2009-10

待てば海路の日和ありやなしや

現在僕は、愛知県犬山市の民宿Yに投宿中。
えー外では風がびゅーびゅー泣いております。

ぷらっとこだまで名古屋に到着したのがお昼前。
ドリンク引換券で缶ビール二本と、昨日ダイエーで仕込んだ缶チューハイでほろ酔い気分の素氏とともに、まずは伏見方面へ突撃。
本来は最終日に行く予定だった名古屋市美術館を、前倒しで行った訳です。
今回の目的は、夏に栃木県で行われていた「日本の表現主義」展が行けなかったので
こっちで観てしまおう!というわけだったのです。
えー、がらがらでした、当然ながら。
萬鉄五郎(僕は、今でも彼の名をマンテツ・ゴロウと呼んでいる)とか東郷青児とか、建築関係とかめっちゃよかったんですが。
先に図録は入手していたもので。
本来出品されるべき、見たいなーと思ってた絵がなくて、悶えたりしました。
秦テルヲが一枚しかなかったよーー(涙)。

その後次第に雨がきつくなり。
犬山の古本屋までちぇっくしたのですが、やはり今夜は早く宿にいくべということで、移動。
途中名鉄の番線表記が全然理解できず、悶え、小田急とどっちが難しいかと素氏と思案したりしながら、問題の民宿に到着。

ふふふ。
玄関に並んでいたスリッパの数、二足!
そう、宿泊は僕たちだけ(大笑)。
そしてこの宿は、上がったり下がったりの大迷路の上、かなりボロくて笑えます。

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部屋の壁が、置かれた家具が・・・。
いまや探そうと思っても探せないレトロ物品満載。
お風呂もトイレも、かなり怖い。
犬山には温泉があるみたいだけど、湯船のお湯が鉄錆ぽかったのは、蛇口に「飲料水ではありません」と書かれていたのは、決して温泉ではないはず。
で、二人だけでしーーーんと静まり返った座敷で晩御飯。

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僕の奥の床の間の右手にあるのが、カッチューーー。
こわーー。

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で、極め付けが、この歯ブラシだ!
馬の歯ブラシやねん。
ねっばねっばの歯磨き粉が最初からついてんねん。
先ほど使用した素氏いわく、「喉まで洗えます!」(泣笑)

yayoi1.jpg

と、こんな民宿でなぜ日記をUPしているかというと。
名古屋のホテルでネット繋ごうかなと思って持ってきたノーパソが、この嵐の中もふわふわと飛ぶ、無線LANの電波をキャッチ。
運のいいことに、ロックのかかっていない無線LANだったのさ。
えへへ、ネット繋いで、デジカメデータ吸い上げて、YouTubeからDLしまくったアジカンの映像流しつつ、台風の行方を追うことができております。
大変笑かす、ラッキーな状態。

さらに、どうやら明日の昼にはなんとかなりそうなので。
明治村への道が土砂崩れでもしないかぎり、大幅な旅順変更なしで驀進できそうです。
明日も、色々起きそうで楽しみです。
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あの日のオシャレさん

お久しぶりです。
トリプルワーカーならぬ百足のわらじちゃんこと絹山は、この一ヶ月バッタバッタしておりました。
肉体疲労は募るものの、珍しく精神は至って健康なので、問題なし。
そして三ヶ月前から叫びに叫んでもぎとった夏休みが明日から始まるのであります。

が、しかし。
悪魔はフフフと笑ってくれました。
僕たちの猛烈な愉しみに対して、大嵐がぶっかぶるのです。
嗚呼、明治村が、近代建築がーーー。
伊勢湾台風並みって、なんですか、それ?
大嵐は大嵐でも、高校生の頃、部活の閑散期にやりまくった、あのウソツキイス取りゲームみたく、ふかしてどこかに立ち去ってくれればいいものを。
とはいえ、僕たちは邁進するのだ。
閉園にでもならない限り、猛然と村を巡るのだーー。

さて、最近読んだ本、伊藤俊二の「裸体の森へ」も滅法面白かったのですが。
なんで今までちゃんと読んでいなかったのか!の狂喜の一冊がこれ。

お・それ・みを 怪奇探偵小説名作選(3) 水谷準集 (ちくま文庫)お・それ・みを 怪奇探偵小説名作選(3) 水谷準集 (ちくま文庫)
(2002/04)
水谷 準

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なんて、おしゃれさんなの、君は!
「お・それ・みを」「空で唄う男」「七つの閨」といった青い虚無、青い絶望を裏返しにファルス的に読み込んだ第一部も勿論素敵だけど。
イマイチと呼ばれた第二部だって、そりゃあ面白かった。
水谷準は、ハイカラさんなの、おフランス小説読んでるみたいなの。
ピカレスクとは異なる仄かな悪徳の匂いを、ロマンチスト全開で包み込む。
第一部でその爽快な空中遊泳を楽しみ、第二部は、確かに舞台自体は俗っぽいのだけど、その浪漫の羽根で頁を繰らせること必至です。
そう、下手な恋愛小説よりも数倍ドキドキします。

あとね、彼はきっと絵がとっても好きだったのだろうと思う。
戦前からこんな風に自然に比喩の一端として絵画のことを頻繁に引き合いに出し、また登場人物に迷妄する画家が多いのも気にならずにはいられようか。
僕はよく短編を読んでいると、もったいねーと叫ぶことが多いのだけど。
それは、こんなプロットが壮大なのをギュウギュウに詰め込んで、長編にしろ!という意味なのだけど。
水谷準の場合、もったいねーと一度も叫ばなかった。
また氷川瓏みたく、同じプロットの使い回ししやがってーとも、叫ばなかった。
どの話も時代を超えて新鮮で、短編に凝縮された濃度が濃すぎず薄すぎず、拍手喝采なの。

一体このオシャレさんを放置し、有能な編集者としての側面ばかり光を当ててきたっていうのは、如何なものかと。
そりゃ拗ねて、そっぽ向いちゃったのも自明の理でしょう。


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絹山絹子

Author:絹山絹子
狸穴幼稚園の図書委員

kochairo@hotmail.com
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