらにがっくりし、さぼうるでケーキにありつき、血糖値ニコチン補給完了。
最後は、当然ながら。
小宮山のガレージセールで、8冊本を買って、ほくほく帰ったのでありました。
疲れたけど、田園風景から古本で締めくくる、非常に充実した一日であったのです。

秋の収穫祭も楽しみです。
さ、明日から頑張ろう!

***

長らく日記停止して、すみません。
色々しんどかったり、困ったりしてたので。
書くのが嫌なのではなく、見られるのが怖いのですよねー。
だけど、素氏に励ましてもらったので、こつこつ遡行作業していきます。
ぺこり。

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