2008-10

胸いっぱいに外気を

粘菌になって一瞬隠れあそばしていたウツ神さまが戻ってきたので
てやっとばかりに、外気をたくさん取り込みたくて
この秋行きたいところリストを作ってみました。

まずは、カモスカモスの愛称で親しまれているモヤシモンたちも展示に加わると
聞き捨てならない
国立科学博物館
菌類のふしぎ 10月11日~翌1月12日

あんま可愛いので、ちらちらする広告張ってみました。



それからと。
東京大学総合研究博物館
UMUTオープンラボ――建築模型の博物都市 7月26日~2月13日

そういえば、先日送られてきた大阪の某古書目録に
西野 嘉章さんのエッセイが掲載されていて
なにやら美術文献学のものすごい資料本が近々出版されると出ておりました。
マーク・ダイオンの「驚異の部屋」とか、ワクワク全開の本だったもんなあ。
もう、いつ発売になるかと、楽しみで楽しみで。

で、フライングで行ってしまって常設展や目録に腰を抜かした、ここ。
印刷博物館
ミリオンセラー誕生へ!-明治・大正の雑誌メディア- 9月20日~12月7日
さらに、11/22からは「世界のブックデザイン」だって。
あー侮れない、印刷博物館。

で、めっちゃ遠いけど、一度はなんとしても行きたい
川上澄生美術館
川上澄生 木口木版へのまなざし 9月13日~11月3日
川上澄生《初夏の風》 特別展示 11月8日~翌1月12日

しかし。
この週末、いやたぶん今日から、冬コミの当落検索が可能になると。
すでに、某変態心理入力部員として活動を始めている僕としては
そうそう自由がきかない。
でも、空気満タンに吸い込みたいなあ。

↓売り切れないうちにゲットしておかねばな、本。

チェコ・アヴァンギャルド ブックデザインにみる文芸運動小史チェコ・アヴァンギャルド ブックデザインにみる文芸運動小史
(2006/05/16)
西野 嘉章

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最近おもしろかったこと

今朝、呆然と歩いていたら、目つきの怪しい女性に声を掛けられる。
どうも僕は、方向音痴なのに道を尋ねられやすい。
歩き煙草を注意されるかと、一瞬引いていたら。。

「すみません、今日は何曜日ですか」

え、えええ?

「火曜日です」
「そうですか、分かりました」

なんなの?
この中学英語のとってつけたような会話めいた質問は?

最近、世の中ちょっと不思議ちゃんな、
いや多分本人はすごく辛いんじゃないかと思うんだけど、異空間な人が多い。
常連さんとしては、僕の最寄り駅で逢う、窮極の恥ずかしがりのお兄さん。
なぜか行きも帰りも逢うんだけど。
猛烈ダッシュなの。
そして、体を屈めて、新聞か雑誌で顔を隠して駆け抜ける。
どうか僕を見ないでください。
その叫びが聞こえる。
でも、あんまり必死な様で余計に目立ってしまっている。

もう一人は、迷うひと。
長い連絡道の途中で、何度も立ち止まる。
後に戻って、止まって考えて、ちょっと進んで、また戻る。
どうしようどっちに行ったらいいか分からない。
その叫びが聞こえるけど、みんなラッシュの波飛沫になって、彼女を残して去っていく。

ああ、面白い話をしようとしているのだった。

素氏が日記に書いてるけど、昨日録画しておいた南湖さんの「探偵講談」を観た。
いやあ、もうすごいです。
もし未見の方で、ミステリチャンネル入る方でしたら、30日にも再放送あるので、是非。
タヌキの尻尾はでていません。
タヌキ色の頭はちらっと何回か映ってます。
が、もうトンスラが、大暴れだ!

特に、「赤毛連盟」の根津およよバージョン「禿頭倶楽部」の部分。
南湖さん以外に映っているのは、正しく禿頭倶楽部、、いやいやズンドコの使徒の証、輝くトンスラ。
こんなに「合い」すぎちゃって、映像編集はさぞかし困ったことでありましょう。
もう、おかしすぎる!
一生で一番長い時間テレビに映った記念が、後頭だけという。
素晴らしき記念になったのです。

海野十三の「蠅男」ももう一度聞けて嬉しかったのですけど。
とんでも探偵、、いやいやとんでも奇譚であるところの
夢野久作『超人髭野博士』を最近、読了。
これ『犬神博士』の続編とかいうのですが、奇想天外しっちゃかめっちゃか過ぎで、
そのくせ最後にはだいだんえーーん!なのでビックリでした。

そもそも髭野博士の生い立ちが。
感化院から逃げ出して、無銭で女郎買いに向かったところで、
海坊主もびっくりの巨漢に気に入られてしまう。
この海坊主と組んで見世物小屋で軽業披露をしていたところ、
ある日かの山のてっぺんに、避雷針みたくぴーんと立った髪一本を発見してしまう。
海坊主の肩で逆立ちしていたら、気になってしょうがない。
もう我慢できないと、歯でぐいっと引き抜いたら、海坊主は血を噴いて絶命してしまった。

小屋の仲間からはお前が殺したと、袋だたきにあっている最中に
近頃亡くなった探偵小説家の未亡人が、髭野青年を引き取った。
青年はその家に山と積まれた科学書に読み耽り、ダイナマイトの数十倍の威力の爆薬を発明。
たのしくお勉強していたと思ったら、ある日、その屋敷がどーーーんと吹き飛んだ。
どうやら亡夫が、俺が死んだら浮気するだろうと怨念籠めて
死後三年したら爆発するように仕掛けていたらしい。
でも、その爆薬で、屋敷も何もかもぜーーぶ吹き飛んだと・笑。

仕方がないから、髭野博士(どうやら博士号とったらしい)は
「医者を生みだす」ことを商売にするようになった。
と、偉そうな語りだけど、実は実験用の犬猫を道で拾ったり盗んだりしながら
医学部に売りつけるというチンケな商売なの。
で、博士がかっさらった犬が、さらなる珍事件をうむという。

まさにジェットコースター支離滅裂な展開。
で、その途中にこんな文章を見つけました。

それから断髪令嬢は卓上のサモワールから馴れた手つきでコーヒーを入れて、わが輩に勧めてくれたが、その容器を見るとここが断然カフェーでないことを覚らされた。そこにざらざらのあるコーヒー茶碗じゃない。舶来最極上の骨灰焼だ。底を覗いてみると孔雀型の刻印があるからには、もったいなくもイギリスの古渡りじゃないか。一つ取り落としても安月給の身代ぐらいはわけもなく潰れる代物だ。わが輩は浮浪者であるが、有閑未亡人の侍従〈ハンドバック〉をやっていたお陰でそれくらいのことは分かる。アメリカの名探偵フィロ・ヴァンスみたいな半可通とは根底が違うんだ。
春陽文庫 53p



わはは。
虫ちゃんだけじゃなかったぜ。
ファイロ・ヴァンスをコケにしてるのは!
夢野久作にまで莫迦にされるって。。。

僕はまだ「グリーン家」しか読んでいないけど、いたいたしくも。
何もしないで、黒雲がたちこめているなんていってる間に、
どーんどーん、殺人が増えていってるー。
でした。

しかし、同時収録の「巡査辞職」は、夢野お得意の白痴美をちらつかせつつ
正統なミステリになっていて、別の意味で驚きでした。
あと、珈琲メーカー風のサモワールってなんなのかな。
また調べないと。

ビバたなべ!ビバ南砂!

昨晩のアドマチご覧になりました?
南砂町です。

僕んちから、チャリで15-20分のエリアですが。
なんとまさかと思っていたあの「たなべ書店」が、23位にランクイン!
わーい、わーい。
マイベスト3に入る古書店が選ばれるなんて、なんてすごいんだ。
ほとんど最近できたショッピングモールスナモの番宣と化していたのに
なんとか食い込んだ、我らがタナベ!
えらいぞ!
もう素氏と手を握り合って、きゃあきゃあ騒いでました。

このお店は、この街に引越して間もない頃。
まだ仕事をしていなかったので、地図片手にチャリで古本屋捜しを
平日昼間に行っていたとき、見つけたのです。
その衝撃といったら、もう。
途中で肋骨にひび入ったけど、そんな傷みもふっとんだ。
(道に迷った挙げ句、すっころんだのさ、ははは)

僕、お店のなかでしゃがみこんで、涙で前がみえない。。。
ちょっと大げさだけど、大真面目に感激で言葉を失った。
で、素氏をはじめて連れて行ったとき。

門仲から永代通りを東へ東へ進んでいくと、だんだん道があやしくなっていく。
白フェンスで区切られたむこうは、まるで瀧の下と想像したくなる。
ちょうど完全に日が落ちていたので、
素氏はこんな場所に古本屋なんてないよー、こわいよーだったらしいです。
でも、お店に入ったら。
無言でした。
怒ってました、むしろ。
そう、いいお店に入ると、そんな形相になって話かけられないんです。

まあ何しろ底抜けに安い。
分量が半端じゃない。
面白い本がたーーーくさん。
外の棚がもうワクワクなの。
大島店があったときは、仕事帰りに毎日外棚チェックしてたの。

ということで、大島店が潰れて、すでに跡地にどーーんとマンションが出来ているのを
恨めしげに毎日ながめているので。
なんとしても、南砂の駅前店、本店だけは死守して欲しいと願ってます。
なので、本当は秘密にしたいくらいのお店だけど、繁盛してくれることを祈ってます。

ついでに、本店横の砂町酒場さんもめっちゃ旨いですよ。
ここで買った古本を広げて、きゃいきゃいお酒呑むのが最高なのです。
僕たちは、正月二日目から突撃するのが、楽しみだったりします。


赤犀と朝貝

やっとこ振替休日が取れたので、ムサビに向かおうと思いましたが
猛烈な雨のため中止(本日最終日に向かいます)。
曲者続出の「あ02」をなんとか更新しました。

今回の発見!情報は。
赤犀と朝貝。。。じゃなくアガサイとアサガイかな。
虫ちゃんのたまう十六世紀鎗アガサイを例によって元綴りをさぐる。
でもどうも音が英語やドイツ語からかけ離れている気がしてならず、埒があかない。

で、もうひとつの手がかり、16th century spearで考えることにした。
もしかしたら、ウィキに槍の歴史とか、世界の槍一覧とかでてないかなーってね。
出てました、出てました。
ご親切にも、アルファベット順でずらりと。
そして、、assagaiがでたのであります。
アサガイって変な音は、アフリカにルーツがあるからだったんだー。
ええ、今回も本当にあるけど、メモの取り間違いだよ虫ちゃん!でした。

あと、例の死体が光る事例をのっけた「聖僧奇蹟集」でありますが。
作者は、アヴリノと書かれてるんですが。
わからーーん。
いや、Avellinoってイタリアの地名でもあるし、
これか!!と思ったイタリアの証聖人(結構格下の聖人?)Andrew Avellinoなんか、
かなり怪しいのですが。
でも黒死館では

アヴリノの『聖僧奇蹟集』を読むと、新旧両教徒の葛藤が最も甚しかった一六二五年から三○年までの五年程の間に、シェーンベルグ(モラヴィア領)のドイヴァテル、ツイタウ(プロシャ)のグロゴウ、フライシュタット(高部オーストリア)のアルノルディン、ブラウエン(サキソニー領)のムスコヴィテス――と都合四人が、死後に肉体から発光したと云う記録を残している。438p



なわけで、アンドリューは既にこの屍光事件の前に死んでいると。
どうやら、死後書簡集が出たみたいだけど、多分関係ないねえと。
そもそも屍蝋に関しては、法医学の世界でもかなり有名だけど、
屍光に関しては、なかなか難しい。
もちろん、死んだ海老や魚の体がピカピカする話は、
発光物質に関する科学論文でには出てるけど、人様の話はなかなか見つからない。

このアヴリノの『聖僧奇蹟集』は、本文では3回も登場する。
だから、どうにも捏造なんて思えないんだ。
ただし、可能性として。
アヴリノ、『聖僧奇蹟集』、屍光文献というこの3項目が全て存在しても、
個々はつながりのないものかも知れないという、虫の罠じゃないかなと考えています。

で、あと聖パトリックのDEER'S CRY だけど。
これ、聖歌隊で歌われているらしい。
ボーイズ・エアー・クアイアのCDにも「聖パトリックの鎧の胸当て」として入ってます。
ただし、虫太郎が引用した部分は、一般的じゃない英訳なので
出てこないかも。

少年のグレゴリアン少年のグレゴリアン
(2002/10/23)
ボーイズ・エアー・クワイア

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それにしても、レーナウって世紀末詩人にふさわしい、ハンサムさんだなあ。

鬱気払い

ひさびさに「黒死館古代時計室」の更新を行いました。

気づいたら、一ヶ月以上放置していたんですねえ。
自分でもびっくりなほど長期間、
「おじゃる丸」のビンちゃんこと貧乏神よろしく、
頭にスライムちっくなウツ神さまがのっていて。
ようやく多々の緊張がほぐせる期間と相成りましたので、重い腰を上げた次第。

今回の目玉。。というか骨折りは、
「悪魔教バルダス」と「アーセニックイーター」かな。

ほんとケルトもドルイド教も一向に理解していない僕にとって、
いやそれ以前に世界史が全く分からない僕にとって、
どんだけ英語のネット情報眺め回しても、よくわからーーーん。
それに口を酸っぱくするようですが、現在の嘘が、虫ちゃんの時代の真ということも多々あるわけで。

「暗視野照輝法」といった単語も、
まあバイオの世界、細胞をいじっている人にとっては、
今や簡単に覗ける暗視野観察のことなんですが、
(透明感と、むっくり厚みを感じられるので、数をかぞえるのは、とってもやりやすいです)
往事はこんな呼び名を使っていたんですね。

今回少し引用してありますが、確実に虫ちゃんが参照した通称DDDこと
"Devils,Drugs,and Doctors"「古代医術と分娩考」(昭和6年)には、
このくだりがしっかと記載されているという。
素氏の代わりにご報告。

で、問題のバルダスBarrdasですが。
たしかに虫ちゃんが参照したであろう辞書には、古代ケルトの架空の王なんて記載があるけど。
現在、このネタは一向に見つからない。

代わりに浮かび上がってくるのは、大きな詩作の潮流。
lolo MoegawgことEdward Williamsがドルイド教とキリスト教のミクスチャアを図ったとか図らなかったとか?
このMoegawgとやらは、現代吟遊詩人団体の産みの親だとかなんとか。
で、天地創造宇宙の成り立ちを歌い上げ。
ついでに、ドルイドの神を文字化したものの、いわゆるイコノロジー的な、象徴論的なものも書いてるの?
中を見れば見るほど、ますますわからーーん。

取りあえず個人的見解ではありますが、まあ架空のケルトの王様だけなら、「悪魔教」なんて罵詈を飛ばさなかったはず。
なぜにこう口汚くいったのかと、想像するに。
たとえ文学的な、ポエチカなる一運動ではあっても、深く宗教と結びついた潮流は、
異端視されたのではないか。
さらに、その神を象徴する文字たちは、眺めるにつけ、ひじょーに呪術的、呪文的に見えてくる。

script_runes_barddas1.jpg


だから、一部では、バルダス=悪魔と思う節もあったのではなかろうかと。
まあ、宗旨も何も不明のまま、推理したわけでした。

「アーセニックイーター」はまさしく砒素を食らう人たち。
こちらは、少なからず日本語でも、情報を得ることが可能。
オーストリアのある山岳地方の民間療法としてはじまったものが、
健康増進剤、ひいては美容にいいわよと欧州のリッチな人たちの間に広まっていったと。
のぞいた文献には、一日何グラムまでなら食べてもOKなんて出ていて。。
笑えました。

まあ、免疫じゃないけど、砒素をちびちび蓄積しておく
古典的トリックもありますからねえ。

ということで、次回は「あ02」が出来次第、
怪しい情報を流したいと思います。

秋のおさんぽ その2

Image0861.jpg

タヌキまたしても痛恨の一撃を食らうの巻。

はてさて、本日も素敵なお散歩日和。
日曜日しかお休みのない素氏を引っ張り出して、今日は国分寺まで行きました。
中央線に揺られて、自宅から一時間ようやくJR国分寺に到着。
おなかがすいたーの素氏の言葉につられて、南口のモスに入る。
ようやく、はじめての西武バスに揺られて向かった先は、わくわくの武蔵美です。

美大ってどんなかなーーっと、想像たくましくしてたのだけど。
結構普通の建物が並ぶ。
某美大の染色科にいた妹の卒業制作で一家全員借り出された
(といっても僕は帰省していた、ほんの数日だけだけど)思い出と共に
なんだか休日でもよれよれの学生さんがあふれているのでは。。。と思ったのだけど。
しーーんと静まりかえっていた。
そう、静まりかえるほどに。

門をくぐってすぐに、一直線にならぶ吹き出しに導かれて、僕たちは目的の建物に向かったのだけど。
トイレに入っているすきに、ポスターを眺めていた素氏は、笑い崩れていた。
嗚呼。
おーのー。
「日曜休館」!!!
ダダの装釘家としても有名な、柳瀬正夢氏の展覧会に来たはずだったのにーー。
あえなく玉砕。

Image0851.jpg

ということで、あばんぎゃるどな展示予測だけ、期待だけしこたま膨らませ退散することに。
ええい、ここまでめっちゃ遠いけど。
金曜のお休みに、もう一度リベンジだ!
なんといっても、図録がほしいんだ!
方向音痴だけど、一人で来られるさ!

ということで、再び楽しいバスの旅。
白梅学園、創価高、津田塾大と緑と畑をつきぬけて、国分寺へ舞い戻る。
じゃ、予習していた古本屋行脚でもしますかね。

まずは国分寺駅北側のら・ぶかにすと。
目録ではなんどかお目にかかっていましたが、来たのは初めて。
一号店の開店準備中から、外箱を漁る二人。
くんくんくんくん。
いい匂いがしてくるよーん。

Image0871.jpg

店舗は狭いながら、品揃えがいい具合に偏屈で素敵。
加えて、安いざんす。
のっけから、僕は四冊漫画を鷲づかんだ。
見上げると、ロアルド・ダールの児童書が、22冊で1200円!
あー、触手がぴくぴくする。
しかし、隣のセット本の値段が、1,0000という謎のカンマ位置。
もしかしたらダールは12000の間違いか。
いや、あの分量はまたしてもコンビニ宅急便送付になりかねない。
ということで、僕にとっては割りに最近好きになった倉多江美さん、
坂田靖子さんの漫画のみで店を離れた。

玄品ふぐを境にもう一本向こうに2号店があるらしい。
が、まだ開いていない。
(ま、既に13:00にナンナンとしていますが、古本屋にはありがちの時間帯)

こちらもやっと最近おもしろさがわかるようになったので
取り揃えるようになったいしいひさいち漫画文庫を読みながら進む素氏とともに
ガード下を潜り、駅の南側へ。
武蔵野一帯はやたらに緑が多いというか、公園が一杯だけど。
ここでもどんぐりの上にのったカタツムリ騎士(ナメクジ貴婦人は伴走せず)などながめつつ。
チェーン系のブックいとう国分寺店に到着。

某BOと違うところは、楽しめる品揃えであるところ。
それに僕が棲む場末とは違って、「ちゃんと本を読む」人が多いことを示す質の高さがなにより嬉しい。
二人して、えへへーと棚から棚へ跳ぶ。
最近プチブームな、ホームズ関連本など入手。

坂をのぼって、三多摩図書なる店をさぐるも、シャッターが下りたまま。
ここはどうなのかな、現存しているのでしょうか。
ほんとどんどん古本屋は潰れるから。

松屋で牛をしばき(笑)、素氏は鳥をしばき、
さあ、今度は西武国分寺線にのって、鷹の台へもどるのだー。

なぜって、実は武蔵美の帰りに一軒美術関連多しという古書店へ寄ろうと計画していたから。
ただし、ネット情報では、開店時間が、14:00だったのだ。
卵色の電車に揺られてガタガタ。
ウン十年前に素氏が乗ったときは2両編成だったらしいけど、
いまは6両編成でした。
でも単線だから、ほのぼの感がます。

鷹の台は思ったより開けてました。
ロッテリアとか、いまどき若人が小さな古民家を改築して経営する雑貨喫茶やギャラリーが軒を連ねる辺り。
荻窪とかと雰囲気が似ています。
で、商店街をてくてくぬけて。
ふっと視線を左に延ばすと、そこにゆめや書店がありました。
看板がかわいい。

実は、わざわざ行って開いていなかったら悲しいので、
たのむーーと素氏に電話を入れてもらって、開店を確認していたのでした。
店主のおじさん、めっちゃ人なつっこい感じ。
武蔵美に柳瀬正夢を見にいったけど開いてなかった、といったら
じゃあ、こんな画集は好きかな?と運んでくれたり。
すぐ裏手の玉川上水は太宰の自殺現場だから、是非に散歩しましょうとか。
まあちょっと片づいていないところが面白くもあったんですが
さすがに美術書は、変なの転がっていて、山をくずしつつ、へーーっと唸る。
僕は、なぜか昭和初頭の舞台装置図録(武蔵美発行)なんか入手。
めちゃくちゃおまけしてくれて。
さらに。

もう一軒、すぐそばの古本屋を紹介してくれました。
みどり文庫(少々あやふや)という、すごく見やすい本屋さん。
いい本が丁寧に並べられていて、並んだ本達も胸を張っている感じ。
でも、僕も最近少々擦れてきていましてね。
いい本なんだけど、もってるんだよーとか。
いい本なんだけど、ひねりやパンチがほしいんだーとか。
我儘になっているので、美味しい空気だけ賞味して出てしまいました。

少しだけ玉川上水脇の緑道をおさんぽして。
もう一度、国分寺へ戻る。
で、ら・ぶかにすと2号店のぞいたけど、開いていませんでした・泣。

最後は、昔風の純喫茶でモンブランのセットをぱくり。
コースター貰って帰りました。

Image0881.jpg

先月読んだ小沼丹氏のエッセイで
コースター蒐集でタンスが一杯の話が可愛かったので、つい。
このエッセイ、不思議な味わいで、
内田百間ほどじゃないけど、たんたん(丹丹)と日常が歪みます。
でもって、締め切り直前の井伏鱒二センセエに誘われて朝から晩まで将棋に付き合った話とか、
日夏耿之介センセエの授業で、
意地悪くご本人があの「大鴉」の自訳を朗読してくださったんだけど、
むしろ英語原文で読んだ方がわかるぜ!な気分に落ち込んでいると、
センセイがニタリとされたエピソードなんか載っていて、
かなり楽しいです。

小沼丹 小さな手袋/珈琲挽き  大人の本棚 (大人の本棚)小沼丹 小さな手袋/珈琲挽き 大人の本棚 (大人の本棚)
(2002/02/22)
小沼 丹

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ということで、楽しいお散歩は終了。
万歩計を持っていくのを忘れたのは残念だけど、
一杯歩けて大満足でした。

お家に帰って、夜はスキヤキで一騒ぎ。
さ、明日は、ホウトウを入れてスキヤキ二日目のお楽しみです。




ナメクジのおじょうさま

途中、水溜りががあるたびに、ナメクジは自分が今夜第一の美人になれるかと案じては、しばらく姿をうつして眺めるのだった。それかあらぬか、途中歩きながらも、彼女は雲母の粒、ガラスや陶器の破片といったような、小さいながらも光るものを拾い集めて、わが身を飾り立てていた。彼女がそれらのものを、頸のまわりの頸輪にしたり、背中を飾る宝石にしたり、素性の正しい軟体動物なら誰もが誇りとする多少粘着性のある分泌液の効果でそれらのものは、彼女の脇腹に定着するのだった。

「どう、あたし美しくって?」
と、こう、彼女は自分のパートナーに尋ねた。

「ふふうん!随分貧乏たらしい宝石だね。安ぴかものばっかりで」
と、こう、カタツムリが答えて言った。

これが、このお嬢さんのプライドを傷つけた。これがこのお嬢さんを誤らせた。毛虫の中の第一の美人さえが嫉妬で色を失うほど素晴らしい装身具が見つかるまで、彼女はやめなかった。彼女はゆくゆく途中に、鳥の羽根や花びらを拾い集めて、前立毛にしてかざしたり、花束にして頬の上、額の上、さては角の間に挿したりした。

「今度はどう?相当なものでしょう」
と、彼女が言った。

「つまり」と、この慇懃な騎士は答えて言うのだった。
「どこから見ても成金としか見えませんね。なにしろそれほど思いきって、いきな渋さというものに正反対な装(なり)もまず無いでしょうからね。せっかくですがこれで、お相手は御免こうむりましょう」

やむなく、この安ぴかものは諦めなければならなかった。何度となく風呂を浴びて、洗い落とさねばならなかった。そしてまた、何か他のものを見つけなければならなかった。

モーリス・ブデル「毛虫の舞踏会」
堀口大学訳

****

漫画チックな景色が好き。
このあと、「生きた宝石」ことツチボタルを背中にのせて、舞踏会へと乗り込みます。
入浴剤含まれる塩分で溶けていないといいけど。


墜落

先日の見学のときは、ちゃーんとお手本が示せたの。
とっても綺麗な出来栄えだったの。

でも、本番になると、本当にダメだ。
半年経ったけど、一向に慣れない。
上達しない。
緊張に容易に屈する。
震えて震えて、何もかもが手元から滑っていく。

終わりなき迷路は、落とし穴だらけ。
高いところから飛び降りる夢は、
子供にとっては身長をのばすうらづけだったかもしれないけど
白日夢や幻覚は、吸い込まれるばかり。
怖いばかり。

仕事の話は、もう二度と書かないようにします。
本名で生きている世界の話は、もう二度と書かないようにします。

秋のおさんぽ

Image0781.jpg

昨日は本当に秋晴れの名にふさわしい一日でした。
お散歩にはもってこい。
ということで、午後から谷中方面に出没。

谷中は本当にいつも活気と静謐が絶妙な配置で組み合わされている場所で、
一本路地が変わるだけで様子が変わっていきます。
菊祭りの会場に飾られた菊人形。
葉もそのままにマネキンに挿した風情に大笑い。
素氏がいうほど菊人形を沢山観たわけではありませんが、
むかし、神戸の相楽園には毎秋、菊人形の展示がたくさんありました。
(ちなみに相楽園は、
どんぐり拾ったり、楽焼きで茶碗に怪しい絵付けをしたり。
いっぱい思い出のある場所です。)
ちゃんとお花の部分だけで上手に衣装を飾りあげていたイメージが強かったので
今回の無頓着振りに大笑いしたわけです。

一箱古本市は、やはり観音市と一緒になっていた
団子坂上の会場が一番密度が濃かったかも。
本は、またも二人してダブり本を増やしたりして、
僕なんか気づいたら財布が薄っぺらくなっていて、
思わずD坂UFJに駆け込んだりしていました。
わざわざD坂と呼ぶのは、
以前この支店でお友達と瓜二つの行員を発見したからですが。
そして喫茶「乱歩」はなにやら途中で店が閉まってしまったり、
素氏は乱歩の文庫で、ダブりをしでかしたりして。
相変わらず、DはDらしい様相を呈していました。

その最後に向かった会場では、ヤギさんが・・・いました。

Image0801.jpg

もの凄いスピードで、紙粘土に布地を貼り付けて
軒先にかわいい動物のオブジェがぶら下げられていきます。
手元をみていると、結構ごつごつっとした指でした。
もちろん、蹄じゃなかった・笑。
あとから古書ほうろうさんでちらしを拝見したら、
やはりメリーさんの正体は男性のようでした。
うーん、でも晴天のもと、空間が歪んでしまうような
みんながえっと目を瞠いてしまうような、不思議なパフォーマンス。
椅子に座ってぼんやり眺めていても見飽きませんでした。

あと、妖怪文庫というオブジェもかわいかった。

Image0811.jpg

で、この日の収穫で一番気に入ったのが、
高野文子の「おともだち」。
綺譚社版のオレンジ箱本で、装丁(南伸坊)から中の多色刷までみんな凝っていて。
さらに、チルチルミチルの青い鳥を題材にした少女達の学芸会のお話がすごくよかったです。
版型はちがっても、山村暮鳥の「ちるちるみちる」と似ているので
狙っていたのかなあとか、思ったりもしました。

僕は高野文子やひさうちみちおといった漫画家は、どうも入り込めないところがあって。
ながらく距離をとっていたのですが。
素氏がいうように、さべあのま的な変化も感じながらも、
同じガロ出身の鳩山郁子さんに通じるような、世界観をこの一冊では強く感じたのでした。
古書ほうろうさんには、筑摩書房版の再版が置いてあったのですけど、
そちらは、箱の色が、浅葱色になっていました。

カレンダーでは三連休といっても、ほとんど休みになってなかったけど
半日でものんびり闊歩できて、何よりでした。

お子様らんち

Image0751.jpg

楽しいことは歩いてこない
だから迎えにゆくんだよ♪

素氏のリクエストにより、冷蔵庫に溜まっていたいろんなものたちで
お子様ランチ風プレートを作りました。

ナポリタン、ハンバーグ、串揚げ。
でもってお手製の旗もついています・笑。
串揚げはお気に入りのスーパーにおいてあるパーチーセットで。
7種14本入って298の格安品。
でもかりっと揚げると、おいしいんだよー。

↓は素氏用のプレート。
旗の絵は絹子が描きました。
Image0761.jpg

今日の夕方、NHK合唱コンクールの放映があり。
小学生達の歌声に耳を傾けました。

僕も高校生の頃、出場したのですが。
あれって、人数制限があるのと、全国大会は当時録画審査で。
部員100人越えの混声合唱団だったので
2.3年生の一部しか出られないのです。
さらに、録画は大阪まで出かけて、
全体(小中高の審査とは関係ない合同演奏)から始まって
小→中→高とものすごい長丁場になって。
まったく緊張感が続かなかった記憶があります。

やっぱりコンクールって、ホールの舞台袖で待っている
あのドキドキ感がたまらなかったなあと。
長野→愛媛、そして最後は三軒茶屋の昭和記念ホールで歌いました。

僕たちは指揮者の先生とバトルの連続で
もの凄く反発していたけど、
内心は合唱は、指揮者の力量が如何にモノをいうかということを
よくよく実感していた学年でもありました。
先生は、ひどくロマンチストで、
高校生相手に、情念漲る歌を子音を軋ませて歌う法を説いたり、
優しい恋の歌を、浜辺で朗々と歌わせたりしました。
当時、ラテン語の曲を歌う高校生も沢山いましたが
僕たちは、何より感情を万感こめられる日本語の歌を選び続けていたように思います。

最後に歌ったのは、「祈りの虹」という原爆反戦歌でした。
恋の情念は受け入れられても、一種鼻につくイデオロギー的な反戦歌に
当初は首を縦に振ることができなかった僕たちも。
最後の最後。
あの年、奇跡的にもとれたトリの演奏で、
先生がほとんど腕を上げることもなく、むしろ俯いて腕を組み
まさしく祈りをささげて、軽く体を揺するその左右のゆらめきだけで
僕たちは、広島の黎明の中に浮かぶ虹を見上げながら歌っていました。

卒業して、大学に進んだかつての仲間達のなかでも。
合唱を続けていたのは、ほんの一握りです。
僕も、もう二度と歌うことはありませんでした。
きっとあんな気障でロマンチストで嫌な、それでいて天性の指揮者に出会うことはないと。
そして、あんなに美しく日本語を転がして奏でる一体感を味わうことは二度とないと。
そう思っていたのでしょう。

小林秀雄/立原道造の「爽やかな五月に」、一柳慧/谷川俊太郎の「じゃあね」、高田三郎/高野喜久雄の「弦」、大中恩/土田藍の「こんな夜には」・・・。
みんなみんな大好きでした。

で、明日は。
いつも通りに出勤して。
ささっと細胞ちゃんに栄養を与えて。
千駄木&根津で、今回結局参加を諦めてしまった一箱さんたちを覗いてきます。
素氏が行きたいと騒いでいる、大名時計も見られるといいね。

一人で混乱中。

連日ノーベル賞に沸いていますが。
今朝のニュースで、
「文学賞は残念ながら、日本人ではありませんでした」
と伝えていた。

え?
誰なのよ?
そもそも日本人で取れる人がいるとでも?
誰が取ったか知りたいのに、、、
と怒りに沸々しながら、出勤。

で、夕方職場で大好きな下北沢の古書店
(といっても、一度しか行ったことがないけど)
のブログで、ル・クレジオが取ったと知る。

おおおおお。
早速素氏にメールを打った。

なぜ、おおおおおと思ったかというと。
我が家には多分、4,5冊あるはず。
でも、まだ一冊も読んでない。
講談社学芸文庫版なんて、珍しく新刊で買ったのにね。
なんて考えていたからだ。
実は、これは全くの見当違いも甚だしい。

そうこの時点で、僕はすっかり混乱していたらしい。
なぜか、ロブ・グリエとすり替わっていたのだ。

20年近く前。
そう、例えば「幻想文学BGM」という薄っぺらい「幻想文学」別冊で
オススメ本が出ていて。
僕はそのリストをいつも持ち歩いて図書館通いをしていた。
その時、「快楽の漸進的横滑り」を読んだけど。
一向にワカランナアだったので。
ずっと放置されていたのであった。

でも、ル・クレジオか。
うーーん。
多分家にあるのは、「海を見たことがなかった少年」だけかも。

今日分かったこと。
相変わらず、カタカナに異常に弱いということだけ。

さ、明日は。
「安楽椅子探偵 忘却の岬 解決編」が放映されますよ。
めちゃくちゃよくできた出題編だったので。
もうワカギエフさん化粧が怖かったけど、楽しみです。

カチカチ山の泥船はまさに溶けんとす

as well as dead.....

英語もろくに通じない、けど遠慮知らずのベトナムな見学攻撃。
もまったくかわしきれないところに。
三日間れんぞくで、久留米な見学攻撃。
今朝は、8時からヨーマクの説明してました・涙。
だって、11時に一人が帰るって言ったら
その人の都合に無理にでも併せてあげなくちゃと思ってしまう。
でもどうしてみんな、
遅刻してくるんでしょうか?

僕はいい意味でも悪い意味でも、融通がきかないので。
無報酬の見学でも、手抜きができません。
ぶうぶういいながらも。
振替のめどのたたない休日出勤にいそいそ出てしまう。
そのアホ真面目ぶりが、油に火をそそぐ。
いや、尻尾に火を放つ。
連日、カチカチ山です。

通勤電車は成田へ向かうので。
毎日、おもーーいトランクやカートを持った人たちが
えっこら階段をのぼっているのを
(なにしろ特急が止まる駅なのに、エレベータもエスカレータもない)
たいへんだなあと思い見上げてます。
でも、うらやましいなあとも。

僕も。
旅に出たいよおお。
一泊二日のハコネ温泉でもいいからあ。

今日読了した、
安岡章太郎の「大世紀末サーカス」
多分、この数年来の読書の中でも、最高の一冊でした。
僕が蒐集するサーカス本の中でも、
世紀末本としても、
どうしてみんなこの本について騒がないのかと訝しむほどに。

この本については、
必ずあらためて感想を書かねば。
そして、山積するたくさんの大事なものたちの感想も。

でも、その前に。
ゾンビに光あれ。
泥船にコルク栓あれ。

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Author:絹山絹子
狸穴幼稚園の図書委員

kochairo@hotmail.com
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