2007-12

らちつてとんび

残念ながら僕は消石灰を持っていないので、
爪先に小さなチョークをつけて立ち上がる。
右足を軸にして、じりじりかくかくと円を描く。
この場合、足の長さは一向に関与しない。
トゥシューズもない軸足は、差を求めて右往左往する。
描かれた図形があまりにも狭いので、僕は嘆息した。

ならばちょうどいいじゃないか。
右膝はここのところすっかり音をあげているのだから、自由にしてやろう。
膝もろともマザーグースよろしく、肢を半分に叩き切る。
さあ、もう一度軸足になってみろ。
じりじりかくかくどどどどどど。

なんと醜い、円などとは呼べないその図形。
でも重心がさがって、径が伸びたお祝いに、面積だけは四倍に広がった。
無残な不定形、名もなき形こそ僕にふさわしい。

これをもって、僕の「埒」とする。
どこか惑わしき自らの良心とやらに拉致されても、これが僕の「埒」だから。
一歩も中には入れまい。
もったりとした失血のまどろみの中で、僕は安堵していればいい。
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Author:絹山絹子
狸穴幼稚園の図書委員

kochairo@hotmail.com
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