2009-07

跳んで瞬く、その先の

「もともと塔は、レザベンディオのための跳躍台にほかならないのだ。ねえ、レザ、きみのためにこそ塔は建てられているんだぜ。きみは上のパラスの頭部構造に行きたがっている――あれと一心同体になりたがっている。そこらのパラス人の腹のなかに消えたくないんだ。上の大彗星構造のなかに消えて――きみ自身が一個の彗星になろうというんだ。」

「そうだろうか?」レザは低声で応答した。
p199

***

そうだろうか。
そうだとも。

困惑も喪失も、君のものだ。
気づき導いた、君のものだ。
きっと高みにゆけると、後押ししてもらえる、その幸福も君のものだ。
僕は見上げている。
もはや肉眼では認められなくなった君の柔軟極まる姿を。
僕は聴いている。
もはや波長をなさぬ君の声を。

***

まるでこれは結晶化した青春譜のよう。
猶予のない選民の遺書のよう。
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Author:絹山絹子
狸穴幼稚園の図書委員

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